「自分、佐藤さん(修・元WBA世界スーパーバンタム級王者)の防衛戦の時にデビューしたんですよ!」
「お~、そうかァ~。じゃあ、きっと稲毛の会長さんから頼まれて決めたんだよ。だって、世界戦は特別なイベントだからね。会長さん、元気にしてられますか」
「はい、おかげさまで元気です。協栄さんにはお世話になったといつも聞かされてます」
「それは良かったァ!」
元JBC審判員だった山名 勇 会長が、1980年に千葉県千葉市稲毛区に開設した稲毛ボクシングジム
のマネジャーが子息の山中直樹さん。初めてお会いしたが、修ちゃんの世界戦のアンダーカードでデビューしたと聞いて、うれしくなった。
「だけど。大竹さんが協栄を辞められたと聞いた時は、会長はほんとに驚いてましたよ!」
「あれは仕方ないんですよ、会社都合だから。だって、半年間給料未払。このままいる方がおかしくないですかって、私が言ったんですよ」(笑)
「そうですか。でも、本当に会長は残念がってました」
山中会長は、協栄ジム創設者の金平正紀氏と同年代。長い時間の歴史を共有して来た盟友でもある。
近所に元全日本フライ級新人王の榊原隆史(金子)さんがいるんですよ。
「マスターに渡嘉敷さんとの試合の事を書いて頂いて、本当に感謝してました。今でも、子供たちに自慢できるって」
「お~、あれも私が決めたんだよ。トカちゃん(渡嘉敷勝男・WBA世界ライトフライ級王者)に、もう一度、世界やるんなら、このくらいの選手とやらなくちゃて、言ってね」
これは、そう言われれば絶対にノーとは言わないトカちゃんの性格を読んでのナイスマッチメイクだった。
「だけど、金子さんも良く受けてくれましたねェ」
「榊原君も世界狙える好選手だったから、金子さんも勝負賭けたんだろうね」
「チャンピオン作ってね。期待してます!」