同質化を避ける「独自のポジショニング戦略」 | 「サクセス」by田村真二

同質化を避ける「独自のポジショニング戦略」

 

こんにちは。田村真二です。

 

 

先日、フィットネスクラブを全国展開している企業の方から、「会員数が増えずに困っています」というご相談をいただきました。

 

 

内容詳細をお伝えすることはできませんが、新興企業の積極的な出店などにより、フィットネス業界の市場規模が過去最高を更新する一方で、同様の悩みを抱える企業が増えているようです。

 

 

だからなのかもしれません。最近、フィットネス新規会員募集広告で、携帯電話の広告に見られる「のりかえ割」(他クラブの会員カードを持参すると割引特典が受けられる)特典をよく目にするようになりました。

 

 

私はこの状態を、「自らレッドオーシャン市場に飛び込むようなもの」と言っています。

 

 

ビジネスにとってもっとも恐ろしいことの1つは、「陳腐な存在」になること。つまり、自ら進んで同質化する、ということです。

 

 

その逆に、もっとも素晴らしいことの1つは、見込み客や顧客(や同業者)からも憧れる「独自のポジション」、興味や関心を持ち続けられる「特別な存在」になることです。

 

 

 

84% VS 4%

 

 

総務省「平成30年版情報通信白書」によれば、個人におけるモバイル端末(スマホ・携帯電話・PHS)保有率は84%(2017年)。

 

 

 

 

一方で、日本のフィットネス参加率は4%(2018年)。言い換えれば、96%は未参加市場なわけです。

 

 

「のりかえ割」というのは、個人の8割強普及しているモバイル通信企業ならわかります。しかし、わずか4%の参加率市場におけるそれは、自らレッドオーシャン市場の真っただ中に飛び込むようなもの、つまり、同質化そのものだということです。

 

 

勢いのある新興企業ならこんなことはしません(仮に行うとしたら、勢いがなくなってきていると見てまず間違いありません)。

 

 

とはいえ、施設やトレーニング機器、商品やサービスはもちろん、デザイン、品質、接客応対、利便性や利用し続ける価値、安定供給など、ビジネスを差別化・独自化することはどんどん難しい時代になってきているのも確かです。

 

 

また、フィットネスのライバルはかならずしもフィットネス業界だけではありませんから、業界「外」のライバルたちとの競争も避けられません。

 

 

このように多すぎるライバルすべてから、どうすれば自社を差別化・独自化できるのでしょうか?

 

 

 

独自のポジショニング戦略

 

 

対策の1つは、見込み客や顧客から「信頼できる権威」として自社のポジションを確立することです。いくつか例を挙げます。

 

 

●フィットネスクラブでの例

 

入会手続きを終えた直後の新規入会者が、「一人では続けられるかどうか不安」と思っていることを担当スタッフが知っていて、その不安をいち早く解消できるアドバイスや商品提案を行う。

 

 

このような「ささいで重要なこと」は、信頼を得る上で不可欠なものですし、売上・利益増にもつながるチャンスでもあります。

 

 

●クリニック医師の例

 

アメリカでクリニックの医師をしているマイケル医師のオフィスは、普通のオフィスとはまったく違っています。

 

 

そこは、ザ・リッツカールトン・ホテルのような内装で、どこを見てもマイケル医師の信用を高める「権威構築」ツールが置かれています。

 

 

例えば、彼自身の著書を始め、彼を特集した雑誌の「彼の」ページを開いた状態で設置されているのです。

 

 

また、診療スペースとは別の場所には、彼がノートルダム大学のフィットボールチームでプレーしていたころの写真が飾られています。つまり、彼は持てる限りの資産を賢く使って権威を高めているのです。

 

 

本の著者であることやフットボールプレーヤーだったことは、優れた医師である証明にはなりません。でも、そんなことは患者に言う必要はないのです。

 

 

同質化や競争を避け、自分の知名度を高めるためには、「私という人間はこういう人間です」ということを証明できる要素をいくつも活用すること自体が重要だからです。

 

 

●コーチング&カウンセリングビジネスの例

 

アメリカで歯科医向けの素晴らしいコーチング&カウンセリングビジネスを行っている男性は、ライバルとは一風変わったことで権威をつくっています。

 

 

彼のオフィスには、彼と嬉しそうな顔をしたクライアントが一緒に写った写真を壁一面に飾っています。

 

 

その笑顔から、クライアントが彼の仕事に満足していることが分かり、彼は権威あるヒーローのように見られています。

 

 

彼のオフィスでは、「社会的証明」が目に見える形で提示され、オフィスを訪れた誰の目にも留まるようになっています(これはどの会社でも、個人でもできることです)。

 

 

 

顧客に満足してもらったときには、一緒に写真を撮らせてもらいましょう。そして、(許可をとった上で)見込み客や顧客の目につくところで露出度を増やし、あなたやあなたの会社の権威を高めてください。

 

 

いずれも、自社(や自分)が陳腐な存在になることを拒み、顧客や見込み客にとってもっとも魅力的、かつ、独自な存在になる努力を行い、そこから大きな利益を得ています。

 

 

あなたの会社では、見込み客や顧客から(やライバルからも)憧れるポジション、信頼できる権威」として自社のポジションを確立することに努力していますか? それとも、同業他社の動向を気にし過ぎて、自ら同質化のワナにはまってしまっているでしょうか?

 

 

 

それでは次号をお楽しみに!