★デジタル時代の日本のフィットネスサービス |  ☆サクセス

★デジタル時代の日本のフィットネスサービス

 

こんにちは。田村真二です。

 

 

前職時代に私が映画館の責任者をしていたときのことです。といっても今から26~27年も前の90年代前半の話です。

 

 

当時大抵の映画館では、「ドラえもん」や「ゴジラ」など人気映画が上映されるとなると、休日には朝早くから整理券を受け取るための大行列が出来ていました。

 

 

運よく整理券を受け取ったとしても指定席券ではないため、できるだけいい席を確保しようと上映開始前には再び行列が出来ていました。

 

 

お客様は多大なストレスと時間を費やすとともに、映画館のスタッフも(売上が上がる一方で)大変な労力を強いられていました(私もメガホン片手に大声を張り上げて行列の整理と整理券の配布を行っていました)。

 

 

90年代後半に入ると、1つの映画館で複数(日本の場合は7~12スクリーンが多い)のスクリーンを配置したシネマコンプレックスシアターが登場。以降、映画館の施設、設備、サービスとともに「デジタル技術」の進化が急速に進みました。

 

 

たとえばその1つに、インターネットを通じて事前に座席指定と支払いを済ますサービスがあります。当然のことながら整理券は必要ありませんし、上映直前まで時間を自由に使うことができます。

 

 

「田村さんそんなこと当たり前です」と思う人もいるでしょうね。ええ、確かに今では当たり前のサービスです。でも、日本のフィットネス施設におけるデジタル技術の導入はと言えば・・・

 

 

 

映画館とフィットネスクラブ

 

 

私が映画館の支配人をしていたとき、映画館の横にあったフィットネスクラブの経営・運営についても兼務で責任者をしていました。

 

 

意外に思われるかもしれませんが、フィットネスクラブの運営も映画館と似たようなところが(当時は)ありました。

 

 

たとえばスタジオのレッスンは(映画館と同様)定員制であり、大抵は早い者順にスタジオ前に並んで待っています。

 

 

人気クラスの場合は事前に整理券を配布することもありますが、いずれにしても利用者側にとってもスタッフ側にとってもストレスや時間がかかります。

 

 

スタジオレッスンに参加したいと思って入会した人の中には、「いつも混んでいて嫌」「並ぶのは嫌」「好きな場所でレッスンを受けられない」といったストレスを抱えている人も少なくないと思います(私自身もそうですから)。

 

 

 

ネット予約が当たり前の専門スタジオと昔ながらの総合型クラブ、ジム・スタジオ型クラブ

 

 

ただ数年前より、スタジオ専門企業の多くでネット予約システムが普及しており、利用者はレッスン開始時間に合わせてスタジオに行くことができるようになっています。

 

 

一方で、総合クラブやジム・スタジオ型クラブでは、一部の“先進的な”企業を除いて、今でも「昔ながら」の方法で運営をしているところが大半です。はっきり言って、スタジオ専門企業や映画館に比べて5~6年(かそれ以上)遅れているシステムです。

 

 

私が入会しているある総合型クラブのスタジオレッスンでも、レスミルズの人気プログラムやヨガなどでは「満席」のことも少なくありません。

 

 

「今日は参加しようかな」と思ってもなかなか参加することができずに(行列に並べば参加できますがそこまでしたいとは思いませんので)、自然とスタジオレッスンを避けてジムのマシンを使った運動のみになることが大半です。

 

 

これなら会費が安くて便利な24時間営業のジムと代わり映えしません。ジムで運動したいと思う人が総合型クラブやジム・スタジオ型クラブではなく、24時間営業のジムに入会する気持ちがわかります。

 

 

自分が会員の立場のときに、10年前、20年前と一体どれだけ最近の同業他社が変化したかを考えれば、少なくとも同じくらい自分の会社も変えなければ、確実に危険な状況になっているということです。

 

 

 

フィットネス業界では先進的な一部の総合型クラブ

 

 

一方で、最近私が入会した別のある総合型クラブでは、スタジオレッスンへの参加は映画館と同様、スマホで事前予約できるシステムを導入しています(下図)。

 

 

 

B1やD2など白い部分が予約できる場所

 

 

このシステムは本当に便利で、自然とスタジオレッスンに参加する回数が増えました(一昨日も「Group Power」という45分の人気レッスンにストレスなく参加できました)。

 

 

レッスンに参加する前後で「ジムも」利用することができますので、24時間営業のジムとの差別化にもつながります。さらに、会員個々人の利用履歴などのデータから、マーケティングや運営改善につなげることも可能になります。

 

 

ただし、スタジオ参加方法やスマホを使った予約方法については、会員一人ひとりが理解できるよう丁寧に教える必要があります(とくにご高齢の会員に対しては)。

 

 

 

フィットネス企業各社は、時代に合った運営システムの導入が急務である

 

 

近年、専門スタジオや24時間営業のジムが大量に増えた結果、既存の総合型クラブやジム・スタジオ型クラブの多くが影響を受けています。

 

 

そうした中には業績向上のためにと、同業他社の動向を熱心に調査し、簡単に真似できることを行っているだけのところも少なくありません。

 

 

でもその前に、自問自答していただきたいことがあります。

 

 

Q1.当社の会員が現在、(実際に声に出しているかどうかは別にして)利用に際して抱えているストレスや不満は何だろうか?

 

 

Q2.見学や体験をしたけれど当社に入会しなかった真の理由は何だろうか?

 

 

Q3.当社は今の時代に合ったテクノロジーを取り入れているだろうか? 

 

 

答えが出たとして、解決策を実行するのは容易ではないかもしれません。お金も時間もかかるかもしれませんし、今の運営に満足してくれている会員もきっといるでしょうから。

 

 

でも、今のままで本当にいいのでしょうか? 

 

 

3年後、5年後を見据えて、今すぐ軌道修正が必要ではありませんか?

 

 

私たちを取り巻く環境変化のスピードは早く、変化に対応していくのは本当に大変です。だからといって、見込み客や会員は待ってくれません。

 

 

これからのフィットネス施設はより便利で、より快適で、より気軽で、より楽しくフィットネスができる環境を提供してくれるところが支持を得て生き残り、成長し、発展していくことになるでしょう。

 

 

老若男女にスマホが普及し、さまざまな業種や業界でデジタルテクノロジー活用が進む中、あなたの会社が提供できるデジタル時代に合ったサービスとは何でしょうか? 

 

 

年末を迎えるこの時期に考えてみてはいかがでしょう。

 

 

 

それでは次号をお楽しみに!