峻厳な山の雪道、深々と降る雪。
  ”もうコロボックル山に、足を踏み入れているはずなんだが。”
   心の中で呟くティーダ。
  しばらく行くと、雪は小降りになって来たのだが、前方に
  何やら黒い影が浮かび上がってきたのだった。
   近づくにつれ、前方にシーモアの姿が浮かび上がって来た。
  何と、シーモアが待ち構えていたのだ!
   ”闇の女王は、元来、家来みたいな者を持たないと御婆様は
   言っていた。シーモアが自分の野望のため、闇の女王に
   加担し、俺を待ち構えていたという事か?”
    心の中で呟やいたティーダ。
ティーダ「シーモア! なぜお前がここにいる!」
シーモア「フフッ、おれは闇の女王と契約したのだ! 
     ティーダ、お前を倒せば、ユウナは俺の物になる!」
ティーダ「ユウナは誰のものでもない!」
シーモア「ユウナは俺の花嫁だ! お前に四の五の言う資格はない!」
ティーダ「何を言う! ユウナは今、死にかけているんだ、
      一刻を争う、そこをどけ!」
シーモア「ふふっ、もう遅いのだ、お前を倒せばユウナを殺さない、
     というのが闇の女王との契約だ。
      ユウナは私のものだ、たとえ廃人であろうが、
     私とユウナが結婚した、と言う事実さえあれば俺の
     地位は揺るぎないものとなるのだ。その後、たとえ
     ユウナが死んでしまおうともな、ハハハハハハッ」
ティーダ「何を言う、そんな事、俺は絶対に許さない!」
シーモア「ハハハハ、もう俺は以前の俺ではないのだ、闇の魔女の
     力を借りて、2倍も3倍も強くなっているのだ!
      お前など問題ではない! ハハハハハハーーーーッ」
   と言ったとたんに、シーモアは右腕を振り、凄い衝撃波を
    繰り出してきた。

     二人が戦い始めたはるか後方の、大きな大きな洞窟の
    奥の方で、、、。
  ”フフッ、、戦うがよい、私には何の損失も無い。
   間もなくユウナは、私と一心同体となる。ワーーハハハハハッ”
    闇の魔女の笑い声が、洞窟の中に響き渡っていた。