【可夢偉レポート】ブラジルGP DAY2(P3&Qualify) | GOODSMILE RACING 広報ブログ

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KOB、予選はP15に終わりました。


予選中にMALがFIAのランダムチェックを無視してしまったカドで、10グリッド降格のペナルティを受けたため、グリッドはG14でレースをスタートすることになります。

スタート時のグリッドのキレイさからいうと、P15の奇数列の方が良かったですが、これはどうしようもありませんね。

さて、エンジンを換装して、セッティングも見直してP3に臨んだのですが、これまでの似たケースだと、大体3~4番手は上がるのですが、今回は思いの外、タイムも順位も上がりませんでした。
正直なところ「意外に、雨側に振ってきてるところはないんだな」と、いう感じです。この時点で、DAY3のレースの時間帯の天気予報は、90%の確率で雨、中には100%というのもあるくらいですから、逆に、予選セッティングをどれだけドライに振ってくるか・・・と、他チームの出方が気になる状況です。

少なくとも、金曜日の夜の時点で決定しなければならないギアレシオの選定を見る限り、多くのチームがウェットを意識していることは明らかでした。要は、ストレート・エンドの速度が遅いのです。

その中、KOBのSauberは、雨を考慮したうえで、そこを速くしてあります。
それには根拠があって、まだBMW Sauberの時代の2009年のこのレースで、このインテルラゴスに関しては、絶妙のダウンフォースとドラッグとギアレシオの効率を見つけていたからです。

この場合、ストレートでは追い抜くことも出来るし、同じ程度のラップタイムの他車であれば、ブレーキングでやられる事も無い・・・と、いう、それこそ「マジック・ナンバー」があるのです。
事実、KOBは2010、2011と、このインテルラゴスではイイ走りでレースをしていますから、それが実績です。

今年は、その「マジック・ナンバー」に加えて、ラムダドライバがありますので、本当にレースに向けてどのようにセッティングを振れば良いのか・・・と、いう一点に問題は絞られました。
基本的には、敵はMerecedesですから、彼らのトップ・スピードとラップタイムから判断して、自分達のセッティングを決めれば良いわけです。

で、結論から言うと、予選を見ていた方には簡単に解ると思いますが、
KOBの車両は、ずばり雨寄りです。(もちろん、フルドライではありません。)

記録としては降雨こそゼロでしたが、予選直前に降った雨で、コースはウェット。
いや、ウェットからドライに変わっていくというコンディションでした。
そして、KOBはウェット路面の時点では、ずば抜けた速さを見せました。
もちろん、KOBが悪コンディションである程、相当に強いドライバーであることは、すでにこれまでのレースで実証済みです。


今回も改めて、その強さを発揮した・・・・のですが、それは残念ながら、路面が濡れているウチだけでした。
レーシング・ラインがドライになると、相対的なウェット・セッティングのアドバンテージは、逆にハンディキャップとなり、残念ながらQ3に進出することはなりませんでした。
基本的に、日本GPを最後にアップデートを受けていないC31ですから、その後も開発を続けているトップ4の8台には、残念ながら力負け(総合力の差)と言わざるを得ません。

さらに、例年、このインテルラゴスに関してはセッティング的に「何か」を持っているForceIndia勢も、やはり速く、さらには最近の復調著しいWilliamsにも先を越されてしまいました。

実際、KOBの車両の問題としては、DAY1より状況は改善しているものの、相変わらずのリヤ・タイヤのオーバーヒート症状で悩んだというのが正直なところです。
もう少し、雨が続いていてくれればQ3には行けたのですが・・・。

と、まぁ、このDAY1とDAY2のレポートを読んで、KOB車両に、何が施されているかが「!」と、なった方は、聡明な方です。

では、レースをお楽しみに!
ついでに、雨も祈っておいて下さいね。

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※レポート内のドライバー略称は以下の通りです。
KOB=小林可夢偉
MAL=パストール・マルドナド