人口減少・競争時代のフィットネスクラブ新価格戦略 | 「サクセス」by田村真二
2019-06-04

人口減少・競争時代のフィットネスクラブ新価格戦略

テーマ:フィットネスクラブ

 

こんにちは。田村真二です。

 

 

 

「少子高齢化」「人口減少」と言われて久しい日本。

 

 

総務省統計局によれば日本人の人口は、2008年(リーマンショックの年)から11年連続で減り続けています。そこで1つクイズです。

 

 

昨(2018)年の1年間に、日本人の人口はどれだけ減ったでしょうか?

 

 

次の3つの中から正解をお選びください(答えは後程お伝えします)

 

 

1.24万8千人(神奈川県茅ヶ崎市よりも多く、埼玉県草加市と同等)

 

2.34万8千人(埼玉県所沢市よりも多く、大阪府高槻市と同等)

 

3.44万8千人(愛知県豊田市よりも多く、兵庫県尼崎市と同等)

 

 

参考:鳥取県約56万人/島根県約68万人/高知県約71万人

 

 

人口減少が続く中、医療費高騰や高齢化などの社会課題のソリューションとして今、フィットネスに注目が集まっています。業界では新興企業の参入などにより、日本のフィットネス市場はここ数年右肩上がりで成長しています。

 

 

一方で、10年、20年、あるいはそれ以上前からフィットネスビジネスに取り組んでいる既存プレイヤーは、人口減少に加えて競合増により、厳しい経営を余儀なくされているところも少なくありません。

 

 

更に本年以降、(私が以前から指摘している)「格安フィットネス業態の本格的成長」が見込まれるなど、フィットネス業界は「競合」から(生死をかけた)「競争」段階へとステージが変わりつつあります。

 

 

そこで本日は、価格をテーマに取り上げ「人口減少・競争時代のフィットネスクラブ新価格戦略」についてお伝えします。既存フィットネスプレイヤーの皆様方はもちろん、新規参入をお考えの方にとりましても必須の内容ですので、どうぞお見逃しなく。

 

 

※クイズの答えは、3の44万8千人(鳥取県人口の約8割が昨年1年間で減少)。

 

 

 

成長を続ける日本のフィットネスクラブ市場

 

 

 

 

上の図を見ていただくと、日本のフィットネスクラブ市場が右肩上がりの成長を続けていることが一目瞭然です。

 

 

好調要因としては、(コナミスポーツを除く)業界大手企業の堅調さに加えて、エニタイムフィットネスを始めとした24時間ジム、カーブス、ホットヨガ、暗闇フィットネス、サイクルスタジオなどの新興企業の伸びが挙げられます。

 

 

「病気を予防し、より健康になりたい、いつも元気でありたい」。

 

 

こうした欲求とニーズは、すでに私たちの生活における様々な選択~衣・食・住・遊を含めたライフスタイル全体~を大きく左右していると言えるでしょう。

 

 

特に、中高齢者の健康志向には目を見張るものがあります。例えば、国内会員数ナンバーワン「カーブス」(店舗数2千店弱会員数約85万人)の50歳以上の会員比率は85%を超えています。

 

 

フィットネス大手企業数社の2019年3月期決算発表資料によれば、「大人会員の平均年齢が50歳を超えている」企業は珍しくありません(例:セントラルスポーツの大人会員の平均年齢は53.4歳)。

 

 

一方で、会員数がほぼ横ばいであることから20代、30代の会員は減っており、この年代層については専門特化型ジム・スタジオを始め、フィットネス業界以外のビジネスに顧客を奪われていることがうかがえます。

 

 

 

月会費3千円以下の格安お手頃ジムが急成長

 

 

話しは変わりますが先週、メールの受信箱に「スポーツクラブアクトスWill_G6月1日4店舗同時オープン」という記事が届きました(フィットネスビジネス編集部「FB速報」より)。

 

 

株式会社アクトスが直営・FC展開中のアクトスWill_Gの施設規模は150~300坪程度の中型店で、ジムオンリーのクラブです。

 

 

最大の特長は、月会費2700円(税別)と低価格ながら営業時間内であればいつでも好きな時に何回でも利用が可能で、24時間ジムと異なりスタッフが常駐し、運動初心者の方も安心して利用できることです。

