★2020年代のフィットネス競争対策の決め手 |  ☆サクセス

★2020年代のフィットネス競争対策の決め手

 

 

こんにちは。田村真二です。

 

 

「24時間ジムを始め、複数の競合出店で会員数が減って困っています・・・」

 

 

上記は今月、東京と大阪で開催した『フィットネス経営5大戦略セミナー』に参加された方の多くに共通していたお悩みです。

 

 

セミナー参加者に限らず、同様のご相談を私はよく受けますし、フィットネス業界関係者の方々からもよく見聞きします。

 

 

フィットネス業界全体が成長を続ける一方で、既存企業や既存クラブの多くが不振にあえいでいる、とまで言えるかどうか分かりかねますが、少なくとも後者に当てはまる企業や店舗については、「応急処置対策」ではなく「根本対策」が必要です。

 

 

 

エスカレートする入会特典競争

 

 

ご相談の背景には、ジムやスタジオやプールなどといった「アイテムの広がり」から、「24時間ジム」「月会費3千円未満のジム」など、利便性や価格の安さをウリにしたジムを始め、ターゲットを明確化した「専門スタジオ」などの急増が挙げられます。

 

 

結果、地域によっては、フィットネスクラブの入会キャンペーン特典で「6カ月間月会費2,980円」、といった入会特典競争が繰り広げられています。

 

 

私もこの特典を始めて見た時には正直驚きました。でも、はたしてこの方法で入会者を継続的に増やしていけるでしょうか? たとえ入会者が増えたとしても、継続に問題はないでしょうか?

 

 

私の答えは、「問題あり」です。

 

 

確かに、一時的に入会者は増えるかもしれませんが、入会特典競争の行きつく先は「一番安いところ」まで突き進むという末路です。それに月会費が、「ずーっと2,980円」などという格安ジムも現在増えつつありますから。

 

 

もちろんそれで利益を確保できればいいのですが、高コスト体質の既存企業がスリムな筋肉質に生まれ変わるには、難易度は相当高いと言えます。ではどうすればいいか?

 

 

 

まずは現状を正しく把握することから始める

 

 

上記の問いに対する私の答えは、医者が患者を診断するように、まずは現状を正しく把握することから始めましょう、です。

 

 

意外にもと言いますか、やはりと言いますか、会員数や売上・利益の減少にお悩みの経営者や経営幹部の多くが、(国内外の)業界の現状を正しく把握されていません。

 

 

それどころか、(商圏内の)ライバル店の動向さえつかんでいないことも少なくありません。さらに驚くことに、自社の現状でさえ認識不足の感が否めないケースもあります。

 

 

「彼を知り己を知らば、百戦して殆(あや)うからず」は、中国の兵法書「孫子(そんし)」の有名な一節です。要するに、「相手のことも自分のこともよく知っていれば負けることはない」と言う意味のことです。

 

 

私なら孫子の一節に「顧客」を加えて、顧客を知りを知りを知らば、百戦して殆うからず」、いわゆる「3C」(Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの頭文字を取ったもの)をできる限り詳細に調べます。

 

 

顧客のことも、相手のことも、自分のこともよく知らないでビジネスをしていては、自ら好んで崖っぷちに進んでいくようなものです。まずは、現状を正しく把握することから始める。これが大切です。

 

 

どの企業も新店をつくるときには、自社の戦略・戦術を定める上で競合相手や顧客の調査を(真剣に)行います。しかし2年目以降は、ほとんどの企業はそうしたことを行わなくなります。

 

 

これでは変化を知ることも、変化に対応することもできません。最低でも年に1回は、3Cについての正しい現状把握が必要です。

 

 

 

サービス業の競争対策の決め手は、「なくてはならないもの」を提供すること

 

 

フィットネスクラブに限らず、サービス業とは本来、顧客に心から満足してもらうことをいいます。

 

 

顧客側が所有しないで提供者側が所有して、顧客に利用してもらう、使ってもらうのが、サービス業です(例:フィットネスクラブ、映画館、ボウリング場、ディズニーランド、ホテル、交通機関、インターネットのクラウドサービスなど)。

