今からそっちに行っても良い?


と、朝早くに実母からの突然の電話。


私の実家は電車で1時間半ほどかかる。

駅からも歩けない距離。


良いよ、と返事をして子供達に母が来ることを伝えた。

母の調子が悪かったり、コロナ禍で会えなくなって、母が子どもたちと会うのは4年ぶりくらい。

そんなに経ってしまった。

その間に長男は声変わりをし、私の背を抜かし、次男も大きくなって2人とも心身共に随分変化した。


長男が学校に行かなくなってしまったことを実母には伝えている。

夫に酷く言われて一人でどうにも辛かった時も電話してしまった。

だから状況はなんとなくわかっている。




母は長男に会いにきてくれたのだ。

この家は、もっと他人が入らなきゃダメだと。

我が家は来客が全くない。

子どもたちのお友達や私の友人を呼べていたのは長男が幼稚園に入る前くらいまでで、それ以降は記憶にない。


夫の物が片付けられず、目につく様々な場所に散乱している。

日に日に増える、大量の郵便物、未開封の頂き物、脱いだ服、洗濯しても仕舞えない服、バッグ、様々なカードやライター、使わなかった処方薬、空き箱、充電コードや接続コードなど。

私が片付けると、必要な時にわからなくなると怒られる。


だから見苦しくて、こんな家に私は友人を呼べない。



母は長男に、優しく大丈夫だよと声をかける。

私にも、優しくアドバイスをする。



長男は、部屋に母を入れ、話をし、食事も一緒に食べようとしたが、いつもの腹痛が辛くなってしまったようで、食事は食べられなかった。

でも会えて良かったと私は思った。

長男に、どんなふうでも認めてくれる人はいるよって感じて欲しかった。



この家に、少し風が吹いた。