 

 

月会費2700円(税別)の低価格が売りのアクトスWill_Gチラシ

 

 

すでに店舗数は100軒を超え、3桁規模でチェーン展開中。FC展開も加速し始めており、今後さらに店舗数・会員数の拡大が見込まれます。

 

 

月会費3千円以下の格安ジムはアクトスWill_G以外にも、月会費2980円で家族3名まで利用可の「FIT365」も今秋までの出店を含めて全国に約30店舗と拡大中。

 

 

また、24時間ジム業態は、キャンペーン価格ながら月会費5980円の「ワールド+ジム」、月会費5千円の24時間ジムのように、従来よりも2~3割価格の安い店舗が増えつつあります。

 

 

 

世界のフィットネス売上高ナンバーワンは月会費10ドルで有名な「Planet Fitness」

 

 

 

 

 

世界を見渡せば、2017年世界のフィットネス市場の売上高トップは、2位以下を大きく引き離して年商2300百万ドル(約2530億円)を売り上げたPlanet Fitness」。

 

 

ブログで何度も紹介していますが、プラネット・フィットネスの最大の特長は「月会費10ドル」(他に22.99ドルのブラックカード会員有)の激安ジムで、大量の会員を集めている点。しかし、ジムエリアだけをみれば日本の一般的な総合クラブにひけをとりません。

 

 

決して、安かろう悪かろうのジムではありません(私も会員として利用していますが、コスパの高さを実感しています)。

 

 

顧客の絶大な支持を集め、今や会員数は1千万人を超える(1060万人)ケタ外れのスケール。つまり、プラネット・フィットネスたった1社で、オール・ジャパン・フィットネス(日本のフィットネス企業すべて)の約2.3倍もの会員がいるということです。

 

 

 

会費は安いが株価は右肩上がりが続くプラネット・フィットネスの株価推移

 

 

現在業績絶好調中のプラネット・フィットネスに、もはや死角はないのでしょうか。

 

 

実は、アメリカではプラネット・フィットネスに価格とサービスの両面で対抗する企業も現れており、価格競争の行きつく先は「1ドル」や「無料」で大量の会員を集客して、特別会員や会員外収入(広告収入など)を主たる収入とするビジネスモデルが登場するかもしれません。

 

 

クリス・アンダーソン著書『FREE(フリー)』にある「フリーミアム」(一部の有料顧客が他の顧客の無料分を負担する)のフィットネス版が現れるのもそう遠くはないかもしれません(注:同書には、条件付きで会費が無料になるスポーツジムの例が記載されている)。

 

 

日本のフィットネス月会費平均(8千円台)はアメリカの約2倍と高く(注:店舗数はアメリカの約3万9千店に対し日本は5千店台と少ない)、今後は小売業や飲食業などと同様フィットネスでも「低価格業態」が躍進する可能性は十分あると私は見ています。

 

 

とはいっても、低価格で生き残る企業はほんのわずかしかないとなれば、この競争にこれから新規参入する企業は、(プラネット・フィットネスのように)圧倒的な規模のスケールと(FC展開による)店舗拡大のスピードが必須となるでしょう。

 

 

一方で、誰もが(セルフサービス主体の)低価格フィットネスを求めているわけではありません。個々人の欲求やニーズに丁寧に対応したサービスを求める一方で、相応の料金を払う人もいます。

 

 

 

ライザップ、わずか7年で売上高413億円

 

 

実際、2ヶ月で理想の体重・体型を目標にマンツーマンのサービスを提供するライザップは、40万円近い高額料金ですが累計会員数はすでに13万人を突破しました。

 

 

同社19年3月期の売上高は413億円と前期比26%増、営業利益は17年3月期と比べて3.5倍に増加しています。

 

 

国内フィットネス業界の売上高順位は1位コナミスポーツ、2位セントラルスポーツ、3位ルネサンスに次いで同社は現在第4位。2012年2月の1号店オープンからわずか7年ほどで売上高400億円を突破し、3位以内が射程距離に入っています。

 

 

