★2020年代、フィットネス競争対策の決め手 |  ☆サクセス

★2020年代、フィットネス競争対策の決め手

Happy Christmas Eve to all!

 

 

 

こんにちは。田村真二です。

 

 

本日はクリスマスイブ!楽しいイブをご予定されている人も多いかと思います。

 

 

そして、今週から来週にかけては賑やかかつ、一年のしめくくりと幕開けの二週間になるかと思います・・・。

 

 

 

「2018年、世界のフィットネスクラブ会員数は1億8,300万人を記録した。業界全体の市場規模は推定940億ドル(約10兆3,400億円)で、クラブの総数は21万軒を超えた」(月刊[ネクスト]2019年12月より)

 

 

 

 

記事によれば、好業績を記録した主要市場として、特に、(日本を含む)アジア・太平洋地域が好調だったとあります。面白くなってきましたね、と言いたいところですが...

 

 

確かにここ数年、日本のフィットネス業界は盛り上がりをみせています。都市部はもちろん、最近では全国至る所で開業ラッシュが続いています。だからでしょうか?

 

 

「競合出店の影響で(フィットネス)会員数が減って困っています。会員数を増やすにはどうすればいいでしょうか?」

 

 

といったご相談を私は、2年ほど前から多く受けています。また、業界関係者の方々からも本当に多く見聞きします。

 

 

成長企業や成長業態が好業績をけん引する一方で、既存企業や既存業態が不振にあえいでいる、とまで言えるかどうか分かりかねますが、少なくとも後者に当てはまる企業については、応急処置対策ではなく「根本対策」が必要です。

 

 

そこで本日は、「フィットネス競争対策の決め手」をテーマに書きました。時間をつくって、ぜひお読みください。

 

 

 

エスカレートするフィットネスクラブ入会特典

 

 

ご相談の背景には、ジムやスタジオやプールなどといった「アイテムの広がり」から、「24時間年中無休のジム」「月会費3千円未満のジム」など、利便性や価格の安さをウリにしたジムやターゲットを明確化した専門スタジオが急増していることが挙げられます。

 

 

結果、一部の地域では入会者を是が非でも獲得するために、「6カ月間月会費2,980円」などといった入会特典競争が繰り広げられています。

 

 

はたしてその方法で入会者を継続的に増やしていけるのでしょうか? 

 

 

私の答えは「ノー」です。確かに、一時的に入会者は増えるかもしれませんが、入会特典競争の行きつく先は「一番安いところ」まで突き進むことになるという末路です。

 

 

もちろんそれで利益を確保できればいいのですが、高コスト体質の既存企業がスリムな筋肉質に生まれ変わるには相当難易度が高いと言えます。

 

 

ではどうすればいいのでしょうか?

 

 

 

現状把握から始める

 

 

上記の質問に対する答えは、まずは現状を正しく把握することから始めることです。

 

 

当たり前に思えるかもしれませんが、会員数や売上・利益の減少にお困りの経営者や経営幹部の多くが、(国内外の)業界の現状を正しく把握されていないようです。

 

 

それどころか、商圏内のライバル店の動向さえつかんでいないことが少なくありません。さらに驚くことに、自社の現状でさえ認識不足の感が否めません(私の簡単な質問にも答えられないケースがよくあります)。

 

 

「彼を知り己を知らば、百戦して殆(あや)うからず」は孔子の有名な一節です。これは要するに、「相手のことも自分のこともよく知っていれば負けることはない」ということ。

 

 

言い換えれば、相手のことも自分のこともよく知らないでビジネスをしていては、自ら好んで崖っぷちに進んでいるようなものです。ですから、まずは現状を正しく把握することから始める必要があるのです。

 

 

 

24時間営業のジムの「次」のトレンドは「格安フィットネス」

 

 

私は5~6年前から指摘していますが、2020年代の日本のフィットネスは「バジェット型」、つまり、「格安」がフィットネストレンドの1つになることを確信しています。

 

 

