ルサンチマンを施策の底流に置いてはならない | 偕楽園血圧日記

ルサンチマンを施策の底流に置いてはならない

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 枝野氏「これ以上の正当性ない」首相退陣と解散を否定

 枝野幸男官房長官は18日の記者会見で、民主党の会派離脱届を提出した衆院議員16人が「菅政権に正当性はない」と発言していることに対し「菅直人首相は(国会で)首相に指名され、党代表としても代表選に勝利した。これ以上の正当性はない」と反論した。その上で「与えられた任期の中で最大限の成果をあげることが首相に課せられた任務だ」と述べ、退陣や衆院・解散総選挙の可能性を改めて否定した。
 予算関連法案の成立と引き換えに退陣するという可能性にも「国民生活のためにどうあるべきかでそれぞれの政治家は判断する。党利党略で物事は進めるべきではない」と否定し、野党側を牽制(けんせい)した。
 一方で、これまでの民主党政権について「国民の期待に十分こたえていない部分があるのは率直に認め、おわびする」と話した。
 産経新聞 2月18日(金)13時50分

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 まったくしょうがないやつである。

 これをずっと言い続けていたというのならば立派なのだが、麻生時代に彼らが何を言い、何をやっていたかを思い出した途端、単なる自己保身の詭弁を並べているだけの卑怯者の見苦しいあがきになる
 枝野氏、いや似たようなことを言っている民主党議員は、本当にそんな簡単なことに気がつかないのだろうか?

 しばらく前には、

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 「こきおろすのが快感になる人いる」 仙谷氏が野党批判

 民主党の仙谷由人代表代行は6日、さいたま市内で講演し、菅直人首相が求める与野党の政策協議について「単に(政権を)こき下ろしたり、なじったりするのが快感になる人がいて、なかなか協議の土俵に上がれないのがつらい」と語り、菅内閣の退陣や衆院の解散・総選挙を求める野党の姿勢を批判した。
 一方で消費増税と社会保障制度の一体改革について「社会構造が転換するなか、皆さんに正しい情報を知らせ、一緒に議論しながら変えていきたい」とも述べ、野党との協議に期待感も示した。
 朝日新聞2011年2月6日(日)19:00

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「かつて国会で漢字テストをした政党」の代表代行までがこんなことを言っていたが、自虐で笑いを取りたいのならば、とりあえず国会議事堂から出てどこかの演芸場でやってもらおう。

 客足の方も「下り最速」を叩き出すことになるだろうが。


 さて、先日、

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 車いす使えない駅への通路…慰謝料20万円判決

「屋根付き通路で雨にぬれずに駅まで行ける」との宣伝文句を信じてマンションに入居したのに、車いすでは通路を利用できず、精神的苦痛を受けたとして、バリアフリー関連会社社長の中沢信さん(49)が、マンションを所有する都市再生機構(UR)などに計1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、東京地裁であった。
 端二三彦裁判長は「URには車いすでは通路を利用できないことを説明する義務があった」と述べ、20万円の慰謝料の支払いを命じた。URは即日控訴した。
 中沢さんが入居したのは、東京都品川区のJR大崎駅近くでURが賃貸する「アートヴィレッジ大崎ビュータワー」。駅までの約300メートルが屋根付き通路で結ばれている。車いすを使用している中沢さんは入居後、途中の階段にエレベーターがないためにこの通路を利用できず、駅には屋根のない一般道を遠回りして行かざるを得ないことを知った
 読売新聞 2月18日(金)21時30分

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 こんな判決があった。

 URもまた配慮の足りない迂闊な宣伝をしたものだが、それをしっかり確かめることもせず転居を決めた原告もまたずいぶんおおざっぱな人間である。普通は契約前に現地に足を運んでいろいろ見るものだろう。ましてや自分はハンディを負っているのに。
 判決はそのあたりを勘案して請求額の大幅減額を決めたのだろう。URは「勉強代」として判決を受け入れておくべきだと思うのだが……。

 ところで、民主党政権下では、

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 <障害者基本法>内閣府が改正案概要 「障害は社会問題」

