前王者A・カンシオ 「フルタイム労働!」 コロナウイルス終焉を待つ | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

終焉が見えない新型コロナウイルスによる感染拡大。プロボクシング業界も先が見えず、興行再開の確実な日は見えていない。現在、世界中の選手達は試合予定がはっきりせず、ストレスを抱え、コンディションとモチベーションの維持が難しい状況にある。そんな中、「タイトル戦がコロナウイルス感染拡大防止のため数度延期となり、気持ちを維持することが難しい」という理由で、日本ライトフライ級王者高橋悠斗(白井・具志堅S)選手が、王座返上と引退を発表。重い決断だが、先が見えない今でも、再開の日を信じブレのない日々を送っているのが、前WBA世界スーパーフェザー級王者アンドリュー・カンシオ(米)。

 

 

31歳のカンシオは、昨年11月にレネ・アルバラード(ニカラグア)との2度目の防衛戦で7回TKO負けを喫し王座陥落。試合の2日後、ゴールデン・ボーイ・プロモーションから契約解除の知らせが届いたが、同じ日、カンシオは毎日8時間、週5日の南カリフォルニア・ガス会社の勤務に復帰。試合後、すぐに再起の意向を明らかにしていたが、今度はトップランクからマルチ契約のオファーが届いた。

 

 

カンシオは4月25日(日本時間26日)に米・ラスベガスで開催の井上vsカシメロ興行で、タイラー・マクレアリー(米)との試合が決まったが、トップランクは延期を発表。再スケジュールは、まだはっきりしない。これに対しカンシオは、「誰もいつボクシングが再開されるかわからない。私に出来るのは準備をしておくことだけです」と語り、ジムは閉鎖されているので、自宅でトレーニングしている事を明かした。

 

また、「ボクシングの収入は、家族をサポートするのに役立つ追加のお金です」という考えを持つ前王者は、学校が閉鎖されている11歳の娘と、8歳の息子の為に週300ドルで家庭教師を雇う事が出来たのは、「ボクシングのお陰。良かった」と笑顔を覗かせた。

 

 

カンシオがマクレアリーに勝つと、WBO王者へリングvsフランプトンの勝者、WBC王者ベルチェルvsバルデスの勝者への挑戦が現実的になって来る。午前4時半に起床しロードワーク。午前6時から8時間の仕事に少しばかりの残業を終えた後、自宅で体を動かす規則正しい毎日を送りながら、カンシオは王座に返り咲く日を夢見ている。

 

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