良く通りかかる屈斜路湖。霧の時はこんな感じです。

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晴れるとこうなんですが…

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 先般、このような報道がありました。

 

 「整理屋」にすがる不振企業 全国で暗躍、税逃れ指南 元経営者「悪人でも命の恩人」(以下、北海道新聞電子版 2019.7.8から引用)

 

 国税滞納による差し押さえなどを逃れるため中小企業の資産隠しを繰り返したとして、今年に入り、東京都の男を中心とするグループが札幌地検特別刑事部に摘発された。男は企業の負債整理を代行する「整理屋」の大物として金融業界で名が知れ渡り、関わった企業は道内外で200社を超えるとみられる。背景を追うと、経営に行き詰まる中小企業の悲鳴が聞こえてきた。

■報酬要求されず

 「『先生』は希望の光だった」。6月下旬、かつて道東で運送会社を経営していた40代の男性は言葉を選びながら事件を振り返った。

 地検が摘発したのは、東京都文京区、会社役員浜田伸興(のぶおき)被告(64)=国税徴収法違反(滞納処分免脱)の罪などで起訴済み=らのグループ。男性も浜田被告に依頼し、資産の差し押さえを免れたとして摘発され、今年有罪判決を受けた。

 男性は10年前に会社を設立。当初は順調だったが、人手不足や燃料費高騰で消費税などの滞納が続いた。従業員の給与支払いに困り「毎日、自殺を考えた」約2年前、知人に「事業再生コンサルタント」を名乗る浜田被告を紹介された。税などの滞納は約3千万円に膨らみ、資産差し押さえが迫っていた。

 「今、税金を払ったら生活できないでしょ。借金をチャラにしてあげる」―。甘い誘いに初めは詐欺も疑ったが、報酬は要求されず「従業員に給与を渡せるのなら」と頼った。浜田被告の指示で別会社をつくって売掛金の債権を無償で譲渡するなど資産を移転。元の会社の名義も譲った。

■資産は別会社へ

 地検によると、浜田被告らは依頼を受けた経営者に対し、別会社に資産を隠す方法を指南。負債を残した元の会社は住所を遠隔地に移し、浜田被告らが役員に就いた。税務署や金融機関に対しては「私が社長だ。支払いはしない。勝手に会社に立ち入ったら警察に訴える」と居直っていたという。男性は「国から見れば悪人でも、私には命の恩人」と語る。

 浜田被告は10年以上前から金融機関などに警戒され「名前を知らない人はいない」(信用調査関係者)人物だった。採算性のある事業や資産を別会社に移すのは、企業再生の合法的な手法。目的が「納税など負債の返済逃れ」なら犯罪になるが、立証が難しく、捜査の網を逃れてきたという。

 民間の信用調査会社・東京商工リサーチによると、2018年に全国で休業や廃業、解散に追い込まれた企業は前年比14・2%増の約4万6700件。同社は「破産を避けたいと、グループに頼る経営者が多いのでは」と分析する。

 男性は17年、東京のホテルで開かれた浜田被告らのグループの忘年会で見た光景が今も忘れられない。約300人が参加し、芸能人も登場した華やかな会場のかたわらでは経営者とみられる老夫婦が浜田被告にすがっていた。「先生を頼った人は皆追い詰められていた」

 捜査関係者によると、グループは全国数百社の役員を務め、税金の滞納額は計数億円に上る。経営が軌道に乗ったとみられる少なくとも6社から1千万円超の「成功報酬」を得たとみられるものの、全容は分からないという。地検幹部は「不正な手段で納税義務を果たさない状況を放置できない」と強調する。浜田被告の公判は8月19日に札幌地裁で始まる。(松下文音) (引用終り)

 

 記事の最後にある、「不正な手段で納税義務を果たさない」ことは許されません。もし見逃せば税制の根幹がゆらぐからです。

 

 納税は国民の義務。きちんと納税している人と不正な手段を使って課税を回避する人が混在するようでは国は成り立ちません。

 

 それがゆえに徴税側に国税徴収法に基づく強制執行が認められているわけです。差押などですね。

 

 成功報酬しかとっていなかったようですし困窮した人や企業を助けた、という側面はあると思います。しかし、国としては見逃すわけには…

 

 本当に課税や借入返済を回避するしか方法がなかったのか。納税や返済をしたら潰れる、というのなら、その会社は正常に「儲かっている」と言えるのか。(過去の投資の失敗や取引先の倒産など、自社の経営が悪くなくても巻き込まれるパターンもありますが)

 

 また、税金だけではなく、金融機関借入の返済も飛ばしていたことが読み取れます。税金は払わないが借入は返済します、というのはちょっと考えにくいところです。とすれば債権者の回収を妨害した、という側面もあるかもしれません。

 

 確かに犯意を立証するのは難しいのですがこのやり方がいつまでも続けられるかというとそれも「ない」。このようなやり口を摘発するため、国税庁内部で特別チームが作られた、ともお聞きします。

 

 一方、この方が関わった企業で再生を果たした会社があるのなら一定の成果、結果がでているとも言えます。その反対側の納税や金融機関借入の返済不履行、とのバランスでいうと手放しで良かった、と言えるかどうかは評価が分かれると思います。

 

 地域性という切り口でいうと金融機関の数が多い大都市圏なら100歩譲って通用する手法かもしれませんが金融機関の数が薄い北海道では使えない手法ではないでしょうか。既存の取引のある金融機関に迷惑をかければ新会社がそのあと繁栄しても付き合ってくれる金融機関はないでしょうから…。

 

 金融機関借入が重いのなら、民事再生や中小企業再生支援協議会の二次対応など使える手段があります。本当にこのやり方しかなかったのか。一方、債務者をなんとか助けたい、という気持ちが根底にあるのも感じます。

 

 本当に評価、コメントに困る一件です…。

 

 逮捕、起訴されたのが5月。初公判は記事にあるように8月の予定です。

 

 ↓消費税引上、秒読みに入ってきました。その陰で進む「インボイス制」の影響とは。 

 

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