昨日、アガリスクエンターテイメントの『七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)/笑の太字』の大阪公演3日目を見て来ました。


元々、この日は休観日の予定でした。
が、前日に見終わってから役者さん達とお話している内に、
もう一度、見てみたくなりました。
それにこのお昼の回はまだ見ていない津和野&甲田のBチーム。
その場で鹿島さんにチケットをお願いしちゃいました。

会場には受付開始時間の少し前に着きました。
この2日間は受付開始前から並んでるお客さんが結構いましたが、
この回は日曜の12時半開演。
並んでるお客さんは少なめでした。

前日に今回の公演のDVDと注文生産のTシャツを予約してました。
そして、この日は物販にいらした熊谷さんとお話しつつ、
『ナイゲン』の全国版のDVDを買っちゃいました。
これ、新宿FACEでの公演だけではなく、京都公演やその他諸々入ってるらしく、
かなりのお徳感があります。
チケットはリピーター割引で安くなってるのに、物販で散財してしまいました(苦笑)

前日は最前列の端の席に座ってちょっと後悔しました。
役者さん達の全体的な動きが一部、見えなくて。
なので、この日は中段の真ん中の席に座りました。
すると、よく見えました。

「七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)」

二重結婚している男の妻同士が偶然鉢合わせ!
双方の家庭を守るため、二人の妻にその事実を隠そうと奔走する男の、
嘘と誤解のシチュエーションコメディ。

理屈をこねて話し合う会議コメディなのか、
嘘ついて誤魔化すシチュエーションコメディなのか。
劇団としての方向性をマジで模索するアガリスクエンターテイメントがお送りする、
誰も見た事がない屁理屈シチュエーションコメディ。

キャストです。

デイヴィット:矢吹ジャンプ
ロンドン在住。
水道会社勤務の平凡な男。
しかし、メアリーとバーバラという二人の妻をもち、秘密裏に二重生活を送っている。

バーバラ:沈ゆうこ
デイヴィットの妻。
地元のテニスサークルでメアリーと出会い、事情を知らずに夫の話で意気投合し友人に。
両夫婦でテニスをしようとメアリーの家を訪問する。

メアリー:鹿島ゆきこ
デイヴィットの妻。
地元のテニスサークルでメアリーと出会い、事情を知らずに夫の話で意気投合し友人に。
両夫婦でテニスをしようとバーバラ夫妻を家に招く。

ジョン:斉藤コータ
デイヴィットの友人で世界を旅して回る自由人。
ここ最近はデイヴィットとメアリーの家の2階を間借りして一緒に暮らしている。

チャン:津和野諒
デイヴィットとバーバラの家の近所に住む中国人。
学生時代からバーバラの友人で、ずっと好意を抱いているがバーバラには相手にされていない。

Mr.ゴールドマン:塩原俊之
メアリーの父で陸軍少佐。
妻を亡くし
男手ひとつでメアリーを育ててきた。
デイヴィットをはじめ他人には厳しいがメアリーには甘い。

ビリー:淺越岳人
デイヴィットとメアリーの家の近所に住む老人。
近所を徘徊し、ボケているのかふざけているのか不明な態度で周囲を困らせている。

最初に矢吹さんが登場して、これから「シチュエーションコメディ」を上演すると言います。
シットコムはどういう面白さがあるのかを話します。
物語が進む上でその状況や勘違いにより、
真面目に演じれば演じるほど面白くなっていく。
って事でこれが始まります。

前日は塩原さんの声が危ないなって思ってました。
が、この日は淺越さんの声が飛んでました。
前日までは大丈夫だったらしいんだけど、
朝、突然、こうなったそうです。

重婚をしていたデイヴィッド。
この日はメアリーの家にいます。
そして、これから友達夫婦が訪ねてくると。
それがなんとバーバラ。
そこから何とか誤魔化そうとするんだけど、、、

