kazuのブログ

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サラリーマン社長のムービートラベル

「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズで一躍名を挙げたイギリス若手女優キーラナイトレイ主演で贈る実話です。2003年、「9.11」以降、なんとしてもイラクに大量破壊兵器があることを証明して、サダムフセインを死刑台に送りたいアメリカ大統領ブッシュはイラクを戦争に引きずり込みたくてうずうずしてた頃の話です。ブッシュはイギリス首相のブレアを引き込み米英で戦争キャンペーンが張られます。そんなときイギリスの諜報部GCHQ(政府通信本部)で働く一人の女性が怪文書を見つけます...。

果たして彼女のとった行動は国家への反逆か、正義の制裁か、まさに民主主義国家だからこその作品「オフィシャル・シークレット」はサスペンスながら今も生存する当事者たちがいるにもかかわらず堂々と彼らを批判し倒しています。

2003年、アメリカ大統領ジョージWブッシュは何としてもイラクを戦争に引きずり込もうとイギリスら有志連合と手を組み、世界中に戦争の正当性を訴えていた。イラクで開発されているという「大量破壊兵器」を見つけ出しそれを口実にサダムフセインを抹殺しようとしていたのである。ブッシュと同盟を結ぶイギリスのトニーブレア首相はテレビや報道で戦争キャンペーンを張っていたが、同時に反戦運動の機運も高まりイギリスは戦争賛成派と反対派で二分する形になっていた。そんな真っただ中、イギリスの諜報機関CGHQ(政府通信本部)で働くキャサリンガンはアメリカNSA(国家安全保障国)から送られてきた怪文書を発見する。「国連安保理のメンバーを盗聴せよ...」

国際法で違法とされるこの行為は戦争反対派であるキャサリンの正義心を駆り立てた。彼女は反戦派の元同僚に「この秘密をリークしたい...」と持ち掛けこの文書を手渡す。文書はその元同僚から反戦運動家へ、そしてイギリスの大手紙「オブザーバー」の辣腕記者マ-ティンブライトへと...オブザーバーの編集部はこの告発文を出すか否かで揉めに揉めたが、ついに掲載。イギリス国内では真実か否か、真実だとするなら告発者は誰かと大反響を呼ぶ。激怒したイギリス政府は当然「告発者は誰か?」の犯人捜しを始める。捜査の手はキャサリンのいるCGHQまで及ぶ。連日繰り広げられる同僚への尋問。いたたまれなくなった彼女は遂に名乗り出る。

「私がやりました...」

拘束、尋問、監視...。追及が始まる。窮地に陥ったキャサリンだったが人権派の腕利き弁護士ベンエマーソンが付くことになり四面楚歌の中にも光明が差してきた。だが遂にはアメリカを中心とする有志連合がイラクに攻撃を開始する。そして政府の魔の手は彼女の身内にも。クルド人の血が流れるトルコからの亡命者であるキャサリンの夫ヤシャルが強制送還されそうになる。間一髪のところでエマーソンが手を回し難を逃れたが、事ここに至っては彼女は決断は迫られることになる。罪を認め政府と譲歩し短期間の禁固刑で納めるか、もう一つは無実を主張し徹底抗戦するかである。無実を勝ち取るための条件はたった一つ、この戦争を違法と証明すること。キャサリンは無実を主張し、ついに政府との対決のため法廷に立つ...。

「私は政府に伝えているのではない!国民に仕えている!」

イギリスは民主国家です。この言葉は響きますね。自分の夫はクルド人だから当然、クルド人を迫害するフセインは許せない。だけど不正を犯してまでも罪のないイラク国民を戦争に巻き込むのは耐えられない。事実イラク、バクダッドは空爆にさらされ死亡者は80,000人とも90,000人ともいわれています。昔チャップリンが言いました。

「一人を殺せば殺人者となり、百万人を殺せば英雄となる」

だけどこの戦争には英雄はいませんよね。ブッシュやブレア、勿論、サダムフセインもやけど誰も英雄とは呼ばない。えごの塊としかいいません。作品の冒頭、私はテレビを観ながら政府やアメリカを批判するヒロインを観て日本の野党だとか馬鹿のコメンテーターと同じような気がしてあまり彼女に感情移入できませんでした。当然、リークそのものの行動も同意できません。「イラク国民を救う」と言う大義名分は立派だけれども身内や同僚のことをまずは考えないといけないのではないか?あまりに稚拙な行動だと思えたから...でも民主主義国家に生まれたことに関する幸せとともに今でも現存するもう一方の主人公ともいえる面々がかつての権力者であるにもかかわらず堂々と批判できるその姿勢こそが大事なんだなと。

私は常日頃から共産主義を否定し続けていますが、民主主義、資本主義だって完ぺきとは思えません。やっぱり時の権力者は出現します。それが暗君だったらやっぱり最悪です。イラク戦争の結末はご存じの通り、一旦はフセインの逮捕、処刑で幕を閉じた格好になりましたが、この構図、独裁者、権力者がより権力を持った者たちに裁かれるというなんともやるせないものです。勿論、それだけのことをやった人物ですから裁かれるのは当然なんですが...

