【可夢偉レポート】韓国GP DAY3 (Race) | GOODSMILE RACING 広報ブログ

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結果は、みなさんご存じのとおりだと思いますが…。



スタートは、P1からP3まで「クラッチさん」のご機嫌を伺いつづけていたので、今シーズンの中では、かなりイイ部類に入りT1を通過した時点で、ROSに先行するまでの状況となったのですが、内側からアウトに膨らんできたBUT、ROSを避けるためにKOBもコースをはみ出して一番外側で接触を回避、T2から3台一緒にコースに戻りT1~T2を内側から廻り続けたPERを左後方に従え、BUTとROSと共にT3に向かう長い直線を走り、ROSとサイドバイサイドになったKOBは、早めのブレーキングを開始したBUTに接触してしまいました・・・。

一番右側に居て左側のブレーキングラインに戻りたいROSと、早めにコーナリングアプローチしたいBUTが右側に寄りはじめたタイミングと、サンドイッチされていたKOBのブレーキングが遅れたタイミングが、全て悪い形で同じ時期に発生した・・・
と、いった具合です。


BUTも、最終的にはPERが左側に車頭を入れて来るという、最終的には4ワイドのブレーキングという難しい局面でした。

結果、接触後、KOBはフロント・ウィング及びタイヤ交換でレースに復帰しましたが、KOBがBUTに接触し、リタイヤに追い込んだため、ドライブ・スルー・ペナルティを受けるに至りました。

その後、破損したタイヤの一部がフロアを叩いてフロアの空力効果を奪ってしまっていたことと、その後、テレメトリで、さらに空力効果の低下が進んでいることが確認されたことから、チームはフロアの破損が進んでいて、危険と判断したために走行を中断してリタイヤを決定しました。

データ的には、空力パッケージが完全なままの走行ではなかったので、レース・ディスタンスでのパフォーマンス確認は、次回以降に持ち越しとなってしまいました。
というのも、僚友のPERもT1の侵入で、他車との接触により、フロントノーズにダメージを負ってしまたので、空力パッケージについては、完全なデータは取れずに終わってしまったからです。

レース・ウィークの終わり方としては、前戦鈴鹿とは対照的な終わり方をしてしまいましたが、内容については、残りのレースに向けて勇気づけられるものもあった・・・つまり上位入賞のポテンシャルを示しているということです・・・・ので、気持ちを切り替えて次戦インドGPに臨みたいと思います。


とはいっても、F1というのは、この時期、様々な思惑の中で動いているのも事実です。

最終的には、エンジニアリングだけでなく、「人の心」が、力となります。
KOBは、F3からF1レギュラーに至る過程で、数々の苦境を乗り越えてきました。
KOBが見せたQ2のスピードアップは、まさにこの「心の力」だったと思います。


今回のKOBの真髄は、Q2での公式予選記録タイムにあります。

僚友PERの公式予選記録タイムは、RUN2の新品のオプションタイヤによるもので、KOBの公式予選タイムはRUN1の中古タイヤによるものでした。

KOBのグレード・アップに、C31最終パッケージの最適化向上で、次戦インドGPではさらに良い戦いができるものと期待しています。

もちろん、他チームの車両も、最適化が進むことでしょうから、決して楽観視はできませんが・・・。


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※レポート内のドライバー略称は以下の通りです。

KOB=小林可夢偉
BUT=ジェンソン・バトン
ROS=ニコ・ロズベルグ
PER=セルジオ・ペレス