去る9月22日金曜日。
原宿、表参道のギャラリーIrieYawdにて開催した第5回目の個展、
『9B’s LAB.from STANDARD FOX #5』。
その中で初の試みとして、しゃべくる時間を企画しました。
今回は開催日が動物愛護週間であることにちなみ、
テーマを『動物愛護について』としました。
実際に話した内容と、冒頭から既に違っていますが、
そこで話したことや、緊張してほとんどカットしてしまった部分、
後から出て来た思いなどをきちんと文章にまとめます。
※長くなりますので、ブログでは分割掲載にて。
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2017年9月22日トーク
『動物愛護について』①消えた猫たち
今は周りに犬猫はいないものの、小さい頃はアパートの周りに野良猫がたくさんいて、中でも、小さなサバ猫のスマイル、シャム猫のシャム、その子どもの黒猫クロの3匹はいつも一緒に私たちと遊んでくれた。
その3匹がある日、突然姿を消した。まだ幼稚園だった私や近所の子どもたちは少し遠いところまで探したが、結局見つからずに泣いたのを憶えている。
スマイルにはキュートと名づけた姉猫がいたが、ずっと前にトラックに轢かれていなくなってしまった。他にも2匹の兄弟がいたが、いつの間にかいなかった。だから、3匹もまた事故に遭ってしまったのだろうかと思い、とても悲しかった。母は「あの子たちはきっとどこかで元気にしてるよ」と言ってはくれたが、なかなか立ち直れないまま、黒い猫を見ては悲しくなった。
時が経ち、高校へ進学した頃、私は3匹のことをすっかり忘れていた。しかし通学途中の公園に黒猫やサバ猫がたくさんいるのを見かけ、小さい頃に遊んだ3匹のことを思い出し、毎日通るたびに懐かしんだ。ある日、何気なく、
「公園にクロとスマイルに似た猫がたくさんいてさ、昔のこと思い出すんだよね。何でいなくなっちゃったんだろうね」
と言ったら、実は……、と母が言った。
「(当時の自治会長に)市に引き渡すから3匹を捕まえてくれって言われたから、その公園に逃がしに行ったんだよ」
なななんと! 私が毎日会っているのは、昔遊んでくれた猫たちの子孫だったらしい。もう当時の猫たちが群れの中にいるかどうかなんて分からないけど、生き延びて命をつないでいたんだよ、ということを思わぬ形で知らせてくれたような気がした。
3ヶ年皆勤を目指して高校へ通っていたある日の朝、徐行していた車に突っ込まれる事故を起こしてしまった(立ちこぎをしていて止まれなかった私が悪い)。膝を負傷しただけだったが念のため病院へ行き、残念ながら3時間の遅刻となってしまった。
今日はいつもより交通事故が多いと警官が言っていたが、その通りだった。病院で、偶然にも別の場所で交通事故に遭ったという中学の同級生と鉢合わせたので驚いた。あまりの偶然に笑ってしまった。
自転車の前輪が90度に曲がってしまったので、その日は学校まで電車とバスで向かい、帰りは高校の近所に勤めていた父の車で家まで送ってもらうことになった。高校の門から、通学路を車で帰る。
「うわ……何あれ」
いつも自転車をかっ飛ばして帰っていた歩道に、窓ガラスが粉々に割れた車が逆さまに転がっていた。見晴らしのいい直線道路で車が正面衝突する事故が起きたらしい。一方の運転手が亡くなったということを後の新聞で知った。事故が起きたのは普段私が通過するくらいの時刻と重なっていた。
もしあの朝、ゆっくりと徐行する車にぶつかっていなかったら、もし自転車が壊れずに普通に帰っていたら、私はきっとあの大きな事故に巻き込まれていただろう。車が大破していたのは猫たちのいる公園のすぐそばなのだ。昔遊んでくれた3匹が守ってくれた。時間のことはまだ分からなかったけれど、飛び散った厚いガラスの破片を見てそう思った。
これ、実話なのです。何の演出もありません。この広い地球上で、まさか小さい頃仲良しだった猫の遺伝子に再会するとは思いませんでしたし、その事実を知って割と日が浅いタイミングで車にぶつかったあの日が来たので、驚くところ満載です。
事故の相次いだ日は2003年1月29日水曜日のことでした。色々な状況を考えて、3匹に守られたとしか思えません。猫たちには本当に感謝しています。
〔続く〕
【遊んでくれた猫たち】
他にもたくさんいました。
女ボス・ゴンベ よく噛まれたよ、突然に。
ゴンベじゃない子 ハナちゃん?
名前憶えてないや ミーかな?(適当)
君はいつも私の前に映りたがるね
ミーにしとくか。(適当)
いや、でもミーだった気も(混乱)
スマイル
クロ
スマイルとクロ ※シャムの写真はなかった