男性専用フィットネスジム「メンズ・カーブス」で新市場を開拓 | 「サクセス」by田村真二

男性専用フィットネスジム「メンズ・カーブス」で新市場を開拓

 

こんにちは。田村真二です。

 

 

日本の夏は高温多湿。特に今年は、梅雨明け直後から最高気温35~39度、湿度60%前後という地域も少なくありません。

 

 

実はこれ。大量の汗をかきながらヨガを行う、ホットヨガスタジオの温度と湿度とほぼ同じ状態です。つまり、1時間のヨガレッスン中に水1ℓ程は必要になる「非日常的な環境」だということです。

 

 

政府広報オンラインによれば、「熱中症には予防が大切!」ということで、日常生活では以下7つの予防ガイドラインを挙げています。

 

 

①暑さを(できるだけ)避ける

②服装を工夫する

③こまめに水分を補給する

④急に暑くなる日に注意する

⑤暑さに備えた体づくりをする

⑥個人の条件を考慮する

⑦集団活動の場ではお互いに配慮する

 

 

⑤の「暑さに備えた体づくり」という点では、日頃から運動を行い、汗をかく習慣を身につけておくと、夏の暑さにも対抗しやすくなり、熱中症にもなりにくくなるとのことです。

 

 

運動(フィットネス)は熱中症対策にも効果的、ということですね。

 

 

フィットネスサービスを提供するすべての企業は、人々が病気にかからず介護も要らず、いつまでも健康で過ごせる人生の実現のために、運動習慣を身につけることと場所の提供という点で、価値ある社会貢献取組みといえるでしょう。

 

 

とはいえ、日本の民間フィットネス参加率はわずか4%と低く、パイの拡大につながるフィットネスの新たなビジネスモデルの創造が期待されています。

 

 

そうした中、国内会員数・店舗数ナンバー1のカーブスジャパンは、2018年11月13日に男性専用フィットネスジム「メンズ・カーブス」1号店(長野県・茅野市)を展開。会員数は開業5カ月で340名、黒字化を実現。現在は400名を超え順調に推移しています。

 

 

 

女性専用フィットネスで会員数・店舗数国内ナンバー1

 

 

2005年に創業したカーブスジャパンは、2019年5月末時点で全国に1965店、会員数82.3万人、1店当たりの平均会員数は420人。フィットネスの売上規模では業界6位ですが、店舗数・会員数では国内でナンバー1となっています(下図1・2参照)。

 

 

図1

 

 

図2

 

 

図3

 

 

なお、カーブスの売上はFCロイヤリティ収入ベースのため、店舗の年商でみると、現在は(推定)700億円前後で、実質的には業界トップクラスとなっています(図4参照)。

 

 

図4

 

 

 

既存のフィットネスとは違った顧客を対象に成長

 

 

カーブスは既存のフィットネス企業とは全く違ったサービスシステム(女性専用30分フィットネス)で、従来とは違う顧客層(フィットネス未経験者の中高年女性)を開拓。FC出店を主体(直営店も経営)に創業以来、右肩上がりの成長を続けています。

 

 

かつて、カーブスの成功を目の当たりにした既存プレイヤーの多くは、カーブスを真似した業態(30分サーキットフィットネス)を既存施設内外で展開しましたが、そのほとんどが数年で消滅しました。

 

 

私が思うには、運動習慣のない(中高年)女性たちに、その必要性と大切さの理解に努め、運動習慣を身につけるように導くという点において、カーブスは、(チャンスを求めるだけの)その他大勢とは根本的に違っていたのだと思います。

 

 

 

カーブス業態、2200店・100万人を目指す

 

 

カーブスはフィットネス未経験者の女性層を新規に取り囲んできたため、同業他社とは顧客ターゲットが異なり、競合の影響をほとんど受けていないところも強みの1つです。

 

 

同社発表によれば、2019年5月末時点で全国に1965店のカーブスは2200店、会員数100万人を目指していくといいます。

 

 

50歳以上の女性は2019年2月時点で国内に約3215万人おり、カーブスの会員はまだ83万人(在籍者に占める50歳以上の会員比率は90%以上)ですから、今後とも顧客を深堀りすれば100万人超えが見えてくるでしょう。

 

 

とはいえ出店数は2011年8月期の174店に対し、2018年8月期は89店とペースが落ちてきており、かつ全国に店舗網が拡大していることから、今後カーブスの出店ペースは緩やかになると見込まれます。

 

 

一方で、カーブス加盟店の出店意欲は高いと聞きます。理由は明白。既存店が好調で儲かっているため、もっと出店したいというオーナーが多くいるためです。

 

 

なお、1店当たりの損益分岐点会員は300~350人(2019年5月末時点同会員数420名)のため、ほとんどの店は黒字化しているといえます。

 

 

FC加盟店オーナー数は約450。つまり、1人(または1社)で2店以上出店している人がおり、中には二桁(10店以上)出店しているオーナーもいるといいます。

 

 

フィットネス業界はもちろん、日本のサービス業界でもトップクラスのチェーン店舗数を有するカーブスは、FC経営者にとっても魅力ある事業の1つといえるでしょう。

 

 

 

男性専用フィットネスジム「メンズ・カーブス」で新市場開拓

 

