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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋40年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。夢と勇気と感動を与えるブログ。


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大晦日に初防衛戦を控えるWBO世界フライ級チャンピオン木村 翔 (青木)選手の素顔に迫ったドキュメンタリー、「裸のアスリートⅡ」(BS-TBS)。(12月30日、11時から再放送有)良い番組でした。家賃5万円のアパートに住み、アルバイトを続けながら練習に励む王者は、元チャンピオンの五十嵐俊幸(帝拳)選手とのV1戦をクリアし、防衛を続けることによって王者としての実入りを得ることが出来る。

 

 

今年7月に中国・上海で、木村選手がオリンピック2大会連続の金メダリストで、事業家として年収4億円という世界王者ゾウ・シミン(中国)への挑戦が決まった時、指導する青木ジム・有吉将之会長が描いたイメージは、「坂田健史(協栄)」。

 

元WBA世界フライ級チャンピオンの坂田選手は広島県の高校を卒業後に上京。元協栄ジムマネジャーの大竹重幸氏の下に預けられ、協栄ジム2階道場で鍛えられていたが、ここへ選手を連れて通い続けて来たのが有吉会長。

 

大竹氏は当時としては異例の中学生で協栄ジム入り。元世界フェザー級王者西城正三選手の現役時代を知る古株。日本スーパーフェザー級のランカーとして活躍したがケガの為に現役を断念。1981年、24歳の若さで名門ジムのマネジャーとなり、先代の金平正紀氏に鍛え上げられた。

 

 

大竹氏と具志堅用高氏とは高校時代、同じインターハイに出場。元祖沖縄の星、上原康恒、晴治(フリッパー)の上原兄弟から、「沖縄から具志堅というのが行くから、よろしく頼む」という出会いから関係が続き、なかなか選手が育ってこなかった具志堅会長からはよく相談を持ち込まれていたという間柄。

 

毎月開催があったガッツ・ファイティングのすべてのマッチメイクを手がけ、先代会長が亡くなられてからは、二代目桂一郎会長を盛り立て、佐藤 修 、坂田の二人を世界王者に育て上げた大竹氏も、追われるように協栄ジムを去り、長年培われて来た名門としての大事な部分が継承される術は無くなったと思っていた。

 

 

7月、ゾウへの挑戦を前に大竹氏は木村選手にアドバイス。「木村は坂田君のように、僕は大竹先生のように戦い世界チャンピオンになります(僕の方はちょっと心配ですが)という有吉会長の言葉通りの試合で、木村選手は世界王座を獲得。しかし、王者としての実入りは防衛を続けてこそ。家賃5万円ワンルームからの脱出。

 

1976年10月、プロ9戦目でホアン・グスマン(ドミニカ)を痛烈なKOで破り世界王座を獲得。連続13度の防衛を果たすことになる具志堅選手は、高校時代を上原氏の実家で下宿生活。拓大進学が決まっていたが、上原兄弟による連絡網で羽田空港に降り立った具志堅青年を出迎えたのは、協栄ジムの高橋勝郎マネジャー。先代会長の、「勉強は好きじゃないんだろ」の誘導尋問にうっかりうなずいてしまった具志堅氏は、プロボクサーの道を上原兄弟の住居に居候という形で迎える。

 

 

プロ入り僅か2年半で世界王者となった具志堅選手だが、V5のハイメ・リオス(パナマ)との再戦まではとんかつ店でアルバイト。そして、風呂なし、共同トイレの寮住まい。それは金平会長の指示だったという。「ロードワークしたら、水道の水で汗流して、それからとんかつ店よ」(~~)という具志堅選手は、まっすぐで素直な心の持ち主で、「自信過剰になることが心配だが、具志堅はそんな男ではない」と先代会長は語っている。

 

具志堅選手が晴れて風呂付のワンルームに引っ越したのはリオスの再挑戦を退けてから。先代会長が赤坂に建てた協栄マンションの一室を与えられ、先代会長の一家と同じ屋根の下に住むことになり、「洗濯も食事もやらなくて良くなったけど、それから勝たなくてはならないと一生懸命だった」(具志堅氏)。

 

 

グスマン戦で300万円(当時のドルレートより、以下同)だったファイトマネーは、オプションによるリオスとの初防衛戦が600万円。2度目の指名戦、リゴベルト・マルカノ(ベネズエラ)戦が1000万円。晴れて自由の身となったV3戦で1500万円。風呂なしアパートに住んでいたリオスとの再戦では3000万円。11度目の 金 龍鉉(韓国)戦では6000万円にもなっていた。

 

しかし、具志堅選手の初防衛戦は苦しい試合でした。グスマンとどっちが勝ったか負けたかわからない試合で王座を奪われたリオスは、シュギート(幻)と言われる変則的な動きの持ち主で、具志堅選手はダウンを奪われ出血にも悩まされながら、豊富なスタミナで15回を乗り切り判定勝ち。

 

 

大晦日、木村選手の王座に挑む五十嵐選手も元チャンピオン。王座を失ってからの4年半の思いのたけをぶつけて挑んで来る。「ここへたどり着くまで本当に長かった。今回が最後のチャンスと思って、支えてくれた皆さんのためにも、戦略は臨機応変、気持ちでは執念で負けず、絶対にタイトルを取る」(五十嵐選手)。

 

 

木村選手は元王者の壁を乗り越え、先に進めるのか。それとも五十嵐選手のキャリアと意地が、王者の抱く夢を粉砕するのか。好ファイトを期待!。

 

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