 内閣府は14日の「障がい者制度改革推進会議」で障害者基本法改正案の概要を示した。改正案は通常国会に提出の予定だが、障害者側と省庁の見解に隔たりが大きく、提出まで難航も予想される。
 障害者基本法は議員立法で5年ごとに見直され、今回改正案は内閣府が提出予定。障害者や家族が過半数を占める推進会議が昨年12月、改正案への意見をまとめた。
 概要は障害者の定義を、身体、知的、精神などの障害があり、社会的障壁によって日常や社会生活に「相当な制限を受ける状態にある」人とした。社会的障壁は日常や社会生活で「障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切」と明記。障害を個人的問題ではなく社会的な問題ととらえる見方を示した。また、障害児支援などを新設するほか「障害者政策委員会」を新たに設置し、関係大臣への勧告権限を持たせることも盛り込んだ。【野倉恵】
 毎日新聞 2月15日(火)21時12分

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 こんな思想で障害者に対する施策が進められている。

 この「障がい者制度改革推進会議」は、
(2010/11/26の記事、はじめは綺麗な言葉から……) で取り上げたように、「差別を法律で禁止しよう」としていることを思い出してもらいたい。
 障碍があっても日常生活に不便がない様なインフラを整えていくのは、間違ったことではない。ハンディキャップがある人間が不自由なく暮らせる社会は、健常者は「より楽」に暮らせるものでもあるのだから。
 だが、それを進める意識の根底に、左巻き的な「俺は弱いんだから優遇されてしかるべき。しない奴は取り締まれ!」思想を混入させるのは間違っている。それが「差別利権」の固定化にしかならないことは、民主党の有力支持団体である部落解放同盟を見れば分かるだろう。

 民主党政権が進めている形でこの施策が進むと、上で取り上げたような訴訟は原告の全面勝利でなければ「差別」と叩かれることになる。そんな社会が「誰もが気持ちよく暮らせる社会」であると考える者など、彼らを利用したい左巻き以外にいるだろうか?


 そういえば政府は、

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 虐待防止へ親権停止=民法改正案、来月提出―法務省

 法制審議会(法相の諮問機関)は15日、父母による児童虐待を防止するため、2年を限度に親権を停止できる制度の新設を柱とする親権制度見直し案を江田五月法相に答申した。法務省は3月に民法等改正案を国会に提出し、今国会で成立を目指す方針だ。
 現行法は父母から親権を剥奪する「親権喪失」の制度を定めているが、児童相談所など虐待防止に取り組む現場から「親権喪失は親子関係への影響が大きすぎて請求しづらい」として、「親権停止」の導入を求める声が出ていた。
 時事通信 2月15日(火)16時12分

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 こんなことを決めようともしている。

 なるほど、虐待防止のために親権を制限するシーンが出てくるだろうというのは間違っていないが、そもそも虐待防止のため現場が警官の力を借りられるような法整備をしようとした時に「官憲の介入は権力の横暴!」といって潰したのは、当時野党だった民主党である。
 それが成っていれば、あるいは昨年夏にあった大阪の児童虐待死事件は違った展開を見せていたかもしれない。その反省もなく、今度はいきなり「権力による親権停止」を言い出す彼らの人権意識はどういう理念に基づいているのだろうか。

 上の「障害者差別禁止法」のように、一つの局面としての方向性は合っていても、その根底になる思想が歪んでいたりいい加減だったりすると、やがて施策はおかしな方向に走ることになる

 本気で子供のことを考えているのならば、政府は今回のこの動きを、

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 日本女性は「誘拐犯」 米大手TVが“反日キャンペーン”

