フィットネス、休業要請緩和の6月の重要課題とは |  ☆サクセスby田村真二

フィットネス、休業要請緩和の6月の重要課題とは

 

 

こんにちは。田村真二です。

 

 

6月に入りましたが、お元気にお過ごしでしょうか。

 

 

緊急事態宣言の解除から1週間余りたち、新しい日常の始まりが感じられますね。

 

 

東京都でも昨日からスポーツジム(フィットネスクラブ)の休業要請が緩和され、これで全国的に営業が再開されたことになります。

 

 

フィットネス企業各社様、会員皆様にとりましても、「待ちに待った再開」だと思います。特にフィットネス企業各社様には、休業期間中のご苦労とご心労は計り知れないほどのストレスだったと思います。

 

 

私も昨日、2カ月ぶりに入会先のフィットネスクラブを利用してきました。フロントでの検温、手の消毒を済ませ、ロッカールームで着替えた後にマスク着用(必須)でジムへ。

 

 

感染対策を徹底していることがひと目でわかる一方で、利用人数の制限をせざるを得ず、さながらアクセルとブレーキを同時に踏みながらの運営スタイルは、クラブ側と利用者側の双方に負担と不安を強いています。

 

 

とはいえ、利用者の立場からすれば、「やっとクラブで運動ができる」という満足感(と若干の物足りなさ)と利用後の爽快感は、「自宅フィットネス」とは比べものになりません。

 

 

ただ、新コ禍の長期化が予想される中、「入会減」「退会増」「休会増」の三重苦による会員数と売上高の減少は、確実にクラブ経営を悪化させています。

 

 

実際、一般社団法人日本フィットネス産業協会が調査したところによると、加盟37社の2~3月の昨年実績(平均値)は、入会者53.8%、退会者121.7%、特別休会を含む休会者580.7%、売上高67.1%となっています(『フィットネスビジネスNo.108』)。

 

 

当然各々の数値は、4月からの緊急事態宣後の休業でより深刻さを増しています。

 

 

危機的な状況を乗り越え業績を回復させていくには、休業要請緩和で営業が再開した、この6月の取り組みが重要になります。

 

 

 

オフライン&オンラインフィットネス

 

 

オフライン(リアル施設)だけではなく、オンラインフィットネスサービスを充実させることで売り上げ増を図る、というのはフィットネス関係者の誰もが思いつくことでしょう。

 

 

ですが、リアル施設主体の企業が今からその取り組みで業績を回復させることがはたしてできるでしょうか?

 

 

なぜなら、オンライン上には、先行するオンライン専業者たちがすでに数えきれないほどいる上に、利便性と低価格を武器に顧客獲得競争がエスカレートしているからです。

 

 

マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは、「2年分のデジタル変革が2カ月で起きた」と言いましたが、そのスピードに今からオフライン専業者がついていけるでしょうか?

 

 

もちろん私もクライアントには「サービスのオンライン提供」を推奨していますし、具体的なアドバイスも提供しています。ですが、収益向上策の本筋は「そこ」ではありません。

 

 

売り上げが足りなくて行き詰っているときには、ゲームの流れを変えるに尽きます。ゲームで勝利するなら、相手の土俵で勝負をするのではなく自社の強みの上に限ります。

 

 

ところが、業績悪化や不況になると、過去の歴史を見ればわかるように企業も人も多くが立ち往生してしまいます。

 

 

何をすればいいのかわからず途方に暮れ、同業他社の動向ばかりに目が行き、他社のやっていることを真似しがちです(それが上手くいっているかどうかわからずに・・・)。

 

 

しかし、少数ですが、不況の中で戦略性を身につけ、これまでやってこなかったマーケティング、セールス、イノベーションに取り組み、成長思考を推し進める会社もあります。

 

 

フィットネス業界でも、それまで入会したことのなかった人や入会を踏みとどまっていた人、あるいはサービスにニーズを感じていなかった人たちの多くを獲得した会社があります。そのうえさらに、ライバル企業から会員の1~2割を獲得するのです。

