コミュニティ施策は個人的に特に関心がある分野です。
そしてその中でも、まだまだ市民の理解が進んでいない「ソーシャルデザインセンター」「まちのひろば」は、今後、川崎市民がどれだけ繋がりあえるのかに関わる重要な取り組みだと思っています。
たまたまですが今日見たレポートの中に「こころの減災」という言葉が出ていました。
人と人とのつながりはソーシャルキャピタルという呼ばれることがありますが、過去の災害(1923年関東大震災、1995年阪神淡路大震災、2004年インド洋大津波、2005年米国ハリケーンカトリーナ)において、
高いソーシャルキャピタルを持つ地域が効率的な復興を果たしたことを実証した研究があるとのことでした。
また、東日本大震災の前にソーシャルキャピタルの高い地域に住んでいた人は、震災後のPTSD(外傷後ストレス障害)のリスクが低かったことも報告されているとのこと。
なるほど、「こころの減災」とはそういうことかと思いました。平時でも災害時でも人と人とのつながりが人生を豊かにしてくれるのだとしたら、これは行政が積極的に推進していくべきだろうと改めて思います。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、川崎市は現在新しいコミュニティの形を模索中です。(詳細はこちらの市ホームページ「これからのコミュニティ施策の基本的考え方」をご覧ください)
そんな中で、区ごとに「ソーシャルデザインセンター」というものを開設することを目指した取り組みが進んでいるのですが、
正直、これまでのところ中原区が何をしているのか全く見えていませんでした。
来年度予算に関連して議会でいろいろと議論したのですが、中原区は中原区なりの「ソーシャルデザインセンター」の解釈をまとめたスケッチブックなるものをすでに作っていました。
7月にはほぼほぼ出来ていたので、今まで非公開だったことについては議会で指摘をしまして、
紆余曲折ありましたが、さっそく今週公開してもらいました。それがこちら「中原区におけるソーシャルデザインセンター創出に向けたスケッチブック」になります。
あくまでも、中原区のソーシャルデザインセンター開設に向けて、「どんなことを考えるべきか」「ソーシャルデザインセンターって概ねこんなものなのではないか」ということをまとめたものになります。
なのでこれを参考資料として、区民の誰もが参加できる形で、さらに意見募集・意見交換・ワークショップ・実験的取り組みなどを行い、中原区にフィットする形を模索していければいいなと思います。
私も個人的にソーシャルデザインセンターはこんな感じがいいなぁという妄想はありますが、それも今後、区民の方のご意見をたくさん聞きながらブラッシュアップしていこうと思います。
このスケッチブックでは「開設場所」というテーマひとつをとっても、いろいろな可能性が示されています。
・中原市民館1階が考えられる
・区民交流センター「なかはらっぱ」
・SNS活用で空間としてはいらない
・複数のプラットフォームの併存
・場ではなく、仕組みを示すキーワード
・「意味もなくこられる場」がいい
・カフェ、パン屋、花屋があってもいい
・相談機能だけだと人は集まらない
中原区のソーシャルデザインセンターの取り組みは本当にまだまだスタート地点前の準備体操な状況です。
来年度は大きな分かれ道になると思うので、コミュニティ・地域活動・人とのつながりにご関心のある方はぜひご注目ください。