【ワシントン=佐々木類】米大手テレビ「ABCニュース」が16日、米国人男性と日本人女性による国際結婚の破綻に伴う子供の親権問題を特集し、日本政府関係者に波紋を広げている。
 民事上の問題にも関わらず子供を日本に連れ帰った日本人女性を「誘拐犯」呼ばわりし、犯罪者に仕立て上げる演出だった。1月の日米外相会談でも取り上げられるなど、今後、日米間の外交問題に発展しそうな雲行きだ。
 番組は15日の午後6時半に放映を開始。16日も複数回にわたって数種類の映像を流し、1回最大約8分間放映された。
 スタジオに米国人男性15人が登場し、女性司会者の質問に「海外派兵されて帰宅したら妻とともに子供がいなくなっていた」と訴え、涙ながらに子供との面会を訴える参加者もいた。
 番組は、米国人男性から提供を受けた子供の写真を手がかりに日本で取材した様子も放映した。
 ある日本人女性が子供を自転車の荷台に乗せて移動するのを車で尾行。ABCの女性記者が、「自分を誘拐犯だと思わないか」と英語で詰問、この日本人女性がたどたどしい英語で「米国では生活できないので、子供を誘拐するか自殺するしかなかった」と答えさせている。
 今年1月、ワシントンで行われた日米外相会談では、クリントン国務長官が前原誠司外相に、子供の連れ去りに関するハーグ条約の早期締結を要請。前原氏は、「真剣に検討を進めている」と応じている。
 日本人女性が子供を連れ帰るのは、米国人男性の家庭内暴力(DV)から逃れるケースもあるとされるが、実態は不明だ。
 問題の背景には、子供もの親権に関する日米両国の国内法の違いがある。
 離婚した場合、米国の州法では、合意があれば双方に親権が認められるケースが多いとされる一方、日本では、民法の規定で離婚後は片方の親にのみ親権が与えられる。
 ABCニュースは、米連邦捜査局(FBI)が誘拐事件として関心を持っていることにも言及。全米規模のキャンペーンは、リコール問題で集中砲火を浴びたトヨタ自動車に続き、新たな“日本バッシング”の火種となりかねない。在米日本政府関係者は「対日感情の悪化は避けられない」と気をもんでいる。
 産経新聞 2月17日(木)19時11分

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「ザ・コープ」並みの印象操作が繰り広げられているこのハーグ条約関係にまで広げて、同条約の欠陥を広く訴え、「人権のイニシアティブ」を握ろうとするぐらいの気概を示してほしい。

 記事中に「日本人女性が子供を連れ帰るのは、米国人男性の家庭内暴力(DV)から逃れるケースもあるとされるが、実態は不明だ」とあるが、こんなことを不明にしたまま、欧米の価値観を押し付けられてはたまったものではない。
「両親権」は検討すべき課題ではあるが、そもそも「両方に親権がある」というのならば、「日本人が誘拐」というのが論理破綻しているではないか。ハーグ条約は今のような「一方的な状況固定」ではなく、親の間に話し合いの場を作らせる協定に変えるべきである。
 何よりハーグ条約的な考え方では「子供の気持ち」というものがほとんど考慮されていない。彼ら自身「子供の気持ち」を外に置くことに疑問を持っていることは、定期的に「離婚相手が引き取った子供と会うために涙ぐましい努力をするお父さん」映画がハリウッドで作られるところを見ても分かるだろう。

 今のハーグ条約関係の話は、「横暴な日本と正しい白人国家」という図式になっている。子供の成長の問題を、ただのバッシングに利用している状況を唯々諾々と受け入れる必要はない。そんなものは「開国」でも何でもない。
 正当な主張はどんどんしていくべきである。たとえそれが対立点となるものでも。

 本当に子供のことを思う気持ちが根底にあるならば、それができるはずだ。


 おまけ。

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 死刑廃止議連が法案提出へ 判決、全員一致が要件

 超党派の議員約80人でつくる「死刑廃止を推進する議員連盟」(会長・亀井静香国民新党代表)は16日、国会内で総会を開き、死刑判決を言い渡す際には「裁判官3人と裁判員6人の全員一致」を要件とする法案をまとめた。現行の多数決(1人以上の裁判官を含む)より評決を厳しくすることで死刑判決を出しにくくし、将来的な死刑廃止につなげるねらいがあるという。議員立法で今国会への提出、成立を目指す。
 法案は、裁判官だけの控訴審や上告審でも、死刑の判断は全員一致を要件とした。全員一致には至らないが死刑の意見が過半数の時は、仮釈放のない無期刑(終身刑)とする。死刑の存廃を含めた死刑制度を調査する機関を衆参両院に設けることや、2016年3月までは死刑執行をしないことも盛り込んだ。
 議連は08年にも「全員一致」と終身刑を盛り込んだ法案をまとめたが、提出できなかった。16日の総会で亀井会長は「裁判員制度が始まり、死刑制度が本当にいいのか、国民に現実的な問題が突きつけられている。成立を期したい」と述べた。
 asahi.com 2011年2月16日19時36分