 

 

例えば、2008年のリーマン・ショック後に大躍進したフィットネス業界売上高・会員数世界No1の「プラネットフィットネス」が当てはまるでしょう(それ以前なら、米「カーブス」や「エニタイムフィットネス」がそうでした)。

 

 

 

 

新コ禍で7割も急落した同社の株価はその後急速にく回復しつつある

 

 

 

「よくわかっている」企業の共通点

 

 

いつの時代でもビジネスで成長・成功する企業は、人が認識している問題(少し前ならマスクやアルコール不足、雇用に対する不安など)はもちろん、認識さえしていないかもしれない問題を解決することです。

 

 

問題には3種類あります。市場全体の問題(今なら「新コ禍」ですね)、自社の問題、競争相手の問題です。

 

 

このとき最も重要なことは、潜在客や顧客がまだ気づいていないニーズや潜在的な欲求を見つけ、理解し、共感した上で、自社にしかない知識、経験、強み、協力者とのパートナーシップとで問題への解決策を提供することです。

 

 

プラネットフィットネスのケースでいえば、創業者のマイケル・グロンダール氏は「なんでこの町(ニューハンプシャー州ドーバー)の8割以上の人はジムに通わないんだ?」と疑問を持ちました(既存会員ではなく「ノンカスタマー」に目を向けた点にご注目)。

 

 

そして、その理由を「フィットネスに高いお金を払いたくない」「肉体を見せつけるような人たちが苦手」という2点だと考え、ジムの運営方針をガラリと転換したのです。

 

 

具体的にはJudgement Free Zone(判定フリーゾーン)のコンセプトを掲げ、月会費を10ドルに引き下げました。そこからプラネットフィットネスの飛躍的成長が始まったのです。

 

 

 

本当の問題、そして本質的な課題は何か?

 

 

苦しい時期には、自社も競争相手も、問題や課題が何なのかわからなくなることがよくあります。

 

 

それらを解決するどころか、何が問題なのか、何が本当の課題なのかがわからないのです。その結果、ムダに時間ばかり費やすことになります。

 

 

しかし、どんな問題に直面し、何を解決すればいいのかがはっきりすれば、打つ手は必ず見つかります。フィットネスクラブの休業要請が緩和された今、改めて問うことは、「自社の本当の問題は何だろう?」と考え直してみることです。

 

 

今やろうとしているのは、本当の問題の解決ではないはず」と、つねに本当の問題に迫ろうとすることが大切です。

 

 

例えば、フィットネスクラブ企業がオンラインフィットネスに取り組むことは数ある中の1つの課題にすぎず、本質的な問題解決ではないかもしれません。

 

 

本質的な問題は新コ禍問題ではなく、「新コ禍が起きる前からあった問題」なのかもしれません。その問題が、新コ禍の最中で見えなくなってしまっているのかもしれません。

 

 

重要なことは、自社の本質的な問題を見つけ、それを成長機会に変えることを意識しながら、本質的な課題を設定することです。その際、暗いトンネルの先の明るい出口を意識するというのが、課題を設定するときのポイントになります。

 

 

今、営業を再開した企業は感染拡大防止に最も力を入れていることでしょう。特に現場を担当する人たちの労力と(自らも感染するかもしれないという)不安は甚大です。

 

 

だからこそ、経営者や経営幹部は明るい先を見据えた課題設定とともに、働く人たちにビジョンを示すことが不可欠です。

 

 

とはいえ、「具体的に何から始めればいいのかわからない」という方もいるかもしれませんね。そんな方には、当社のサービス『自社の強みを活かした独自ビジネスの仕組みづくり』が参考になるかもしれません(下記ご参照)。

 

 

例えば、第1回目①「現状認識と問題把握~目指すべき方向性の確認」は、新しい日常が始まったこの6月に改めて取り組むべき最重要課題の1つといえるでしょう。

 

 

 

 

 

 

それでは次号をお楽しみに!

 

 

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