鉢合わせになりそうになるのをテニスのラケットで隠したりとかなり無理があります。
ここで登場するのが、今回、グッズとしても売られていた笛。
この笛が吹かれることで芝居が止まります。
そして、この芝居に無理があるから、違和感がないような芝居にするように話し合われます。

バーバラはデイヴィッドが来れないからと、
代わりに連れて来たのが友人の中国人のチャンです。
これが「ザ・中国人」という片言の喋り方。
面白かったんだけど、チャンが笛を吹いて、
この中国人設定に無理があると。
そして、アガリスク得意の多数決でチャンの片言禁止法案の決を取ります。

って感じでこの物語の色々な部分に必然性を求めて何度も芝居が止まります。
もうこれがホント、面白いんですよねぇ。
一番、振り回されるのがコータ演じるジョンです。
メアリーの夫になったり、ジョンという名前の犬になったり、
同性愛者になったり。

クライマックス、ついにデイヴィッドが自分が重婚をしていたことを白状します。
そんなデイヴィッドに銃を向けるゴールドマン。
が、デイヴィッドを庇うバーバラとメアリー。
実は二人はデイヴィッドが重婚をしている事を知ってたのでした。

っていう、シーン、私はずっとコータを見てました(笑)
この後、コータが笛を吹いて止めます。
何故かと言うと、コメディなのに、この数分間、笑いが起こらなかったから。
なので、その直前、納得がいってないって感じの表情をしてます。
これがツボでした。

その後はコータの見せ場でした。
最初は台詞を変えないでみんなあごをしゃくれさせてたんだけど、
それじゃあ、芝居を続けられない。
なので、コータ一人があごをしゃくれさせてました。
多分、芝居が進むんだけど、コータを見てたお客さんが多いでしょうね。
メッチャ、面白かったです。

芝居の終わりに向けて、時計のカウントダウンがずっと表示されてます。
見事に収まるもんですね。

この作品、黄金のコメフェスも見てるし、
BS日テレで放送されたのを録画してて、何度も見てます。
東京公演で見て、大阪公演は結局、毎日見てました。
それでも普通に新鮮に笑って見てました。
これこそ、本当に面白いって言える作品なんですね。

「笑の太字」

生徒:甲田守
先生:津和野諒

今回、本編に出ていなかった甲田さん。
この回が初日&千秋楽でした。

大学の劇作家コースの先生が生徒達に課した卒業制作。
その課題はオリジナルの脚本を書いてくる事。
が、この生徒が書いてきたのが、「笑の大学」の映像から文字起こしした脚本。
タイトルだけは「笑の太字」と変えてます。
しかも、これをオリジナルだと言い張ります。

三谷幸喜さんは基本、戯曲を公開していません。
自分の作品を他の人が上演するという事を認めていません。
好きだからこそ、他人に上演する許可を与えて欲しいという思いがあり、
これをネタにしてました。

これまたホント、面白かったです。
思い切った台詞もたくさん出てきます。

そして、他のチームは基本、台詞は同じでした。
が、このチームは色を出してました。

「笑の大学」のままだから、何か手を加えるように言われた生徒は、
役名が「椿」だから「木」を加えて「椿木」にすると言います。
が、このBチームでは「椿だから、、、津和野にします」と(笑)

更にはこの物語を現代の中国を舞台として描くようにするというと、
津和野さんが片言の日本語で喋りました。
そう、「ワイフ・ゴーズ・オン」で登場したチャンでした。
これには笑っちゃいました。

これまで3チームを見たんだけど、先生役では津和野さんが一番好きでした。
個人的には熊谷さんと津和野さんの組み合わせを見てみたいと思いました。
まあ、今回は同性が前提だったそうなので、実現は出来ませんでしたが。

ホント、楽しかったです。

終演後は役者さん達とお話を。
この回は2階のロビーへ上がるお客さんが少なかったので、
役者さん達とゆっくりお話できました。
そして、キャスト全員+主宰の冨坂さんとツーショット写真を撮って頂けました。
毎日、通った公演だけに、凄くいい思い出になりました。