というよりもすでに顕在化しており、24時間営業のジムでは月会費4~5千円台の安さと便利さをウリにする企業がチェーン展開を始めていますし、月会費2千円台のジムを全国にチェーン展開する企業も複数現れています。

 

 

格安業態が既存企業に与える影響は、異業種の例を見るまでもなく、これまでのあらゆる影響よりもはるかに大きいと言えます。

 

 

私も会員になっている「Planet Fitness」(下写真)を始めとした格安業態の「膨張」を目の当たりにすれば、ライバルとしての恐ろしさを業界関係者の誰もが知ることでしょう。

 

 

そしてこれは、アメリカをはじめとした海外「だけ」のことではなく、今後日本でも必ず起きると私は見ています。

 

 

 

月会費10ドル(110円換算で約1,100円)で充実したジムライフを楽しめるプラネット・フィットネス

 

 

さらに今年10月の消費増税や老後に対する不安などから、消費者の財布のひもは今まで以上に固くなるのは必至。価格に対する消費者の目は厳しさを増すことでしょう。

 

 

一方で、6年後の2025年にはすべての団塊の世代が75歳以上になり、日本は総人口の2割弱にあたる約2200万人が75歳以上という「超高齢社会」を迎えるとされています。

 

 

そんなこともあって、健康関連ビジネス市場は今まで以上に拡大が見込まれるわけですが、マス・マーケット(大衆市場)がフィットネス施設を選ぶポイントは、(ユニクロやニトリなどと同様)「満足の品質+価格の安さ」が決め手になることは間違いありません。

 

 

そうなると、中間層をメインターゲットにビジネスを拡大してきた大手企業を中心に、品質を維持した上で(同時に)価格を下げ、利益を確保するために、LCC(格安航空会社)並みにコストを引き下げることが生き残りのための「必要条件」となるでしょう。

 

 

しかしこの市場には、すでに強い「向かい風」が吹き始めており、過去の延長線上の取り組みや入会特典の強化だけで業績を維持・向上させるのはもはや不可能です。

 

 

’80年代後半から’00年代まで小売業界に携わっていた私には、従来型の総合型クラブやジム・スタジオ型クラブの多くが、声高に改革を叫びながら何も変化できずに凋落していった百貨店や総合スーパーと同じ、まさにデジャブです。

 

 

 

重要な質問

 

 

でも、そうはなりたくありませんよね。そこで重要になるのが、次の2つの質問です。

 

 

Q.24時間営業のジムや格安ジム、様々な専門スタジオが増えたのに、なぜ潜在客や見込み客はわざわざ当社のクラブに入会する必要があるのだろうか? 

 

 

Q.(同様に)なぜ既存会員は当社のクラブの会員であり続ける必要があるのだろうか?

 

 

会員数や売上・利益の減少にお困りの経営者の方は、この問い対する明確な答えを持たない限り、今後もじりじりと減らし続ける可能性が高いと言えるでしょう。

 

 

もし今すぐ答えが思い浮かばない場合は、この年末年始に、ぜひ時間をつくって自社なりの答えを見出してみてください。

 

 

 

サービス業の競争対策の決め手は「なくてはならいもの」

 

 

フィットネスクラブに限らずサービス業とは本来、顧客に心から満足してもらうことをいいます。

 

 

顧客側が所有しないで提供者側が所有して、顧客に利用してもらう、使ってもらうのが、サービス業です(例:映画館、ボウリング、ディズニーランド、ホテル、フィットネスクラブ、インターネットのクラウドサービスなど)。

 

 

それには、その方がはるかに便利であり快適だ、価格を上回る価値が得られる、と顧客側が納得できるビジネスの仕組みができていなければなりません。

 

 

だからサービス業は、「欲しいもの」「あこがれのもの」といったウォンツ商品ではなく、「なくてはならいもの」といったニーズ商品の方に軸足を移していく必要があります。

 

 

