会員獲得と会員との絆づくりのための低コストマーケティングツール | 「サクセス」by田村真二

会員獲得と会員との絆づくりのための低コストマーケティングツール

 

こんにちは。田村真二です。

 

 

スポーツの秋だからでしょうか? 今月に入り、嬉しいことにクライアント先のいくつかのフィットネス企業から、「入会が好調です」とメールをいただくのは。

 

 

入会者が増えると経営面のみならず、心理的にも安心できる人が多くいるようです。ですが、入会者が増えたからといって喜んでばかりはいられません。

 

 

なぜなら一般的なフィットネス施設では、入会後1年以内で退会してしまう会員が3~4割もいますから。

 

 

深刻な人口減少や競合が増え続ける中、退会を止め、会員一人一人が継続してクラブライフを楽しんでくれる経営・運営をしなければ、明日がないことを認識する必要があります。

 

 

一般に、来館回数が1カ月に2回以下の「低来館者」や、同0回の「0来館者」は退会予備軍となり、放置しておくと退会しやすいのは、業界内では周知の事実です。

 

 

フィットネス参加率が日本の3~5倍もある競争の激しい欧米優良フィットネス企業では、規模の大小に関わらず、低来館者や0来館者になる「前後」の予防対策を行うことが常識になっています。

 

 

たとえばその1つに、会員獲得から会員との絆づくりのための、今では古典的ともいえる低料金(あるいは無料)のマーケティングツールの活用があります。

 

 

 

悪質広告23億件、グーグルが削除

 

 

欧米優良フィットネス企業の多くが会員との絆づくりに活用しているマーケティングツールの話をする前に、アメリカのネットに関する近年のダークサイド情報をお伝えします。

 

 

日本経済新聞によれば、米グーグルは詐欺に関係するなど同社の規約に違反する悪質なネット広告を2018年に23億件削除したと発表しました。

 

 

17年(約32億件)に比べると削除件数は減ったものの、16年(約17億件)からは増えており、悪質な広告は手口を多様化し、摘発はいたちごっこの状態が続いています。

 

 

たとえば、保釈金を用立てする資金支援や麻薬中毒の低額リハビリなどをうたいつつ、実際は社会的弱者から多額のお金を奪う組織の広告。また、チケットの転売や仮想通貨がからんだ詐欺広告も多いとされています。

 

 

さらに、広告費を企業から不正に抜き取る高度な詐欺も発覚していますから、ネット上には個人・企業を問わず、至る所にリスクが潜んでいるというわけです。

 

 

昨年3月に発覚した約8700万人分におよぶフェイスブックの個人情報流出問題では、データ共有先だった英コンサルティング会社を通じて情報が拡散されたとあり、その後の調査から米司法長官が12月、同社を訴えたことを発表しました。

 

 

この先フェイスブックがどうなるかは別にして、フェイスブック(やその他のソーシャルメディア)を利用している個人(あなたや私のこと)も企業も、ネット上には「重大なリスク」が潜んでいることを忘れてはなりません。

 

 

 

アメリカの新興メディア、一斉に人員削減

 

 

日経MJによれば、今年1月、ハフポスト、バズフィード、ヴァイス・メディアなど、アメリカの元気印の新興メディア企業が一斉に人員削減を発表したとのことです。

 

 

背景には、デジタル広告の市場自体は成長を続けていますが、成長を多くの新興メディア企業が享受できないほどの寡占化が進んだことが挙げられています。

 

 

実際、市場調査会社のイーマーケターによれば、18年の米デジタル広告市場の約6割をグーグルとフェイスブックの(たった)2社が占めたもようだと指摘しています。

 

 

デジタル広告市場は大手2社に寡占化されている上、そこにはプライバシーが優先されていない、ネット上には悪質広告や詐欺が蔓延されていることなどから、米国の消費者の多くがメディアによる2次的な情報を信用しなくなりつつあるようです。

 

 

そう言えば、今年3月に訪問した米国フィットネス業界最大イベントのIHRSAコンベンション基調講演の1つは、Rohit Bhargava氏の「Be More Trusted in a Skeptical World」(「懐疑的な世の中で、信頼されるには」)でした。

 

 

 

これまで以上に信頼を築くことが困難な時代に、いかにして顧客からの信頼を得るかについての解説と事例紹介

 

 

今後フィットネス企業各社は、今まで以上に、潜在客や見込み客、会員からの信頼を得るかどうかが、ビジネス成功のカギとなるのは間違いないでしょう。

 

 

現在取り入れているビジネスモデルとマーケティング、オペレーションが、潜在客や見込み客、会員からの信頼を得られるものと整合しているのか、諸要素がこれからも持続的成長につながるかについて、改めて自問する機会を持ってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

