石田ヘビー級転向認めずvs大和田正春・5階級アップ! | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

JBC(日本ボクシングコミッション)はランキング委員会(28日)を開き、元WBA世界Sウエルター級暫定王者で、現在、日本ミドル級2位にランクされる石田順裕(グリーンツダ)選手のヘビー級ランキング入りを見送ることを決定。


1月11日、石田選手は後楽園ホールで大和藤中(金子)選手と、「ヘビー級転向査定公開スパーリング」を行っていたが、結果は”不合格”とされ、プランに上がっていた日本ヘビー級王者藤本京太郎(角海老宝石)選手への挑戦計画は暗礁に乗り上げた。

「6回戦以上の試合をもう1試合行い、それを見てもう一度検討したい」

ヘビー級見送りに激怒 石田「もういいですよ」(THE PAGE)

WBO世界ミドル級7位マット・コロボフ(ロシア)から対戦オファーがあるという石田陣営。本石マネジャーは、「来月のランキング委員会で認めていただくためにはどうすればいいか。いろんなアクションを起こしたい」と、日本ヘビー級王座挑戦への道を模索していく考えを明らかにしている。


4月に予定されていた藤本vs石田戦。両陣営は対戦に積極的なので、今後どのような方向付けになるのかに注目したい。

さて、直ぐに思い起こしたのが、クラスこそ違うが一気に階級をあげて、その後日本王座を獲得した、記憶に残るボクサー、大和田正春(角海老宝石)選手のこと。

1984年9月。7勝(6KO)8敗1分、3連続KO負けを喫していた元Sフェザー級ランカー大和田選手は、いきなりウェルター級にあげて1年7ヶ月ぶりの再起戦を迎えた。といっても、それは大和田選手のために用意されたものではなく、5戦全勝オールKO勝ちという野村勝英(ワタナベ)選手の、いわば”噛ませ”として用意されたものだ。

アマ時代、赤井秀和(グリーンツダ)選手を倒した男として売り出し中の野村選手は、日本Sウェルター級の3位にランクされていた。試合は8回戦。ウェイトは両選手共に66.2キロ。そして試合は誰もがアッと驚く結末を迎える。



初回、簡単に倒されるはずの大和田選手が、逆にホープを3度キャンバスへひっくり返してKO勝ち。僅か77秒の出来事。

しかも、野村選手は”頬骨陥没骨折”というアクシデントに見舞われ、この試合がラストファイトとなってしまった。


強打と脆さを併せ持ったスタイリッシュな大和田選手は、次戦で世界挑戦が内定していた赤井選手をもKO。一躍、時の人となるも、次の2戦は昔に返ったかのように倒された。

86年3月、ミドル級に上げての再起戦は、日本ミドル級王者無限川坂(上福岡)選手への挑戦試合として計画されるも、JBCはこれを承認せずノンタイトル戦に変更。しかし、大田和選手は現役王者を4回でKO。

86年8月、川坂選手との再戦も判定で制し、5階級アップでの日本王座獲得に成功。以後、5度の防衛に成功するチャンピオンとして活躍した。

何かと因縁深い歴史を持つ、角海老宝石vsグリーンツダ。日本ヘビー級戦の行方は?。

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