あるとき、エレベーターのような箱が
見えてきました。数人しか入れないよ
うな小さなエレベーターに、ある人物
が乗っていました。
その箱の中は真っ暗で、彼はずっと
うつ向いています。顔は見えなくても、
私には誰だか分かります。
奈落の底を目指してるのか。はたまた
地底へと向かっているのか。
その真っ暗なエレベーターは、遥か下
へと降りて行きました。
黒い箱に乗っている彼は、
抵抗することもなく…
何もすることもなく…
ただその箱の中に立ち尽くしています。

誰も私を救ってくれない…

と心の声が伝わってきました。
みなを救ってあげているつもりだった
のに、自分が救われたかったのか…
なぜ私に、この光景が見えてきたのか。

間もなくエレベーターは着き、降りてい
きました。そこは真っ暗な洞窟のような
ところです。
どこかに向かって歩き始めると、彼を
待っていたかのように案内役が現れま
した。ひどく痩せ細っていて、とても
真っ黒ないでたちの生きものでした。
ふたりは共に奥へとどんどん進んでい
きました。どこかへ着くと、炎の前に
立っている何ものかの後ろ姿が見えて
きました。ボスのようですね。顔は見
せてはもらえないようです。彼が訪れ
ても全く振り向く気配さえありません。
どうも、これから報告をするようです。

上手く進みませんでした。

ボスの返事はありません…
しばらく経ってから、たったひと言
ボスから返ってきました。


それで?


そのあと彼は、もうこれ以上何も話そ
うとはしませんでした。
先程の痩せ細った生き物と一緒に、
そこから立ち去りトボトボと地下廊を
歩き始めました。また、どこかへ…

縦格子のはまった牢屋のさくが見えま
した。ほのかなろうそくの光をもらい、
彼は自ら牢屋に入って行きました。
何も言われなくともそうするのが当然
かのように。失敗は許されないのです。
それが闇につかえるということ。
しばらくはその炎を見て過ごすことに
なるのでしょう。

現実の彼は大丈夫でしょうか。潜在意識
の世界での出来事が、現実とリンクして
いなければいいのですが。






私に見えていた解決法とは違う方を
選ばれたようです。