抗癌剤治療も半ば、先日、中間のCT検査がありました。結果はうーん、本丸の膵臓癌の方は若干小さくなったものの、リンパの方に転移したいくつかが逆に若干大きくなっているとのこと。まぁープラスマイナスでいうと若干プラスかなと言うことでこのままこの治療を続けることになりました。我慢、我慢ですね。
加えてタイガース、16年ぶりの優勝、逃しました!残念というか、もうあの病状が悪化するような試合を観なくてよいのかと思うとホッとするやらで胸中複雑なもんがあります。10なん本ヒット打って、1点、2点...。 これはキツイわ。
気を取り直して今週の映画は「デューン/砂の惑星」を観てきました。うーん、何もかも壮大すぎる―。と言うことで映画化不可能と言われた1960年代のフランクハーバードの小説を1984年、あの「エレファントマン」のデビットリンチ監督によって映画化。けどこれ結構、非難されたし興行的にも失敗でした。私がまだ学生の頃で結構、観に行きたかったんやけど行こう行こうって思ってたら終わってました。だから今回は結構楽しみにしています。
時は10191年。「皇帝」のもと宇宙は統治されていた。その皇帝の下、宇宙の中で相反する二つの領家がある。その気高さと宇宙の民に対する慈愛の心から全宇宙から信頼と崇拝されるアトレイデス家。片や宇宙で最も価値のある香料、「メランジ」の生産を独占し莫大な富を築いてその財力で領家に成り上がったハルコンネン家。アトレイデス家は何度もハルコンネン家に領土を侵されそうになるがその都度、優秀な家来ガーニーハレックやダンカンアイダホ達の活躍や皇帝の仲裁によって領土を守り切っていた。
そんな中、皇帝の命によってハルコンネン家の領土であり香料「メランジ」の原産地である惑星アラキス、通称「砂の惑星デューン」に移住しハルコンネン家よりメランジの生産を引き継げというのだ。アトレイデス家の主レトアトレイデスは皇帝の思惑を怪しみながらも、その命に従う。しかし予知能力を持つアトレイデス家の一人息子ポールはこの命がやがて宇宙中を巻き込む戦争になりその中心に自らがいる...そんな夢を毎晩見るのだった。やがて移住する日がやって来る。先発隊が出迎え、香料生産の引継ぎも滞りなく終わる。砂漠の惑星であるアラキスの猛烈な猛暑は外に出るとものの数分で死に至るため特殊な保水スーツが必要でおまけに砂漠の中には巨大な砂虫「サンドワーム」が砂漠の上を渡る民を絶えず狙う。一方アラキスには先住民族フレメンがいた。彼らはハルコンネン家に弾圧されており惑星外からやって来たアトレイデス家も受け入れない。だがポールの夢の中にはいつもポールと戦う青い目の少女が現れる。フレメンの目は砂漠の中にある香料の物質によって青くなっているのだ。
そしてある夜、恐れていたことが起こる。突如襲撃してきたハルコンネン家の部隊の中に皇帝の兵も混じっていたのだ。罠にはめられたアトレイデス家は必死に応戦するも当主のレトは殺され、ポールと彼の母親ジェシカはからくも脱出する。そしてポールの親友でありアトレイデス家の勇者ダンカンアイダホと合流。必死の逃亡が始まる...。
簡潔にあらすじ書くのも難しいわ。何せ登場人物が多いし、この作品のためだけの専門用語も多い。それは「スターウォーズ」シリーズも一緒なのになんかこの作品というか物語、軽快さがない。重々しい。要するに「スターウォーズ」のように軽快に描けるような原作じゃないわけですな。その「スターウォーズ」でさえもこの「デューン/砂の惑星」のフランクハーバードに影響を受けていると言います。まあマニアにとってはほんとにすごい作品なわけです。本作の監督さんはドゥニドルヌーブって聞きなれない監督さんやけど「ブレードランナー2049」や突如、宇宙船が地上に降り立つと言う「メッセージ」など作った人でSFが好きなんやね。けどエミリーブラント、ベネチオベルトロ、本作でガーニーハレックを演じたジョッシュブローリンが主演した「ボーダーライン」は面白い作品でした。一方、前作1984年度版「デューン/砂の惑星」を撮ったデビッドリンチ。正に鬼才と言うにふさわしい人やけどこの作品は残念でした。ただでさえ暗い題材やのにこの人が撮ると余計に暗い作品になりますわ。この作品まだ観たことないから何とも言えんのやけど。
けど、批評家の評価も厳しく、興行的にも失敗やったけど作品中に演出したデビットリンチ特有の「グロテスクさ」がリンチ監督のマニアにはかなり評価が高かったらしいですよ。彼自身に編集権がなく、映画会社側がバッサリと大量の編集カットが行われたと言うのも彼にとっては不幸でした。彼の代表作は何といっても「エレファントマン」。醜悪な姿で生まれてきたジョンメリックと言う実在の人物を描いて興行的にも大ヒット、作品自体の評価も高く、オスカー受賞はならずとも、その年のアカデミー賞の最多部門ノミネートとなりました。けどもうそれもだいぶ前のことになりますね。その他に「ブルーベルベット」や「マルホランド・ドライブ」など評価の高い作品もありますが、その他で彼の功績をたたえるなら大人気テレビシリーズを手掛けた「ツイン・ピークス」です。「世界一美しい死体」と話題になったローラーパーマー殺人事件を描いたミステリーです。綺麗なもんも撮れるわけやね。
まあ兎にも角にも描き切るのは難しいでしょうね。これからシリーズとして主人公の若き領主ポールアトレイデスの成長物語、宇宙戦争スペクタクルとして描かれるんやろうけどやっぱり暗いわ-。