デフレで高額商品が売れないどころか、ライザップは需要を開拓して拡大成長させた好事例と言えるでしょう。

 

 

ちなみに業界ではライザップの成功にあやかろうと、2~3ヶ月のマンツーマン指導でライザップよりも若干安い価格でサービスを提供する企業がいくつも現れましたが、ライザップに肩を並べるほどの企業は1社もありません。

 

 

アクトスWill_Gのような低価格業態や高額商品を販売するライザップ、24時間ジムや特定の顧客層を対象とした小規模専門特化型フィットネスなどが躍進する一方で、従来の総合型クラブやジム・スタジオ型クラブの多くは影が薄まっているように見えます。

 

 

実際、「会員数が減って困っています」「売上が減って困っています」「リニューアルしても会員数が増えません」「(会員数が減少する中)老朽化した施設をどうしたらいいか」とお悩みの多くはそうしたクラブです(当社にもよくご相談に来られます)。

 

 

そのような方に私がお伝えするのは、「自社の強みや売りの再構築。加えて、フィットネスクラブの売上を増やすのは会員数を増やすことだけではありません。客単価にも目を向けましょう」です。

 

 

 

標準月会費の2倍、3倍、5倍以上の会員種別を作って客単価大幅アップに成功!

 

 

例えば、開業20年目でピーク時の会員数は2500名。その後、競合クラブが増えた結果現在の会員数は2000名、月商2000万円(会員一人当たり単価1万円)のフィットネスクラブがあり、少なくとも毎月あと10%(200万円)増やす必要があるとします。

 

 

この場合、会員数を増やすことだけで200万円増やすには、会員数を200名増やす必要があります。会員が減り続ける中、200名増やすのは簡単ではありません。産卵のために、死ぬ気で川を上る鮭ほどの覚悟が必要でしょう。

 

 

そのため多くの経営者や店舗責任者は、真綿で首を絞めるがごとく、じわじわと行き詰ってしまうのです。

 

 

しかし、先ほど述べたように、フィットネスクラブの売上高は「会員数×客単価」です(他に会員外売上もあります)。

 

 

この公式に従えば、会員数は現状維持の2000名(月商2000万円)でも、客単価を10%上げることができれば月商200万円アップが実現できます。

 

 

客単価をアップさせるには様々な方法があります。例えば、一番簡単かつ早く実現可能な方法は「月会費の値上げ」です。実際、当社のクライアントの中には、コンサル開始から最短3ヶ月程で月会費10%(以上)の値上げを成功させた企業があります。

 

 

また、標準月会費の2倍、3倍、5倍以上の会員種別を作って客単価大幅アップに成功している(現在進行形です)企業もあります。「標準月会費の2倍、3倍、5倍以上って、いったいどんな種別でどうやって売るの?」と疑問に思う人もいるかもしれませんね。

 

 

でも、やりようによっては(よく)売れるんです。これが。単純な話、そうした単価の会員種別が売れないのは、そもそもそういった会員種別がないからです。

 

 

潜在顧客の欲求やニーズを汲み取り、商品化(需要創造)し、それに見合う価格をつけて、販売する。この仕組みを作って上手くサイクルを回せば、会員一人当たり単価は跳ね上がります。

 

 

信じられないかもしれませんが、一般的なフィットネスクラブでも月会費「10万円」「20万円」の商品を購入してくれる(ありがたい)お客様もいます。

 

 

もちろんそこに至るまでには、運営の軌道修正やビジネスモデルを変える必要があり、「簡単ラクラク実現!」ということではありません。

 

 

しかし、上手くいくまで粘り強くやり続ければ、独自のビジネスモデルを築くことができ、競合がほぼ皆無のブルーオーシャン市場でビジネスを行うことが可能です。

 

 

現在の国内フィットネス市場は右肩上がりの市場ではありますが、競合から競争段階へと新しいステージにある中、あなたは他社のモノマネに取り組みますか? それとも自社独自の需要創造、ブルーオーシャン市場の開拓に取り組みますか?

 

 

 

それでは次号をお楽しみに。

 

 

独自の強固なフィットネスビジネスを構築をするなら、このプログラムがお勧めです。 ⇒ http://www.wellness-biz.jp/service