衣替えが間に合いません。
末端からじわじわと冷えて来ます。
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地域によって様々ではあるが、イヌは牧羊犬・猟犬・犬雪車など多くの役割を持ち、それは現代にも受け継がれている。
むしろ警察犬や介助犬のように、新しい役割が生まれるようになったくらいである。
それはイヌは適応性が強く、その目的に向けて体形が改良されていくからであり、それに対しネコは容易に野生を失わず適応性に乏しいため、ネズミの害を防ぐという単一のものであったと平岩氏(『猫の歴史と奇話』著者)は述べている。
※青字は龍追記
ところが、現代の日本を含む先進国ではネコにネズミ捕りをさせることもなくなっている。
それは様々な形態のネズミ捕りが商品化され人々の手に入りやすくなったことや、土地開発により人間がネズミの害を抑える方法を取ったことが大きく関係しているだろう。
地下にネズミが巣食っていても、地上に現れなければネコの手に掛かることはない。たとえ地上に現れたとしてもネズミ捕りの装置が簡単に捕まえてくれる。
もはや現代ではネコがわざわざネズミを捕る必要はないのだ。
さらに、ネコはイヌのように新たな役割に適応する性質を持っていない。ネコが役割を失うのは当然のことなのである。
何の役割も持たなくなった“猫”がネズミ捕りをせずに生き続けるのはなぜか。
それは人間が今も飼育を続けているからである。
では、なぜ人間は何の役割も持たない猫を飼育するのだろうか。
その答えの中にこそ、“ネコ”が“猫”になった理由はある。
〔⑥へ続く〕
龍 九尾