その軸足の1つが、格安ジムのように誰でも会員になれるぐらい安い価格のフィットネスサービスです。しかし、軸足は1つではありません。サービス業については、軸足は顧客の数だけ「無数にある」と言っても過言ではないのです。

 

 

 

パーソナル会員を導入して会費単価「3倍」を実現したフィットネスクラブ

 

 

そこで既存企業の緊急の課題となるのが、マーケティング改革に加えて「業態(売り方)開発」と「商品開発」と「価格戦略」です。

 

 

一例を挙げますと、私のクライアント先のあるフィットネスクラブでも24時間営業のジムや専門スタジオの影響を受けて、ピーク時に比べて会員数が減少しました。

 

 

だからと言って、会費を値下げするようなことはしていませんし、ジムエリアの24時間化も行っていません。

 

 

会員数の減少を「前提」に、会費収入を維持するにはどうすればいいかを検討した結果、サービス価値を高めて会費単価を上げる戦略に取り組んでいます。

 

 

具体的には、レギュラー会員とは別に、パーソナルトレーニングやその他のサービスをパッケージングした複数の「パーソナル会員」(月会費はレギュラー会費の2~10倍)を作って販売しました。

 

 

結果は、パーソナル会員の平均単価はレギュラー会費の「3倍」。つまり、パーソナル会員1人でレギュラー会員3人分に相当する会費を得ることに成功しました。

 

 

仮に会員数2千名のフィットネスクラブで競合の影響を受けた結果、会員数が1割(200名)減り1,800名になったとします。しかし1,800名のうちパーソナル会員を100名獲得することができれば、プラス200名分の会費収入を補うことができるということです。

 

 

それだけではありません。24時間営業のジムや低価格のジムでは提供することのできない「差別化されたサービス」を提供することで競争力が高まり、会員満足度が向上し、スタッフの意識やスキルも自ずと上がります(ただし根気強く取り組めばですが)。

 

 

要するに、会員数だけにとらわれるのではなく、客単価に注目した商品&価格戦略を導入して販売することができれば、会員満足度と収入増を両立させることが可能になるということです。

 

 

 

2020年代、フィットネス競争対策の決め手

 

 

フィットネス競争対策はこれだけではありません。ターゲットを絞り、各々のターゲットにとって「なくてはならないもの」を開発することで、価値と顧客の創造を無限に広げることは可能です。

 

 

こうした発想によるフィットネスビジネスは、まったく新しい産業として今後大きく発展することでしょうし、避けて通れない分野と言えます。しかし欠点があります。それを見落とすと確実に失敗します。

 

 

1つ目の欠点は、人件費が過多になりがちだということです。そこで、デジタル活用や標準化・効率化取組みが不可欠となります。

 

 

2つ目の欠点は、需要が景気や災害などで断続することがあることです。たとえばリーマンショック級の景気低迷があると高額サービスの売れ行きが悪くなります。

 

 

そこで重要になるのが、変化対応力をつけること。具体的には、「もし〇〇の影響で売上や利益が下がったときにどうするか?」ということについて、予め複数の対策を考えておくことです。

 

 

簡単ではないかもしれません。しかしそうしたことが「起きるという前提」で、私はフィットネスクラブ企業を始め「会員制健康ビジネス」に携わる企業を対象に、独自のコンサルティングプログラムを提供しています。備えあれば憂いなし、です。

 

 

ご興味のある方は、こちらをクリックして内容を確かめてみてください。

 

https://www.wellness-biz.jp/service

 

 

 

いずれにしても2020年代の国内フィットネス業界は、2010年代以上に変化の激しい時代になるでしょう。まったく新しい業態やサービス提供で市場をけん引する新興企業が現れるかもしれませんし、業界上位企業がガラリと入れ替わかもしれません。

 

 

さらに、伸び盛りのアジア市場で日本発の業界リーダー企業が現れるかもしれません。そう考えると、ワクワクしてきませんか?(それと怖気づくかも?)

 

 

 

それでは次号をお楽しみに!(楽しいクリスマスイブをお過ごしください!)