 死刑判決、全員一致条件…廃止議連が改正案骨子

 超党派の「死刑廃止を推進する議員連盟」(会長・亀井静香国民新党代表)がまとめた、裁判所法、裁判員法、刑法などの改正案の骨子が15日、明らかになった。
 死刑判決は裁判官らの全員一致を条件としたことが柱だ。議連は16日の総会で骨子を公表し、議員立法で今国会に提出する方針だ。
 骨子は、第1審の裁判員裁判では裁判官3人と裁判員6人の全員が一致した場合のみ、死刑判決を下せると規定。控訴審と上告審でも、裁判官の全員一致が必要とした。
 裁判員制度では、多数決(裁判官1人以上の同意が条件)により、死刑が評決できるが、昨年秋から死刑判決が相次ぎ、裁判員への精神的な負担が重すぎるとの指摘が出ていた。骨子は、全員一致に限定することで、裁判員の精神的負担を軽減する狙いもある
 読売新聞 2月15日(火)14時41分

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突きつけられている」も何も、国民の8割は「人を殺した人間は死刑という罰を受けること」を望んでいるのは各種アンケートで明らか。それを色々と「恐ろしいイメージ」をつけて変えさせようとしているのが今の「死刑廃止論者」の動きではないか!
「裁判員の精神的負担」というのならば、問題はそれを受け止められない人間に司法判断を任せる制度の方にある。

 死刑廃止論者は「人権」をやたらと強調する。
 だが、その犯人に「人権」を侵害された被害者を無視し、方便として「終身刑」を出してくるような人間に「人権」を口にする資格などない。
 千葉元法相に至ってはそのための武器にと今まで行わなかった死刑を突然2件執行し、刑場の公開で「あんたたちは人の命を奪うことを正しいのいうのか!」とやったが、それこそ人の命をもてあそぶ行為であろう。


 本日の「スーパー探査機」ちょ~合金~。

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 小惑星探査機「はやぶさ」が超合金に! JAXA監修で忠実再現

偕楽園血圧日記-超合金「はやぶさ」
(写真、産経新聞より。バンダイが6月24日に発売する「大人の超合金 小惑星探査機はやぶさ=18日午前、東京・丸の内の東京商工会議所にて)

 バンダイは18日、実在する造形物をリアルに再現した「大人の超合金」シリーズの第3弾として、「小惑星探査機はやぶさ」を帰還1周年に当たる6月24日に発売すると発表した。画像や資料などから詳細に形状や彩色を解析したほか。宇宙航空研究開発機構(JAXA)のプロジェクトチームの監修も受け、実機を忠実に再現した。価格は2万4150円。
 実機の24分の1スケールで全高は12・9センチ。太陽光パネルを広げたり、折りたたんだりでき、ロケットから宇宙に放出され、小惑星イトカワに着陸し、帰還するまでの軌跡が楽しめる。発光ダイオード(LED)の光でイオンエンジンの運転状態の変化も表現するなど細部にこだわった。
 機械や宇宙好きの30~40代の男性をターゲットに今年12月までに6千個の販売を計画。全国の模型店、玩具店などで販売する。
 また宇宙・技術関連の展示をしている全国50カ所の科学館や博物館にも贈呈をする予定だ。
「大人の超合金」は、これまでに「アポロ11号&サターンV型ロケット」(5万2290円)、「スペースシャトル エンデバー号」(4万7250円)を商品化した。
 産経新聞 2月18日(金)12時36分

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 本物は軽合金製なのに(苦笑)。

 イオンエンジンを光らせるLEDの電源が「広げたり、折りたたんだりでき」る太陽光パネル面に実装された光発電セルだったら面白いんだがなぁ。2万5千円もするのならばそれぐらいのギミックは組み込めると思うんだが。


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