商品を一切変えずに売り方を変えて空前のメガヒット | 「サクセス」by田村真二

商品を一切変えずに売り方を変えて空前のメガヒット

 

 

 

こんにちは。田村真二です。

 

 

 

先週早いもので今年も残り2カ月を切りました。三連休はいかがお過ごしになられたでしょうか。

 

 

私は先週金曜日に、先月25日にオープンしたテラスモール松戸に行ってきました。

 

 

東急スポーツオアシスが運営する総合フィットネスクラブや、ユナイテッドシネマなどが入居する国内最新の大型ショッピングモールです。

 

 

場所は自宅から車で15分ほど(ただしオープンして間もないこともあり、今でも時間帯によって近隣道路一帯が大渋滞することがあります)。

 

 

このモールは見どころのテナントがいくつかあります。中でも私の注目店の1つは、作業服「ワークマン」の新業態「ワークマンプラス」です。

 

 

作業服から「ポストユニクロ」へ、華麗なる転身を遂げた「ワークマン(プラス)」のことはもう知っていますよね。

 

 

商品自体は何も変えずに、ブランドや陳列方法など「売り方」を変えて空前のメガヒットになったワークマンプラスと既存店との相乗効果により、ワークマン全店売上高が11カ月連続で前年同期比2桁増という急成長ぶり。

 

 

売り上げの上昇に比例して、株価もうなぎのぼりで急上昇しました(社員1人当たりの時価総額は上場小売企業ナンバーワンだとか)。

 

 

そのワークマンが、ワークマンプラス業態でテラスモール松戸にオープン。売り場に行ってみたところ、平日10時の開店直後にも関わらずすでに買い物客が10名程いました。

 

 

 

 

 

 

私はワークマンプラスの仕掛け人とも言われている土屋専務から直接話を聞きましたが、標準的なワークマンの店(約100坪)は1700アイテムの商品があるそうです(1700アイテムというのは、「ニトリ」の大型店に匹敵するアイテム数)。

 

 

そこから320アイテムをピックアップして新業態としてつくったのが「ワークマンプラス」。つまり、商品自体は一切変えずに売り方を変えて空前のメガヒットというわけです。

 

 

このように、他社と比べて「勝てる」商品群のみを組み合わせて店づくりをすることを「ライン・ロビング」と言います。強力な商品や対象顧客を拡げる商品だけを残し、新たに編集して店づくりをしたのがワークマンプラスなのです。

 

 

とは言っても、売り方を変えてみたところで「商品」と「価格」自体に魅力がなければ、そう簡単には売れないのが今の時代です。でも実際にこの目で商品を一品一品見てみると、それは杞憂に終わりました。

 

 

「この価格でこの品質はあり得ない。デザインだってすごくいいというわけではないけど、想像していたよりもかなりいい。これは他社には真似できないな」というのが私の率直な感想です。

 

 

 

この防寒ジャケットが2900円(しかも税込)なんて信じられません!ユニクロのフリース1900円を見た時以来の衝撃です

 

 

 

強みと優位性を築いてニッチマーケットでダントツNo1

 

 

土屋専務によれば、作業服ワークマンの商品3大特徴は、①定価販売(値引き販売をしない)、②継続性(翌年も継続して定価販売)、③共通製品(プロも一般の人も共通)とのこと。

 

 

新業態でも作業服業界のやり方を変えないワークマンプラスのアパレル業界に対する優位性は、ワークマンの商品3大特徴に起因していると言えるでしょう。

 

 

何年も前から販売している商品なのに昨年秋以降大ブレークしたのは、(何度も言いますが)商品を変えずに売り方を変えたから。マーケティングの力を見せ付けたワークマンの勝利ということです(「ポストユニクロ」も過大評価ではありません)。

 

 

そこで考えてみていただきたいのです。ワークマンが出来たのなら、自社でもできるのではないか、と。

 

 

 

フィットネス新業態・フォーマットづくりに挑戦する

 

 

たとえば総合型クラブのスタジオレッスンは通常、多種類のプログラムが数多く提供されていますし、ライバルを意識してか近年とくにその傾向が高まっているようです。

 

 

しかしその多くは「プロ仕様」になっていて、初めての人にとっては、レッスン表を渡されても意味不明・解読不能な人が多くいるのではないでしょうか。

 

 

もしそうだとしたら、膨大なプログラム群から(ワークマンプラスのように)一般受けすると見たプログラムを抜き出したうえで、内外装や照明・音響設備、インストラクターの指導方法、メディア、プロモーションなどをゼロベースで見直してみてはいかがでしょうか

 

 

つまり、新業態・新フォーマット(顧客が「買う・使う」立場から品揃えを構築した型)のスタジオとして「独立」させることができないか、ということです。

 

 

ジムについてもトレーニングマシンがずらりと並んでいるだけ(特に有酸素系)のケースを多く見ますが、並べ方や運動の仕方、ジムトレーナーの働き方やジムの環境整備をゼロベースで見直すことで新業態・フォーマット開発につながるかもしれません。

 

 

スタジオとはこうである、ジムとはこうである、という常識はこの際一切忘れて、対象顧客の立場から、利用しやすく、品揃えが豊富で、複数の運動を組合せることができ、楽しさを実感できるジム・スタジオ、あるいは総合型クラブに再編集してみる。

 

 

1つ1つの商品力を高めることは重要ですが、それは同業他社も熱心に取り組んでいるので差別化や独自化が難しい。しかし、「売り方」「提供の仕方」に工夫を凝らせば、差別化や独自化がしやすくなります。

 

 

業種や業界に関係なく、身の回りの商品やサービスで売れているものに注目し、それらがなぜ売れているのかを調べて自社(自分)に取り入れるのは、ビジネスを成功させている企業や個人が得意とする手法の1つと言えます。

 

 

あなたの会社でもそうした取り組みが行われているでしょうか。

 

 

 

それでは次号をお楽しみに!