 

カーブスジャパンは2018年11月13日長野県茅野市にて、同社初となる男性向けのカーブス「メンズ・カーブス」を試験的に出店しました。

 

 

この地域には3店舗のカーブスがあり、約2千名いる女性会員からは、「夫にも運動をしてほしい」「カーブスのように手軽に運動できる場所があれば夫も運動できるのに」という声が多くあったといいます。

 

 

こうした要望を受ける形で、男性向け施設を試験的に開設したところ、前述の通り会員数は5カ月で340名(黒字化)、現在は400名を超え順調に推移しています。

 

 

私も今月2日に同店(メンズ・カーブスオギノ茅野)を訪問見学しました。最寄りのJR茅野駅から1kmほどにあるオギノ茅野ショッピングセンターの1階には女性専用のカーブス、同2階にメンズ・カーブスが入店しています。

 

 

 

 

 

メンズ・カーブスはカーブスと同じく、有酸素運動や筋力トレーニングを含む30分の手軽なプログラムを提供。店舗面積は約160㎡(約48坪)。マシン12台、ステップ12台を交互に並べ円形に設置、簡易更衣室、ロッカーを設置しています。

 

 

営業時間は、月・水11時から13時/15時から20時、火・金・土10時から13時/15時から19時。休業日は木・日・祝日。

 

 

入会金は15000円ですが、体験入会後は5000円で入ることができます。カーブスと同様、月会費は1年契約であれば月額5700円、月契約であれば6700円です(いずれも税別)。

 

 

私が訪問した11時には60代、70代を中心に10数名が運動をしていました。見た感じはカーブス同様、従来型のフィットネス未参加者がほとんど。なお、会員構成比は1位60代、2位70代、3位50代、4位40代。最高年齢は88歳で最年少は23歳です。

 

 

同社では「1号店の利用状況を見て、多店舗展開を検討する」としていますが、今後は年内に「もう1店出店」して、運営ノウハウの構築に取り組むとのことです。

 

 

なお、メンズ・カーブスの課題はカーブスよりも「退会率が高い」とのこと。この点が解消できれば(カーブス同様)多店舗展開が一気に行われる可能性があります。

 

 

といいますのも、私はカーブスとメンズ・カーブスのシナジー効果は大きいと見ており、メンズ・カーブスのFC展開が始まれば、(運営ノウハウを有する)既存のカーブスオーナーが手を挙げるに違いないと思うからです。

 

 

そうなれば、健康意識はあるけど運動意欲はあまりないという中高年男性市場を新たに開拓することが可能になります。

 

 

さらにその先には、日本の1965店を含めて、世界の約4000店をフランチャイジーとするカーブス・ジャパン(18年3月に米国のカーブスインターナショナルの全株を取得、子会社化した)は、日本で培った成功モデルを世界市場に展開拡大を図ることも可能になる、という新たな収益機会を(すでに)手に入れています。

 

 

 

既存企業の課題は、自ら新市場開拓に取り組むこと

 

 

以上、カーブスおよびメンズ・カーブスについての状況をレポートしましたが、参考になりましたでしょうか。ところで、なぜ本日私はカーブスについてレポートしたのか?

 

 

ここ数年、「他のフィットネスクラブの会員証を持参した方には入会特別特典あり」とか、「24時間ジムが流行っているから当社も(新業態として)行う、既存の総合クラブのジムゾーンだけ24時間営業を行う」という企業が増えました。

 

 

否定するつもりはありませんが、それらは「同質化」という落とし穴に自ら落ちるようなものだと私は思います(なお、24時間ジム業態は現在価格競争に突入し始めています)。

 

 

日本のフィットネス市場はまだまだ伸びしろが大きいため、既存企業の課題は、4%の既存市場で会員を奪い合うのではなく、残り96%の市場に目を向け自ら新市場開拓に取り組むことではないでしょうか。

 

 

カーブスは当初、未開拓であったフィットネス未参加者の中高年女性市場を開拓しました。昨今は、既存女性会員の要望を受け、男性向けの運動施設を試験的に開設。

 

 

実質的に業界トップ企業でありながら、新市場開拓に果敢に取り組んでいるのです。私はそうした取り組みについて、本当に立派だと思いますし感動すら覚えます。

 

 

近い将来、日本のフィットネス市場には「低価格業態」が台頭すると私は見ていますが、アメリカ市場を中心にヨーロッパでも急成長した低価格業態が普及すれば、既存企業の多くは(欧米同様)ダメージを受けるでしょう。

 

 

ですが、新市場を開拓する、新たな需要創造に取り組む企業にとっては、それらは脅威ではなく「フィットネス参加者拡大」のチャンスとなります。一方で、同業他社と横並びの施策を続ける企業、現状維持型の企業にとっては「企業存続の危機」となるでしょう。

 

 

あなたの会社は前者のような需要創造型企業ですか、それとも後者のような現状維持型企業でしょうか?

 

 

 

それでは次号をお楽しみに!

 

 

追伸。需要創造型企業になりたいけど、何から手をつけたらいいかわからない方には、こちらのプログラムをお勧めします。

 

●フィットネスビジネス・インパクト『儲かるフィットネス事業構築の仕組みづくり』 

http://www.wellness-biz.jp/service