「書く」ことについて

 

 書く練習をたくさん行うと「勉強をやってる感」が強くなるかもしれません。しかし、まともに読むことが出来ないのに、書くことばかり練習しても、学習効果はあまり高くありません。

 極端な例で言えば、読み方の分からないアラビア語を書く練習をしたとして、何の意味があるのでしょうか?(「アラビア語が悪い」という意味では決してありません。あくまでも“分からない言語”としての例です。)

 正しい音声をたくさん聞いて、楽しみながらたくさん音読をして、正しい音で「読む」ことが出来るようになってから、「書く」練習をすると学習効果が上がります。

 なお、小学生は中学生ほど正確に書くことを目標にはしていません。

 

 

  文法について


 LL日進駅前教室では、小学生に文法を「やり過ぎる必要はない」と考えています。これは感覚的な話ではなく、言語発達や第二言語習得の研究でも裏付けられています。

 たとえば、英語ネイティブの子どもたちも、小学校の段階では “He go to school.” のように、三単現の “-s” を抜かして話したり書いたりすることがあります。これは「間違っている」というより、自然な学びの過程です。

 実際、幼少期の子どもが三単現や複数形を間違えることがあるのは、言語発達のごく自然な現象であると多くの研究が示しています。

 かつて当教室でもオーストラリアの10歳前後の子ども達と手紙の交換をしたことがありますが、ネイティブの子ども達も三単現や複数形の“-s”を間違えていることがありました。

 お子さまは正確な日本語を使っていますか?

 日本語でも、「来れる」「見れる」「食べれる」といった言い方を日常会話でよく耳にします。文法的には正しくありませんが、会話としては自然に通じます。言葉は文法の学習から身につくものではなく、使いながら少しずつ整っていくものなのです。

 英語学習でも同じです。最初は「なんとなくわかる」「使ってみる」ことが大切です。頭で文法を考えるよりも、耳で聞いて「わかる」、口で「まねてみる」ことで、感覚的に言語の基礎が育ちます。

 もちろん、教室でも中学生以上になると文法をしっかりと学びますが、理論先行ではなく、あくまで「コミュニケーションのための文法」を学ぶことで、無理なく、自然に文法力を身につけていきます。

 小学生のうちは、文法の正確さよりも「伝わった!」「英語が楽しいビックリマーク」という経験を重ねることが、将来の本当の英語力につながります。

 焦らず、安心して見守っていただければ幸いです。

 

(水野克哉)

 

 

 

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