 

 

それには、「その方がはるかに便利であり快適だ、価格を上回る価値が得られる」、と顧客側が納得できるビジネスの仕組みができていなければなりません。

 

 

だからサービス業は、「欲しいもの」「あこがれのもの」といったウォンツ商品ではなく、「なくてはならないもの」といったニーズ商品の方に軸足を移していく必要があります。

 

 

例えばiPhoneの新型を「欲しい」という人はたくさんいますが、「必要」な人はそれほど多くはないはずです(機能的には他社の製品でも代替可能ですから)。つまり、「モノ」についてはニーズ商品ではなく、ウォンツ商品の提供が必要になるということです。

 

 

しかしサービス業は、例えば普段歯医者に行かない人でも、歯が痛くてどうしようもない時には痛みをとるために歯医者に行くように、必要(ニーズ)があれば顧客が自ら出向いてくれます。

 

 

また、たまにしか乗らない自家用車を購入するよりも、必要(ニーズ)な時だけ借りればいいカーシェアリングの利用者が増えている理由は、カーシェリングの本質は「モノ」ではなく「コト」の販売、つまりサービスとして必要とする人が増えているからです。

 

 

要するにサービス業は、顧客が欲しがる状態を作るのではなく、まだ欲しがっていない時に先手を打って、「こんなサービスはいかがですか?必要(ニーズ)ありませんか?」と提供する必要があるのです。

 

 

 

 

 

 

国内フィットネス業界の2つの軸足(方向性)

 

 

今後、国内フィットネス業界の軸足は、大きく2つの方向性に分かれていくと私は見ています。

 

 

1つ目の軸足は、(私が以前から何度も指摘しているように)格安ジムのように、誰でも会員になれるぐらい安い月会費のフィットネスサービスが「必要」とされるようになるでしょう(この軸は今後日本で急速に伸びていくでしょう)。

 

 

2つ目の軸足は、会員満足度を高める付加価値サービスを作り出し、それに見合う価格で提供する軸です。

 

 

この軸足は、顧客の数だけ「無数にある」と言っても過言ではありません。なぜなら、個々人を対象としたいくつものサービス商品の開発が可能だからです。今後は、フィットネスサービスの新たな「商品開発」が重要課題となるでしょう。

 

 

要するに、会員数「だけ」にとらわれるのではなく、付加価値サービスに注目した商品&価格戦略を導入して販売することができれば、会員満足向上と収入・利益増を両立させることが可能になると言うことです。

 

 

こうした発想によるフィットネスビジネスは、まったく新しいサービスとして今後大きく成長することでしょうし、格安ジムノ「プレッシャーに対して避けて通れない戦略と言えます。

 

 

しかし、欠点が2つあります。1つ目の欠点は、人件費が過多になりがちだと言うことです。そのため、デジタル活用や業務の標準化・効率化取組みが不可欠となります。

 

 

2つ目の欠点は、需要が景気や災害などで断続することがあることです。例えばリーマンショック級の景気低迷があると高額サービスの売れ行きが悪くなります。

 

 

そこで重要になるのが、変化対応力をつけることです。具体的には、「もし〇〇の影響で売上や利益が下がったときにはどうするか?」ということについて、予め複数の対策を考えておくとよいでしょう。

 

 

「予防対策」を講じる企業は少ないですが、2020年代には、そうしたことが「いつでも」起きる前提でビジネスに取り組む必要があります。1本足の案山子(かかし)ではなく、2本目、3本目、4本目の足を予め用意しておくこと。備えあれば憂いなし、ですから。

 

 

そのためには、戦略的にビジネスに取り組む必要があります(特に大企業に比べて資本力や人材力に劣る中小企業にこそ必要です)。

 

 

当社では現在、フィットネス企業を対象に『フィットネス経営5大戦略訪問セミナー』を開催しています。ご興味ある方は、こちらのサイトを一度ご覧ください。

 

 

⇒ フィットネス経営5大戦略訪問セミナー

 

 

 

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それでは次号をお楽しみに!