2カ月ぶりにまた 神社への坂道を歩いた

周りの木々や草花を見ながら ゆっくりと歩く

 

気づくと小ぶりの木の先に 赤い実が…

つぶつぶの野イチゴを 少し引き延ばしたような可愛い実

よく見ると その木に付けられていた札に「桑の木」とあった

『赤とんぼ』の歌に 「山の畑の 桑の実を…」とあったけれど

これまで どんな実か知らずに歌っていた

今ようやく その札のおかげで

その実を認識できた

有難い! と心から思った

 

気づくと 以前にはなかった 名前の表示がたくさん加えられていた

急斜面の ぎりぎり届くくらいの木にまで 札が付けられている

いったい どうやって付けてくれたのだろう 

危ない思いをしたのではないかと

その努力に 頭が下がる

 

前回見つけた 河津桜やソメイヨシノを始め

たくさんの名前が分かり うれしくなる

コナラ、榎、タブノキ、楠、クロガネモチ、トベラ、ハゼ、ホルトノキ…

 

センダンを見つけた

そこで思い出すのは「センダンは双葉より芳し」の言葉

親戚のおじさんから その言葉を聞いた時

  ふうん センダンって 双葉よりも いい香りがするんだ💦

などと解釈していた

ただ私の心に もやもや感が残った

いったいおじさんは その言葉で何が言いたかったのだろうと

 

実際には「双葉より」って「双葉の頃から」という意味なんだけど

幼い私は 「双葉よりも」と解釈してしまっていたのだ

優れた人は 幼少期から異彩を放っているという 意味だったのにね

 

今思うと 笑えたり 無理もないと思えたり

センダンは そんな私を見て笑っていた

 

坂道の終り頃に 差し掛かったとき

「ジャカランダ」という名前が目に入って思わず立ち止まった

えっ これがジャカランダの木?

私は 本当に驚いた

こんな身近に ジャカランダの木があるなんて…

 

以前『ジャカランダの花咲く村』という本を読んだことがある

南アフリカで過ごす ある少女の姿を描いた物語

  ある時 主人公の女の子の家族は

  政府から 白人の村を作るからと 立ちのきを迫られた

  次々と迫りくる 理不尽なできごとに胸を痛めながら

  少女が見上げる先には

  みごとに咲き誇る ジャカランダの花

 

私は どんな花か知りたくて 写真を探した

そして 何本もの木々に咲く 青紫のジャカランダの花を見つけた時

その圧倒的な美しさが 読後の哀しみをより強く刺激し

私は涙をこらえることが できなかった

やがてその感情が その美しい色あいに溶けて消えていった

 

今 道端のこの木に気づいた時

その本を読んだ時の やるせない気持ちが またも蘇ってきて

心が揺れた

 

今 目の前にあるジャカランダの木には

葉も花もついていなくて残念だったけど

実際にその木を見つけただけでも 本当に嬉しい

いつか 花を付ける時がくるのかなぁ

かすかな期待を持ちながら 

ジャカランダの木に別れを告げた

 

様々な樹木に出会いながら それぞれの木や花から伝わる言葉

木々との対話はこんなにも楽しかったんだと

また改めて 自然に感謝…