函館湾。よく見ると函館山も。

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 金融機関にはそれぞれ特徴があります。

 ここぞ、というときに切り込んでくる金融機関。

 全般に慎重な金融機関。

 何回かに分けて書こうかと思います。

 初回はほとんどの中小企業がお世話になっている、日本政策金融公庫(国民生活事業)です。

 いまだに国金と略されますので文中ではそのように表現します。

 他の金融機関と違うところは、

1.貸金実行時には慎重に審議を行いますがその後基本的には業績のチェックなどは行いません。

2.他の金融機関と違い、経営者本人の信用状況などを細かく見ます。与信の反復(残高が減ってきたところで再度貸し直しをすること)のときなど、会社の通帳のみならず社長個人の通帳をチェックし、「住宅ローンは遅れずにちゃんと払っているか」「クレジットカードの決済状況はどうか」などを見ます。例えば、住宅ローンは毎月の支払日を確認し、「1、2、3…と1年のうちに12回分、きちんと払われているかどうかを指さし確認します」

3.創業融資の場合、自己資金の出所もチェックされます。いわゆる見せ金でない、ということをきちんと見極めます。もともと個人通帳にある程度おカネがたまっているということが解れば問題ないですが、振り込みで残が増えているような場合は、「どこから振り込まれましたか?」など詳しく聞かれます。例えば苦し紛れに、「自分のほかの口座から」と返答すれば、「ではその口座の通帳を持ってきてください」ということになります。

4.経営者の個人信用情報は、国金独自のデータベースを参照します。したがって一般にいう信用情報とは内容が微妙に違うケースがあります。

5.条件変更時、諸般の事情で手続きが遅れるような場合でも延滞3回をこえると期限の利益喪失に進みます。

6.期限の利益喪失になったあとの回収姿勢は強硬で連帯保証人に対しても基本的に分割返済は認めず、一括で請求を行うケースを散見します。(連帯保証人が「分割なら3年くらいで払える」という申し入れをしているところ、「自宅を売って一括で」と突っぱねたケースも)

7. 金融庁から出されている「監督指針」により民間金融機関では基本的に第三者連帯保証はとらないことになっていますが国金はいまだに第三者連帯保証をとります。事故になった時の対処は6.で書いた通りです。

8.国金に関しては信用貸は1000万円、それを越えてくると担保を、という流れになることが多いようです。

9.過去、国金の借入残がどこまでいったことがあるかチェックしておくと国金の与信枠のようなものがおぼろげに見える場合があります。何本かに分けて借りている場合、借りた直後の実残をメモしておくとよいと思います。

10.セーフティネット融資など別枠で貸す場合もありますのであまり、9.に固執しないで借りられる可能性はないか、確認を。





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