国内フィットネス業界、未来への2つの潮流 |  ☆サクセス
新型コロナウイルスに関する情報について

国内フィットネス業界、未来への2つの潮流

 

 

こんにちは。田村真二です。

 

 

 

新型コロナウイルスの感染が国内外で広がり、世間や株式市場を大きく揺るがす事態になっています。

 

 

2002年に中国が起源となり広がったSARS(サーズ)、MERS(マーズ)が流行した2015年の韓国のときと違い、新型コロナウイルスの感染は日本国内全域に広がり、人々の日常生活や企業活動に深刻な影響を与えています。

 

 

会社への出勤を減らし「在宅勤務」を導入する大企業も増えているようですが、中小企業や店舗型ビジネスの大半は「なんとか耐え忍んでいる」状態ではないでしょうか。

 

 

とはいえ今は、自らの身を守り、感染拡大の防止と顧客対応に最善を尽くすと同時に、沈静化の後に大きく飛躍するための、新たなビジネスモデルを作り上げる機会でもあります。

 

 

この難局を、ともに乗り越えましょう。

 

 

 

新型コロナを機に、働き方改革が加速する?

 

 

 

 

 

感染拡大は交通や外食を始め、小売業、サービス業、製造業など幅広い業種に大きな打撃で、ビジネスモデルの転換を迫られる可能性が高いのは間違いなさそうです。

 

 

一方で、業務効率やサービス向上につながる好機にもなり得ます。

 

 

インターネットサービス大手のGMOインターネットは、1月27日に国内従業員の9割にあたる約4000人の在宅勤務を決めました。

 

 

同社が2月上旬に実施した調査では、9割の社員が在宅勤務を評価した一方、通信環境の課題や紙ベースの業務などで、3割は「何らかの支障が生じた」と回答しました。

 

 

また、取引先企業とのインターネット会議やシステム保守など、出社が必要な業務もあり、2月10日には1000人程度の出社を認める方針に転換しました。(出典:2020年3月9日読売新聞)

 

 

在宅勤務や時差出勤の結果、交通混雑の緩和や働き方改革の加速といった効果もあるようですが、企業にとっては、ハンコによる決裁など従来業務の見直しや、顧客情報や機密の流出を防ぐセキュリティー整備など、対応するべき課題は少なくありません。

 

 

リクルートワークス研究所の調査では、会社で働くよりも、「上司や同僚がいない分、仕事の目安をつけづらく、頑張りすぎる」など、在宅勤務の社員の勤務時間が長くなる傾向があることが分かっています。

 

 

ということで、日本ではなじみが薄かっただけに、在宅勤務は企業にとってまだ試行錯誤で、手探りの感は否めません。

 

 

 

スポーツジム、サービス休止・休業相次ぐ

 

 

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、フィットネス企業各社でスタジオやプールプログラムのサービス一時休止や、臨時休業が相次ぐなど対応に追われています。

 

 

また、公立小中高校の臨時休校に伴い、子どもスイミング教室や体操教室などの休校・休業も相次いでいます。

 

 

業界最大手のコナミスポーツでは2日から15日まで、スタジオやプールで実施するプログラムを中止し、感染者の多い北海道の7施設は19日まで休館しています。

 

 

同2位のセントラルスポーツも3日から10日まで全施設を臨時休業。同3位のルネサンスはスタジオ及びスカッシュコートで実施している、すべてのプログラム及びスクールを15日まで休止しています。

 

 

女性専用スポーツジム「カーブス」は、全国2000カ所以上ある全店舗を8日から15日まで休業し、休業中の会費は日割りで利用者に返金します。

 

 

中には、月初から15日まで約2週間臨時休業する企業(月会費収入が半減!)がある一方で、新型コロナウイスル対策を万全に行った上で、ほぼ通常に近い形で営業している企業もあります。

 

 

いずれの企業も、感染拡大の防止と会員対応に最善を尽くすと同時に、インストラクターによるストレッチ動画を自社サイトに掲載する、新たなオンラインサービスの提供に取り組むなど、インターネットを活用したサービスを提供する企業も増えつつあります。

 

 

しかし、新型コロナウイルス感染が沈静化したとしても、今回の出来事は、過ぎ去れば終わりではないでしょう。企業経営者や経営幹部は、これを機に未来への潮流に考えを巡らせることが必要だと私は思います。

 

 

 

国内フィットネス業界、未来への2つの潮流

 

 

国内フィットネス業界における未来への潮流は、大きく2つあるとは私は考えています。

 

 

1つは、セルフ利用中心で月会費3千円未満の格安フィットネス(ジム)の拡大と、高付加価値&高単価型フィットネスサービスの、「2極化」の更なる進展です。

 

 