あれからもう17年の歳月が経ちます。憎しみの連鎖はイラク戦争の結末から新たな組織を生みました。これは終わりません。だから世界中の戦乱を止めることは不可能かもしれない。でも少しの歯止めにするためだけでもこういう作品は必要だと思います。少なくとも自由の国では...。

しかし話は全く変わりますがこの主演女優キーラナイトレイ、若いのに芝居もうまいし本作でも熱演でしたがやっぱり笑った時のうけ口気になります。

 

 

 

 

 

まあ正直、こういう映画ってあまり観ないんですがね...アイドル主演てのは。-

「事故物件 怖い間取り」って松竹芸能の芸人、松原タニシさんの体験談を映画化したものです。この企画自体は面白いと思います。「事故物件住みます」芸人と言う、キャッチフレーズが付いた彼の4件の物件に住んだ時のことを物語の軸にしたわけですが...

主演 亀梨和也?違和感ありますわぁ。共演が瀬戸康史と売れっ子二人を主役に置いたことで怖さ半減やね。「リング」の中田英夫監督がメガホンを取っただけに怖いし、面白いし、けどなんでしょうか?この違和感。最初から亀梨くんありきの亀梨くんのための題材やったらわかりますが松原タニシの体験談が一番重要なわけでしょ?劇団上がりの無名の、そして芝居のうまい若手俳優なんかが一番、主演にはいいと思うんですが...まあ、好みかな?

山野ヤマメは大阪のお笑い芸人。中井大佐と言う相方とジョナサンズと言うコンビを結成して10年になるが全く売れない。とうとう中井から「解消しよう」と引導を渡される。もともと台本を書いていた中井は放送作家の道を進もうとするがヤマメには何もない。そんなある日、番組プロデューサーから「事故物件に住んでみろ、そこで『何か』が撮れたら番組のレギュラーにしてやる」と言われたヤマメは気が重かったものの「チャンスは今しかない」と早速、曰くつきの物件に住んでみることに...

すると、カメラに映る白い影、勝手に開く扉、電話をかけてもいないのに留守電に残っている妙な音、誰もいないのに携帯のテレビ電話に写る女性の姿。不思議なことが次々と起こるが、同時にヤマメの知名度と人気はうなぎ上りに上がって行く。だがそんなヤマメに対して、かつての「ジョナサンズ」のファンでメイクアシスタントとして働いている梓は不安を覚える。霊感の強い彼女には「人に見えるはずのないもの」が見えるのである。

だが、番組のレギュラー、特番と仕事が舞い込むたびに渡り歩く「事故物件」の内容もエスカレート、同時にヤマメ自身にも変調の兆しが見え始める。ことここに至っては元相方の中井もヤマメを止めようとするが、ついに東京進出。そして4件目となる千葉のアパートにやってきたのだが...

作品は結構怖いですよ―。中田監督、やっぱりうまいですね。それに普通なら「視聴率稼ぐために遊び半分でそんなとこ住むんか!バチ当たりめ!」となるんやけど売れない芸人の性、哀愁、もがき苦しむ姿がスパイスになっているから観ているものは同情するし、感情移入してしまう。だから許してしまうんですよ。

だけど最初にも言ったけど何やろねーこの違和感。二枚目がいるとかわいい女の子も付けやないかん、主演が亀梨やから、亀梨やからと最後のクライマックスは話盛ってる感満載やし、ラストのオチもあそこまでせんとあかんかったんかなー。

木下ほうかさんや江口のり子さんががっちり脇固めてるから、二人の怪演で作品も充分締まってるし、主演に人気タレントをわざわざ持ってくるのは甚だ疑問です。当然も映画と言うのは少々の外連味も必要。それはわかっているけどクライマックスはあまりにもリアリティがなさすぎるし、ラストのオチは見え見えやったから、主演のためになんか盛り上げよう、盛り上げようとしている気がしてたら、あら、最後のエンドロールで製作者の一人に「藤島ジュリー」とありました。やっばり口だしとったんやろうなぁ。中田監督も困ったのでは?

最後に一言、主演が亀梨くんじゃなくて芝居のうまい無名の役者やったらもっと怖かったと思います。亀梨くんは亀梨くんでもっとカッコええなんか題材探し経ったらええんちゃうのん?俺は観に行かへんけど...正直、今までにも「ええ―っ、この人の原作が映画化?」って喜び勇んで観に行ってジャニーズ主演で台無しになった作品はあまたあります。まあ、しゃあないか...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハリウッドの話題作、超大作が全く大手の映画館で上映されませんな。撮影も編集も何もかもストップしているからなんでしょう。今月中旬頃からボツボツと公開される模様。本当、こんな時代が来るとは...

そんなんで大手映画館ではリバイバル作品やアニメ、邦画ばっかりなんですが一方で、今まで3Dなんかに押されていたリーブルなんかで小作のヨーロッパ映画が結構上映されています。日頃、どうしてもハリウッドの大作に足を運びがちですがこういう時はじっくりとヨーロッパやインディ系の味わい深い、玄人好みの作品を...

