3月9日(金)、山形県立産業技術短期大学において、平成29年度「清水賞」審査会が行われた。
これまで、赤塚校長、横山校長からの依頼で、平成21年度(2010年)から審査員を引き受け、今回まで9回連続で参加させてもらっている。
今年からは、校長に尾形健明理学博士が就任された。
審査員は3人であり、例年は産業短期大学の校長、山形大学工学部長、そして自分の3人である。
モノづくりの専門分野、それもかなり専門的な研究発表ばかりなのに、あえて民間企業の考えも入れるのか、毎年、審査員の依頼がくるのだ。
事前打ち合わせ、発表、審査会まで、約4時間の長丁場であるが、頭の体操になるのである。
最初の発表者の、イベント順路案内システムの開発からプレゼンテーションが始まる。
通常時の催し物案内と災害時の避難支援である。
2番目の学生は、エクスペリエンス・ビジョンに基づく生産改善手法の検討。
3Dプリンタの活用を例に出したが、むしろ、生産効率を上げる為の考え方、フィロソフィー、グランドデザインからのアプローチであり、スタンスはアクセス側の主体性に沿っていた。
山形県の経営者、モノづくりの現場で、とても大切なことだと勉強になったのである。
3番目の発表者は、エヴァンゲリオンのような、GANTZのような、人間がスーツを着て、ロボットを動かすというもの。
とても興味を引いたプレゼンだった。
そして、会社勤めを20年されて、短大の専門技術過程で、再学習をされている社会人の方の発表は、すぐ大学院で博士号が取れるレベルだと、審査員会で話が出ていた。
5番目の発表者は、建築施工分野におけるBIM活用についてのプレゼンだった。
土木エンジニアリング科実習棟のBIM化と活用方法について、時系列パーツを見せることで、クライアントと施工者、また、施工関係グループ内の共有の為のツールとして用いるとのこと。
6番目の発表者は、トイレットペーパーの残量の把握を、IOTスマートホルダーを開発して、把握しようとする研究だった。
そして7番目の発表者は、オープンキャンパス受付業務支援システムの開発。
このプレゼンを聞いていて、可能であれば、YMF山形国際ムービーフェスティバルの際にムービーオンでも活用できるし、パスラボ山形ワイヴァンズの会場でも使えると思った。
最後の発表者は、授業やモノづくりのカリキュラムと、技能五輪の課題と採点が、大分重なっていないことを分析してプレゼンしていた。
審査員長の尾形健明校長の質問は、生徒たちにエールを送っているようであった。
山形大学工学部副学部長の黒田充紀氏は、鋭い質問をされていた。
自分は、あくまで商業化できるのか?ビジネスになるか?を基準に質問をしたのだある。
毎年思うのだが、レベルが高くなってきており、それも、カテゴリーも広く、中々質問も採点も難しい。
しかし、これこそが、「モノづくり山形県」の原点のように思えてくる。
素晴らしい生徒たち。
そして指導教員である。
このプレゼンテーションの模様は、ダイバーシティメディアの市民チャンネルで、来月4月2日(月)から、4月15日(日)まで放送する。
毎日正午からの1時間と、午後7時からの1時間の2回放送予定。
土曜日と日曜日だけは、正午からの1回だけの放送予定である。
こんなに若い生徒たちが、大人顔負けの、モノづくり魂を披露するのだ。
是非、見てもらいたい。