これはブログでこれまで何度も発信してきましたが、米国を中心とした世界的潮流であり、すでに日本でも顕在化しつつあります。

 

 

また、今回の新型コロナウイルス感染の影響により、「安全・安心」と思われていたフィットネス施設が、実はウイルスという目に見えない敵の前では、「リスク」の場でもあることに気づいた会員や潜在客も少なくないでしょう。

 

 

実際、会員への配慮から「3月特別休会」対応を取った企業からは、「想定以上に多くの会員が休会された」という声も聞きます。

 

 

今後は、施設をそれほど利用していないにも関わらず会員であり続ける人は減り、実質価値を鑑み、「価格相応の価値が得られるかどうか」をより慎重に見極める人が増える、と見て間違いありません。

 

 

健康維持増進のためとはいえ、(消費税増税や増えない給料による)現役会社員の可処分所得の減少や、中高齢者の老後資金の不安などから、「フィットネスは必要。でも、できるだけお金をかけたくない」と考える人が増えるでしょう。

 

 

一方で、自分用にカスタマイズされたフィットネスサービスには、高い金額を払ってもいいからぜひ受けたいという人は今も少なくありません。

 

 

これらにより、現在主流となっている中価格帯(レギュラー月会費7千円~1万円程度)フィットネス企業の多くが、会員数の減少に(今以上に)悩ませられ変革を迫られる、と私は見ています。

 

 

もう1つは、当然、デジタル変革(DX:Digtal transformation)の流れです。

 

 

2020年は次世代通信の「5G」が始まり、世の中は、アクセル全開で変わり始めます。

 

 

そんな中で、今までと同じやり方、同じスピードで動いていたのでは、スローモーションにしかなりません。

 

 

日本のフィットネス企業で「常識」とされていたあらゆる活動が、デジタルですばやく済ませられるよう、ビジネス環境の整備がこれから加速するでしょう。

 

 

オンライン入会手続きはもちろん、月会費引落しクレジットカードの変更手続きがサイトから簡単にできるのは当たり前。

 

 

実際、先日クレジットカードを変更することになり、入会先の3クラブで変更手続きをしたところ、国内2クラブはフロントでの手続きが必要でしたが、プラネットフィットネス(アメリカ)はサイトから簡単に手続きができました。

 

 

もちろん国内でも、ありとあらゆるECサイトでは当たり前のことですが、フィットネス企業でこうしたことをオンライン上で行えるところは現在、ほとんどありません。

 

 

また、MA(マーケティング・オートメーション)を導入して、サイバー空間にいる潜在客や見込み客に対し、Webサイトの仕掛けで自社に興味・関心を持ってもらい、サイトに来てくれた人に対してメールなどで営業活動を行い、見学・体験につなげる。

 

 

見学・体験後に入会「しなかった人」に対しても、その人の関心がありそうなコンテンツをメールで配信し続けて、入会につなげるといった活動も行われるようになるでしょう。

 

 

当然、既存会員(休会者を含む)を始め退会者に対しても、ITソフトを活用したサービス提供や関係構築の余地は、未だ無限にあると言っても過言ではありません。

 

 

ただし、マーケティング活動で「自動化(=オートメーション)」はムリなので、あくまで人が行う活動の「補助具」としなければ効果は低いと思っておいた方がいいでしょう。

 

 

一方、すでに一部のフィットネス企業で導入していますが、アプリから参加予約ができる「スタジオ・プールプログラム予約システム」(新幹線や映画館のチケット購入&座席指定システムのようなもの)などは一刻も早く導入を進めるべきでしょう。

 

 

特定の会員だけが1日に何度もプログラムを受けることで、定員の関係上参加したくても参加できない人への不満解消はもちろん、企業側の会員管理(会員別の参加状況の把握等)における業務効率化や運営改善に役立つデータが瞬時に把握できますから。

 

 

入会先のフィットネスクラブでは、スタジオやプールプログラムの参加(指定場所)をスマホから事前予約することができる

 

 

他の業界、例えば映画業界や音楽業界を見ればわかりますが、「これこれの理由で(今は)できない」などといっている企業は、デジタル変革の流れに遅れて取り返しがつかなくなるでしょう。

 

 

歴史を振り返れば、感染症は、大規模な社会変革の引き金になっています。今、その渦中にある経営者、経営幹部は、感染症が過ぎ去るのを待っているだけではなく、果敢に変革へと舵を切るときにあります。

 

 

対応に追われていて大変なのはわかります(私もクラアイントから頻繁に相談を受けているので理解しています)。しかし一方で、新型コロナウイルス沈静化の後に大きく飛躍するための、新たなビジネスモデルを作り上げる機会にしてはいかがでしょうか。

 

 

 

それでは、次号をお楽しみに!

 

 

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