そんな中で上映されていたのが「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」。

第二次世界大戦前夜、独裁者スターリンの共産主義一色に染まったソビエト連邦共和国での物語です。実話です。「すべての国民、皆平等。皆が幸せを分かち合えるパラダイスのような国」共産主義の理念て、こんなんでしょう?実際は中国、北朝鮮はそんな理念とは全くかけ離れていることがわかります。本作の舞台、ソビエト連邦は崩壊し、ロシアとなり、東ドイツは併合され、ルーマニアの独裁者は哀れな末路を辿っています。この作品の時代背景はまだ「共産主義」が新鮮でスターリンの「新しい試み」は一部で絶賛され世界恐慌が続く中、ソ連だけは「繁栄の道を歩んでいる」と伝えられた時です。その謎に迫る一人の記者が白雪の大地で観たものとは...

1933年。元英国首相ロイドジョージの顧問を務めていたガレスジョーンズはアドルフヒトラーの単独取材に成功した取材記者でもあった。彼はナチスドイツの脅威をイギリス政府の要人たちに訴えるも一笑に伏され遂には顧問を解雇される。そんな折、ソビエト連邦での単独取材を敢行していた友人のポールクレブが消息を絶つ。ジョーンズは常日頃から世界恐慌の中、唯一スターリンの「新しい試み」によって経済の繁栄を謳っているというソ連の実像に疑問を持っていた。彼はクレブの消息とソ連の取材を目的にモスクワへ発つ。モスクワで彼を出迎えてくれたのはニューヨークタイムズのモスクワ支局長ウォルターデュランティだった。そしてジョーンズはデュランティからポールクレブが強盗に襲われ殺されたと伝えられる。退廃的なモスクワの夜の接待でまるめこもうとしているデュランティに対し、クレブの死に疑問を持ったジョーンズはデュランティのドイツ人秘書エイダから「真実はウクライナにある」と言う情報を聞き出し、ソ連の監視人の目をごまかして列車で一路ウクライナへ潜入する。

列車の中でモスクワのホテルから持ってきたパンや果物を口にするジョーンズは乗客たちのあまりにも異常な眼差しを感じる。列車から降りたったウクライナは見渡す限りの雪原の大地。そこでジョーンズは地獄のような光景を目の当たりにする。農民たちは穀物をすべてモスクワの中央政府へ吸い上げられるのである。厳寒の中、飢えと寒さに耐え切れず白銀の世界で行き倒れて死んでいる人々、死んだ母親のもとで泣き叫ぶ子供、あばら家の様な民家で肩を寄せ合いかろうじて生きている人々。想像を絶する光景にただひたすらジョーンズはカメラのシャッターを切り続ける。彼はこの現状を世界中に訴えようとするのだが...

「パラダイスのような国」。かつて北朝鮮も大戦後、国政の労働力確保のため日本で暮らす在日の人たちに対して祖国へ帰るようこんな謳い文句で人材を確保しようとしていました。でも一度「国」へ帰れば外へ出ることは許されない。まさに生き地獄。結局、共産主義って何も生まないんですよ。生むのは独裁者の権力だけ...おかしいと思いませんか?「皆平等」と言いながらある特権階級だけ裕福な暮らしを送る。すべての民が平等に食べ物や住居や利益を分け与えられる。けど平等に分け与える人間が必要なわけです。それが権力者、独裁者です。そして分け与えられるものは利益でなく。見るも無残な「貧困」という代物です。

80年、90年前のこのソビエト連邦の姿を今、北朝鮮はコピーしているんですよね。私はつくづく幸せな国に生まれたと思って感謝しております。国に対し自由に言いたいことが言える。それがすべて受け入れるわけではない。でも「言える」ことこそが幸せなんです。この記者が転がり込んだ農家は幼い姉妹たちだけが暮らしています。スープの中に入った肉を見て問いかけます。「どこで肉を手に入れたんだ?」裏の出口を出ると彼女たちの兄らしき男の子の遺体が...すべてを悟り食べていたものを吐き出します。

私の大好きな作品の一つで韓国映画の「シュリ」と言う作品の一説にこういうシーンがあります。北朝鮮の工作員が韓国の公安部の捜査員にこう訴えます。

「お前は辺境の地で死んだ子供の肉を貪り食う鬼畜のような親の姿を見たことがあるか!」

このセリフと本作の劇中で貧しいウクライナの農家の子供たちが凍てつくような村の中で歌う歌がシンクロするんですよね。

「飢えと寒さが家の中を満たしている

       食べるものはない、寝る場所もない、

          隣人たちは正気を失った。そしてついに...」

21世紀となった現代でも世界のどこかでこんな地域がまだあるんです。恐ろしいことです。

ジョーンズ記者はかろうじて帰国することができこの惨状を世界に訴えようとしますが当時、ソ連と連盟を結ぼうとしていたイギリス政府ははそれを許しませんでした。しかし執念で彼はこの事実を世界に発信するまでこぎつけますが、満州で取材を続行中にソ連政府に拉致され殺されてしまいます。これまた恐ろしいことです。

「共産主義」と言うか独裁政権なんてやっぱりろくなもんじゃありません。