米国でメルマガ・ルネサンスが起きている

 

 

こうした時代に米国メディア界で「救世主」と期待を集めているのが、企業が直接発行する「メールマガジン(メルマガ)」です。

 

 

今さら、あのメルマガ?嘘でしょう? と首をかしげる人もいるかもしれませんが、そう、あのメ・ル・マ・ガです。

 

 

日経MJ連載「先読みウェブワールド」(藤村厚夫氏)によれば、昨年、「シカゴ・トリビューン」など米国の大手地方紙3紙が、研究機関と協力して各紙電子版の読者行動データの詳細な研究を発表しました。

 

 

電子版読者を定着させるためカギは、読者の「習慣化された行動」にあり、そのための最大の施策がメルマガだと研究者は結論づけたとあります。

 

 

確かに、毎日や毎週定期的に受信箱に届くメルマガは、読者の閲覧を習慣化するのにぴったりで、忙しい現代の消費者にとってもメリットがあります。その意味で、まさに「メルマガ・ルネサンス」なのです。

 

 

今どき日本でメルマガと聞くと、スパムメールばかりで嫌だとか(私もスパムメールには毎日うんざり)、コミュニケーションにはSNSを使っていますという人が多くいます(注:日本ではメルマガに加え、顧客層によってはLINEメールもメルマガと同様の効果有)

 

 

ですが、日本以上にネット活用が進んでいる米国では、強力な支持層をつかんでいる企業は今、メルマガの充実化を推し進めています

 

 

たとえば、今年3月に訪問した米国フィットネス企業でも数カ所で「メルマガを会員定着ツールとして活用しています」、「季節プロモーションにメルマガを活用しています」と話していました。

 

 

IHRSA特別セッションの1つ「The Member Experience It's Your Competitive Edge(メンバーの体験価値が競争力になる)」(講師は元パーソナルトレーナーでStevenson FitnessのオーナーChris Stevenson氏)では、次のような発表がありました。

 

 

「未来館者向けEメールとしては、『7日間未来館者用』『14日間未来館者用』『21日間未来館者用』を自動配信しています」。

 

 

これらはMA(マーケティングオートメーション)を使った手法の1つです。MAとは、顧客一人ひとりの状況や興味関心に応じたコミュニケーションを実現することで潜在客や見込み客、顧客との関係を構築することができるインターネットプラットフォームのこと。

 

 

日本のフィットネス企業ではまだ一部にしか導入されていませんが、すでに米国フィットネス企業では「常識」になっています。その内容を知れば、「えっ、自動でそんなことまでできてしまうの?」と驚く人もいるかもしれません。

 

 

さて、もうおわかりだと思いますが、会員獲得と会員との絆づくりのための低コストマーケティングツールとはメルマガ、つまり「Eメール」のことです。

 

 

 

田村も起業直後からメルマガを活用しています

 

 

私も起業直後からこれまで12年間、Eメールを使ったメルマガを週1回以上発行しています。その効果は絶大で、3年、5年、7年以上会うことのなかった読者の方からセミナーのご参加、コンサルティングの相談や依頼をいただくことがよくあります。

 

 

もしメルマガを発行していなかったとしたらとうの昔に忘れ去られていたでしょうし、二度と会うことさえなかったかもしれません。もちろんメルマガは絶対的なものではありませんが、「つながり続ける」ための効果的なツールであることは間違いありません。

 

 

私はメルマガの他に紙のニュースレターも毎月(主に)クライアント向けに郵送しています。さすがに紙だと「毎週」や「必要の都度」というわけには(コスト的にもタイミング的にも)難しいですが、メルマガなら毎日でも、いつでも必要なときに送信できます。

 

 

メルマガとともに顧客リレーションシップに活用している紙のニュースレター

 

 

メルマガはブログなどと違い「この記事いかがですか」とこちらから相手先にメールで訪問できますから、見てくれる・読んでくれる可能性も高まります(ただしスパムに間違えられるような売りこみ一辺倒のメルマガは解除されるかスルーされる可能性が高い)。

 

 

さらに、メルマガは個人宛にも一斉あるいは特定先へ配信ができますから、こんなに便利なツールは(少なくとも私にとっては)他にありません。

 

 

最先端で便利なネットサービスがいくつも生まれる米国で今、メルマガ・ルネサンスが起きている理由も理解できます。結局のところ、昔ながらのメルマガ活用こそが、投資効果の最大化につながる最強のマーケティングツールだからです。

 

 

あなたの会社ではメルマガやEメールの活用はできていますか?

 

 

 

それでは次号をお楽しみに!