映画が好きになったわけ | kazuのブログ

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10月27日、父が永眠しました。83年の生涯です。中学を出て就職。昔でいう「旋盤の職人」です。自分は中学出だからといって私に「絶対大学へ行け、どんな大学でもいい」が口癖。24で学年が同じ母と出会い、結婚。25歳で生まれたのが私、不肖の息子であります。妹二人と五人家族で狭い県営住宅から私が19歳、大学入りたての頃。神戸の今の団地だけれども広い家に引っ越してきました。しかしすぐ、母の体調が悪化、癌がみつかりました。それでも母は私が大学を卒業する間際、22歳まで頑張りました。けれど父が母と死に別れたのは47歳。あまりにも早い別れです。それから36年、今までずっと再婚もせず私たちだけで暮らしてきました。

 

父が好きだったのは野球、阪神。物心ついたころからTとHの帽子をかぶらされました。当然野球を始めたのもその影響です。父は会社の野球部のエースで神宮まで行ったこともあるそうです。それともう一つは映画...

私が映画を本格的に映画館へ行って観出したのが高校生の頃、野球部の試合の後、友達とよく映画館へ出かけました。野球は父の影響でも映画が好きになったのは一緒に行った野球部の友達の影響だと思ってましたが、今、父と過ごした50年以上の歳月を思い起こせばまだ妹たちも生まれていない小さい頃、県営住宅の狭い団地の部屋で父、母、私と川の字に布団を引いて父の布団に潜り込み一緒によくわからないのにテレビの洋画劇場を観ていました。

「あれがジョンウェインや」「あれがゲーリークーパーや」

そう言われながら観ていたのを覚えています。母も映画が好きでしたが、男くさーい、ウェインやクーパーと違って、母が好きなのがアランドロンにジェームズディーン。いわゆる「ニのセン」。よくそれで揉めていたのを見て笑ってました。

父が好きだった映画は西部劇。好きな作品は「リオ・ブラボー」「アラモ」そして「ヴェラクルス」。

 

リオ・ブラボー...テキサスとメキシコ国境に近い町リオ・ブラボー。ジョンウェイン扮する保安官チャンスが町を牛耳るボスの弟を殺人の容疑で逮捕します。連邦保安官が来るまでの数日間、彼と親友のアル中保安官助手と足の悪い牢番の爺さん、そして緊急に助手に雇った、まだあどけなさが残る若者の4人だけで保安官事務所を守り抜く。ガンファイト、ダイナマイトを駆使した銃撃戦が展開されるという痛快西部劇。

アラモ...メキシコ大統領サンタアナの圧政に苦しむ、テキサスの人民が蜂起し、起こったテキサス独立戦争の真っ只中、テキサス軍率いるサムヒューストン将軍が軍再編の時間稼ぎためアラモ砦において僅か180名で7,000のメキシコ軍を相手に13日間もくぎ付けにし、散っていったテキサス義勇軍の戦いを描きます。ジョンウェインは英雄デイビークロケットを演じメガホンもとった力作です。

ヴェラクルス...主演ゲイリークーパー、バートランカスター。南北戦争直後のメキシコの町ヴェラクルス。元南軍の軍人ベンとアウトローのジョーは皇帝の金貨300万ドルを狙います。反目しあいながらも二人には友情が芽生えていきます。しかし、そんな二人にやがて決闘の時が...

やっぱり、私の人生に一番影響を与えたのは父であったと今更ながら思い知らされます。私が会社を立ち上げてから正直、良好な関係とは言えませんでした。会社を作るとき金銭面で迷惑かけたままだしね。けど、今となっては只々、冥福を祈るしかありません。結婚もせず、自分の家庭も持てず、孫の顔さえ見せてやることができなかった親不孝者ですが、それでも私の人生はまだ続きます。この2020年は自分にとって最悪の年でした。コロナ禍の影響を喰らい、挙句の果てに父を亡くす。生涯忘れられない年になると思います。これから残りの人生も何が待ち受けているかわかりません。それでも自らを叱咤激励し歩んでいくつもりです。