1クール開始から28日目

この日の採血結果は



白血球 400

へもブロビン 8.7

血小板 9.2

CRP 4.56


輸血はすでに

赤血球 9回

血小板4回

です。



うーむ・・・

4週間たって白血球400のままって

ちょっと、かなりヤバイです。

今の私なら失意のどん底ですが

当時の私はPCやスマホなしの生活

情報が乏しかったのが幸いし

ただ「血球上がれ~!」と念じる毎日でした。



主治医のD先生も

にこっと笑顔で採血結果を持ってきては

「変わってないわー。」

わたしも

「まだ[血球)上がらないんですかー?」

という感じのやり取りが続きました。

ずっと後に先生

「あの時は内心結果持って行くのがしんどかったー(笑)」

とおっしゃっていました。



というのもこの時期

当初のマルクの詳細結果が出て



急性骨髄性白血病(M1)

染色体の転座異常あり

無再発生存率20%

予後中間・不良の中間



だったからです。




そしてこの日、私と夫と母で

正式に移植の説明を受けました。

すでにきょうだいのHLA検査と

私のドナーバンクの手続きも進行中。

9枚の説明プリントをもとに

表やグラフ、GVHDの説明など

説明がありました。



生存率20%しかも再発しやすいタイプ

と聞いていたので

優柔不断な私でも

心ははっきり決まっていました。

それよりも今となっては

その時にした私の幼稚な質問と先生の答えが忘れられません。




私は尋ねました。

「私のようなパターンで移植をしない人っているんですか?」

先生は答えました。

「患者さん本人の人生観によります。」

その時のわたしは(人生観・・・ずいぶん大きな世界の話だな。)

と思っていました。




その後私は移植した転院先で

たくさんの患者さんと知り合いました。

迷い苦しみながら決断をして

自分の決断を受け入れようと

懸命に毎日を生きていました。

生きてきた道

いま背負っているもの

病気の型

治療の経過

持病や体力

誰一人として同じではありません。

その中で本人がもがいた結果の決断は

何より尊重されるべきだと思うようになりました。

先生に質問した頃の

移植=積極的 と考えていた

過去の自分の考えの浅さが恥ずかしくなりました。

D先生の言っていた

「患者さん自身の人生観」

の意味が少しわかるようになりました。



この後に移植だけでなく

検査、治験、延命など

サインすることが何度とあったな・・・・

小さな決断大きな決断、

誰にもあったと思います。




主治医のD先生、30歳前後で

時には子供か!?と思うような

おちゃめな先生なんですが

意外と後になって

「先生の言うとおりだったよ(泣)」

な事があり、とても尊敬しています。




そして情報が乏しい中でも

夫が、私の登録前から

日本骨髄バンクから冊子を取り寄せてくれていました。

これはその後にもとても役に立ちました。

感謝です。