さあそれでは質問コーナーに移りましょうか。
本日は龍九尾さんからの質問です。
「最近、不思議なことが続いています。寒くなってきたので暖をとろうと布団に挟まってみたところ、一瞬で朝になってしまいます。どうしてでしょうか?」
えー、これはもうあれですね。
妖怪の仕業としか言えません。
そうですねぇ。
しかし最近本当に寒くなってきましたね。
ええ。あ、ちょっとすいません。
おや、布団が。挟まっちゃうんですか?
寒いのでちょっと。五分だけです。
五スヤァ……zzz……_(´ω`*_)_
妖怪の仕業ですねえ。
はい、それではみなさん、また明日!
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国語表現法Ⅱ 自由論文
『ネコはいつから猫になったか』④
15世紀の終わりはヨーロッパで魔女の迷信が広まっており、エジプト人が崇拝したものと同じ理由から、皮肉にもネコは18世紀まで迫害されることになるのである。
16世紀にアメリカへ送られるが、それはフィラデルフィアでネズミが大発生する被害が起き、退治のためであると考えられている。
しかし当時は魔女の迷信が続いていたため、その迷信もアメリカへ渡り、ネコは悪魔の化身としてアメリカでも迫害されるようになった。
イエネコの起源は単源説が強いが、インドへ渡ったネコはリビアヤマネコとは別系統ではないかと言われている。
紀元前200年〜後200年に作られた『マヌの法典』の規定の中で初めて登場し、ヨーロッパで魔女の迷信が広まるよりも前に似たような汚名を着せられているのである。
さらに、中国へ渡った際も初めは養蚕のために役立つ益獣として珍重されていたが、やがて猫鬼という妖怪のモデルにまでされているのである。
日本では奈良時代の『日本霊異記』に初めて登場したが、本物のネコが現れたのは平安時代であった。
唐土から渡来した黒猫を宇多天皇が気に入ったことが始まりである。
多くの天皇や貴族がネコを愛育するようになったが、例の如くネコを「猫股」と呼び恐れるようにもなる。
それはインド同様、西洋で魔女の迷信が広まるより前のことである。
ネコはどの地域においても神聖な獣と見なされることと邪悪な獣と見なされることの両方を経験してきたようである。
邪悪と見なされた猫が抹消されずに他の地域へ広まっていったのは、ネズミを捕る能力の高さとその神秘性に人間が惹かれていたからであろう。
※青字は龍訂正
いずれにしてもネコは波乱の多い歴史を伴いながら、エジプトから世界へと広まっていったのである。
〔⑤へ続く〕
龍 九尾