会員制医療で生活習慣の改善を目指す米国発のベンチャー企業に学ぶ | 「サクセス」by田村真二
2019-04-09

会員制医療で生活習慣の改善を目指す米国発のベンチャー企業に学ぶ

テーマ:フィットネスクラブ

 

こんにちは。田村真二です。

 

 

新業態や新商品・サービスをゼロから開発するよりも、世の中ですでに人気のあるものを真似した方が成功率は高まります。

 

 

だからと言って、同じ業界でそうしたことをすればすぐに過当競争に入ることは必至(例えばフィットネス業界の「24時間ジム」が一部地域ですでにそうなっています)

 

 

そこで私のお勧めは、自社が属する業界から少しだけ離れた業界や、まったく異なる業界からアイデアを借用するというものです。

 

 

例えば、会員制医療で生活改善を目指す米国発のベンチャー企業の取り組みもその1つ。

 

 

この企業が提供しているサービス(の一部)を日本のフィットネス業界で提供すれば、顧客や同業他社からは「画期的なサービス」として受け止められることでしょう。

 

 

 

革新が進む米国の予防医療サービス

 

 

医療の未来というと、AI搭載のロボットによる手術などがイメージされますが、医療費が高い米国では「予防医療」の分野でもさまざまな革新が現在進んでいます。

 

 

その1つを手掛けているのが、2014年に創業した予防医療関連のベンチャー企業の「パセリヘルス社」です。

 

 

同社は月額150ドル(約1万7千円)の会員制で1年間に医師との面談、ヘルスコーチの面談をそれぞれ5回(計10回)行うほか、年中無休のテキストメッセージサービス、最新のバイオマーカー検査を提供しています。

 

 

 

 

 

サービス内容に応じて3種類の会員種別を用意している

 

 

 

慢性ストレスと生活習慣の改善を目指す予防医療サービス

 

 

同社の最大の特長は「包括的なアプローチ」により、現代人の万病のもとである慢性ストレスと生活習慣の改善を目指していることです。

 

 

そのため初回75分、2回目60分、3回目以降は30分と十分な時間をかけて患者の病歴やライフスタイル、遺伝情報などを細かく聞き取っています。

 

 

米国の一般的な病院では(日本でもそうですが)通常年1回定期健診を行いますが、長時間待たされて医師との面談は15分程度であることが多いのとは対照的です。

 

 

しかし同社の質問の中には「今の仕事に満足していますか?」「幼少期に不安な思いをしたことはありませんか?」など、通常医師が尋ねない質問も含まれています。

 

 

その後、診断結果に基づきヘルスコーチはフィットネスや瞑想のクラスを紹介し、食事や生活態度全般についてアドバイスを行います。

 

 

 

 

 

 

 

 

パセリヘルス社のサービスを利用して、年間計10回の面談と無制限のテキストメッセージ相談を行った結果、(同社のサービスを利用せず)放置して1年後に病状が悪化、という状況を避けることができるのは大きなメリットです。

 

 

(同社の会員数は非公開ながら)患者の約7割が女性で、平均年齢は36歳とのこと。症状の改善率は過敏性腸症候群で94%、更年期障害は92%、不眠症は80%、となかなかのものです(下図)。

 

 

 

 

 

 

サービスは健康保険適用外ですが、ストレスの多い生活でいつでも医師に相談できることを考えれば悪くはありません。

 

 

米国ではすでに、同社の他にも類似のサービス企業が複数登場し始めていることからも人気の高さがうかがえます。

 

 

 

患者に的確なアドバイスを行う「ヘルスコーチ」の存在

 

 

 

 

 

 

パセリヘルス社では、ヘルスコーチが(その人に合った)フィットネスや瞑想のクラスを紹介し、食事や生活態度全般についてアドバイスを行っています

 

 

この取り組みは、日本の一般的なフィットネスクラブなどで行われている入会オリエンテーションの参考になります。

 

 

なぜ多くのフィットネスクラブの入会オリエンテーションは、誰彼構わず画一的な対応をしてしまっているのか? と私は常々疑問に感じています。

 

 

フィットネスクラブの経験の有無を始め、体力の劣った方もそうでない方も誰彼構わず画一的に行うオリエンテーションでは、すぐに落ちこぼれてしまう人や、その反対に物足りなさを感じる人もいるでしょう(実際私はこれまで何度もそうした経験をしました)。

 

 

同社のヘルスコーチのように、入会者ごとに個人情報収集と(情報に基づいた)的確なアドバイスを行うことができれば、継続促進や(入会者の)目的達成にもつながりやすくなるでしょう。

 

 

もちろん中にはそうした対応をとっているところもあると思いますが、全体的にはまだ少数派だと言わざるを得ない状況です。

 

 

例えば入会直後のアンケートに「継続できるかどうか不安です」と記入した人に、初回利用で画一的なオリエンテーションを実施した後、二度とこなくなったという人もいます。

 

 

トレーニングマシンの利用説明を1度受けただけで、その後セルフ利用できる人が一体どれだけいるでしょうか?(利用方法がわからない場合はいつでもジムトレーナーに聞いてくださいと言われて、実際に聞ける人もどれだけいるでしょうか?)

 

 

 

入会者のレベルやニーズに合わせた会員種別を開発する

 

 

少なくとも入会初期段階においては、入会者一人一人に合った利用方法の説明やアドバイスを行う必要があります。

 

 

一見当たり前に聞こえることですが、このことが実際に現場で行われているフィットネスクラブははたしてどれだけあるでしょうか?

 

 

入会者の中には、もっとお金を払ってもいいからサポートして欲しい、という方もいるでしょうし、セルフで自由に使わせてほしいという人もいます。

 

 

パセリヘルス社でもサービス内容に応じて3種類の会員種別を用意していますが、私もコンサルティング先フィットネス施設のいくつかでは、会員のニーズに合わせた会員種別を(その企業に合わせて)作って提供しています。

 

 

その結果、一番人気の会員種別の2~5倍程の料金の会員種別を選ぶ入会者も少なくありません。

 

 

つまり、入会者のレベルやニーズに合わせた会員種別を作って販売することで、会員満足の向上と会費収入の増大を両立させることができるということです(からやらない手はありませんね)。

 

 

高齢社会にある日本のフィットネス市場では、健康な方だけを対象にしていては、今以上に市場は拡大しません。今後は病院に通うほどではないにしても、身体(や精神面)に何かしらの痛みや問題を抱えている人を対象とした商品・サービス開発が求められるでしょう。

 

 

その意味で、入会者(や見込み客)一人一人のレベルやニーズに合った商品やサービス開発ができるかどうかは、まさに会員獲得や継続に直結する重要課題と言えます。

 

(このことについてより具体的に知りたい方は こちら のプログラムをお勧めします)

 

 

 

それでは次号をお楽しみに!

 

 

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