斬新なビジネスモデルでフィットネス体験を変える米国企業 |  ☆サクセス

斬新なビジネスモデルでフィットネス体験を変える米国企業

 

こんにちは。田村真二です。

 

 

年の瀬にはまだ少し早いですが、師走を目前にした今週は年末年始(と来年)をどう過ごすかを考えている人もいらっしゃると思います。

 

 

来る2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、ビジネスにおいては、本格展開が始まる「5G」に注目している方もいらっしゃるでしょう。

 

 

先日知人と話しているときに5Gの話題が出たのですが、私が5Gの「G」の意味を知っていますか? と彼に尋ねると、「あれ何でしたっけ、重力(Gravity)のGですか?」。

 

 

答えは「世代(Generation)」のG。つまり5Gとは、「第5世代移動通信システム」のことです。

 

 

それはともかくとして、「5Gなんて当社のような中小企業には関係ない」「5Gは通信速度が速くなるだけでしょう」なんて思っていたら大間違い。5Gはビジネスを、生活を、そして社会を変えるインパクトを秘めています。

 

 

たとえば直近の決算で過去最高益を上げたトヨタ自動車の豊田社長でさえ、「トヨタを自動車メーカーからモビリティ・カンパニーに変わることが目標」と言っています。

 

 

つまり、5G時代には「トヨタは自動車を売る会社」ではなく、「移動に関わるあらゆるサービスを提供する会社」にならなければいけないということです。

 

 

「4G」時代の今でさえ米国フィットネス界ではPeloton(ペロトン)のように、自宅に居ながら(フィットネスクラブにあるような)マシンとテクノロジー、そしてメディアを結びつけた新サービスを提供する新興企業が続々現れています。

 

 

彼らの斬新なビジネスモデルとはいったいどのようなものなのか? さらに、社会を変えるインパクトを秘める5G時代のフィットネスはどう変わっていくのでしょうか?

 

 

 

機器販売×フィットネス番組 サブスクで稼ぐ

 

 

ペロトンは2012年に設立された、ニューヨーク発のフィットネス系スタートアップ。米国(ニューヨーク)市場では「ペロトンはフィットネス界のアップル」という声まであり、今やテスラやアップルに並ぶ「革新的なブランド」として知られています。

 

 

目論見書で自社を、「フィットネス、テクノロジー、そしてメディアを結びつけた」と位置付けるペロトンの斬新なビジネスモデルとは?

 

 

自社開発したエアロバイクを2,245ドル(1ドル108円換算で約24万円)、トレッドミルを4,295ドル(約46万円)で個人ユーザーに店舗やネットで直販しています。ただしこれだけなら既存のマシンメーカーと何ら変わりはありません。

 

 

ペロトンはトップインストラクターらによるフィットネスの動画(5~90分)を、マシンに装着されたディスプレイにストリーミング配信でライブ(生)とオンデマンド(見たいときにいつでも見られる)の両形式の動画をサブスクリプション(継続課金)方式で、月額39ドル(約4,200円)で提供しています。

 

 

 

 

 

Pelotonサイトより転写

 

 

フィットネス番組は双方向性を盛り込んでいて、バイクやトレッドミルが利用者の運動量や状態を検知して画面に表示するのはもちろん、それに沿って番組の中のインストラクターが声をかけてくれて飽きさせない工夫をしています。

 

 

利用者が好きな番組とインストラクターを選んで自分のペースで運動ができるのに加えて、オンライン接続している他の利用者と運動量を競えるライブ番組も用意しています。

 

 

つまり利用者は自宅にいながら、あたかもフィットネスクラブやスタジオに通っているかのような運動が、24時間年中無休でいつでも好きなときにできるということです。

 

 

なぜペロトンのようなサービスが生まれたのか? 同社のジョン・フォーリーCEOは、ペロトン創業の理由について次のように述べています。

 

 

(ここから)

 

どんどん忙しくなる現代人。彼ら彼女らはジムに行くことすら難しくなっています。仕事が終わった後に子どもを迎えに行き、その後さらに子どもを置いてジムに行くことなんてできないでしょう。

 

 

心のよりどころが教会ではなくジムに移りました。でもそのジムすら忙しくて行けない。そこで得ていた儀式やコミュニティ、内省、音楽の体験をするのが難しくなっています。だから私はPelotonを作ったのです。

 

(ここまで)

 

 

 

ペロトンを利用するには

 

 

ペロトンのサービスを利用するには、同社が販売するバイクやトレッドミルを必要としますが金額は決して安くはありません。

 

 

また、公式HPを見るとアメリカ、カナダの一部、イギリスにマシン配送可能と記されていますが、2019年11月現在、日本では購入することができません。

 

 

ペロトンはバイクやトレッドミルの配送から設置、設定までをすべて自社で行っているので、自国やイギリス以外に広げるには(ライバルの)マシンメーカーと提携するなどの方法が考えられますが、ノウハウの流出など考えると現実的ではないでしょうね。

 

 

日本へ販路を広げていくとすれば、既存マシンメーカー以外の日本企業と代理店契約を締結する方式にすると思います。実現すれば、日本に居ながらニューヨークのトップインストラクターのレッスンを受講することができますから相当話題になると思います。

 

 

ネット上の記事をいろいろ調べたところ、アメリカでもチェーン系のフィットネスクラブやスタジオにはまだ導入されていないようです。

 

 

ただペロトンは個人直販だけではなくニューヨークに自社のスタジオがあり、スタジオに行けばペロトンのクラスを受講することができます(事前予約有のコースと予約なしのウォークインクラス)。

 

こちらです ⇒ Peloton Studio in New York

 

 

また同社のサイトには、アメリカ国内のマリオットやリッツ・カールトンなどホテル内のジムや一部の部屋にもペロトンが設置されています。

 

こちらです ⇒ Peloton Hotel Finder

 

 

さらにアメリカでは、従業員の健康管理や福利厚生の一環として会社のジムにもペロトンを設置しているところが増えているようです。

 

 

 

ペロトンの業績と課題

 

 

ブルームバーグによれば、すでに140万人超の会員を抱える‟世界最大のインタラクティブフィットネスプラットフォーム”ペロトンの2019年6月期売上高は9.15億ドル(約990億円)で、前年同期は4.35億ドル(約470億円)と2倍以上成長しています。

 

 

ですが、2019年は2.46億ドル(約265億円)の最終赤字となり、上場後の初値は27ドル、新規株式公開(IPO)価格の29ドルを下回りました(2019年11月22日現在の株価は29.4ドル)。

 

 

近年、赤字の新興テクノロジー企業によるIPOの不調が相次いでおり、ウィーワークのIPO計画が暗礁に乗り上げたことも投資家心理に影響をおよぼしていると言われています。

 

 

また今後は、同様のビジネスモデルを採用する同業者との競争や異業種からの新規参入により競争激化が予想されます。さらに5G時代には、新たなフィットネス体験を提供する企業の参入が見込まれます。

 

 

ペロトンが革新的なビジネスモデルを築いたのは確かですが、同時にテクノロジー企業としての課題も示しているとも言えます。

 

 

 

それでは次号をお楽しみに!

 

 

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