会員数を増やさずに、スポーツジムの売上を増やす方法 | 「サクセス」by田村真二
2019-02-05

会員数を増やさずに、スポーツジムの売上を増やす方法

テーマ:フィットネスクラブ

 

こんにちは。田村真二です。

 

 

 

今から5~6年前に開催したセミナーの日のことです。

 

 

セミナーに参加された社長(関西方面でフィットネスクラブを経営)から、セミナー終了後にこんなお話を伺いました。

 

 

「近隣に競合クラブが出店して一時会員数が落ち込んだのですが、ようやく元の会員数に近づけることができました。ただ・・・」と少し間をおいてから、

 

 

「売上は以前より少なく、正直大変苦しんでいます・・・」という切実な話です。

 

 

私は社長に、「会員数が同じで売上が少ないということは、会員一人当たりの単価が落ちているということですね」と言いました。案の定、社長は次のように答えました。

 

 

「はい。対策として月会費の安い会員を作って募集したところ会員数は増えたのですが、安い会員だけが増えて売上はそれほど増えませんでした。弊社も今日のお話にあったことに真剣に取り組まなければと思いました」。

 

 

なぜ、数年も前の話をしているのか?

 

 

商圏内に同業他社の出店増を始め人口減少などの影響を受けて、既存の総合型クラブやジム・スタジオ型クラブなどが、当時以上に会員数を減らして困っているという話(ご相談)を最近よく見聞きするからです。

 

 

そうした企業や店舗の方に私がお勧めする売上アップの即効策は・・・

 

 

 

会員数第一主義の落とし穴

 

 

近年、日本のフィットネス市場全体はゆるやかに成長が続いていますが、要因の大半は新興企業の出店による成長です。

 

 

一方で、10年、20年、30年と営業を続けている企業や店舗の一部(あるいは多く)は、会員数や売上の減少に苦しんでいます。

 

 

その結果、どうやって会員数を増やせばいいのか‟ばかり”を考え続けてしまうという(私がいうところの)「落とし穴」にすっかりはまってしまっています。

 

 

例えば、会費の安い新会員種別を作って募集をする、総合型クラブのジムエリアだけを24時間営業にして(会費の安い)ジム会員を募集する、などです。

 

 

私はそのような取り組みを悪いことだとは思いません。ただ、そうした取り組みばかりを続けていると前述の社長のように、会員数は増えても売上はそれほど増えない可能性が高い、ということです。

 

 

ご存知の通り、会員制ビジネスにおける売上の要素は「会員数」と「客単価」です。つまり、ある月の売上高は(会員外売上を除けば)「会員数×客単価」になるということです。

 

 

このことを理解すれば、売上を増やすには会員数「だけ」に注目するのではなく、「客単価」にも目を向けることが(会員数と同様に)重要になる、ということがわかります。

 

 

この点を理解しておかないと、会員数を増やすことばかりに意識が向きすぎてしまって、会費の安い会員数を増やして全体の客単価を下げてしまい、会員数は増えても売上はそれほど増えないという悪循環にはまってしまうことになります。

 

 

それどころか、会費の安い会員ばかりを増やした結果、「会員数は増えたけど売上は逆に下がってしまった」なんていうことも起こりえます。

 

 

「そんなことは言われなくてもわかっています」と思う人もいるかもしれませんね。

 

 

でも、売上と会員数の減少に日々悩まされている経営者や店舗責任者にすれば、とにかく会員数を1人でも増やしたい一心で、客単価を「上げる」ことなど気にすることさえできない、という人も現実にはいます。

 

 

また、私の経験上、客単価を上げる取組みを行うのが「怖い」と感じる人も少なくありません。例えば私が、「会費を値上げしましょう」と提案すると黙り込んでしまう人や、「それは~ちょっと無理ですね」と尻込みしてしまう人のように。

 

 

 

客単価を上げるとはどういうことか?

 

 

客単価を上げるというのは、「会員一人あたりの支払額(=売上金額)を増やす」ということです。もし、会員数が同じで客単価が1割アップすれば、売上も1割アップします。

 

 

競合や競争状態にある現在のフィットネス市場で、会費値下げや低単価の会員種別を導入することなく会員数を1割アップさせる(例:会員数2,000人を2,200人にする)ことがどれだけ大変かは、プレイヤーの皆様でしたらおわかりだと思います。

 

 

だからでしょうか? 入会者を増やす(入会獲得)や退会者を減らす(退会削減・会員継続取組み)方法に興味や関心を示す人は多くいますが、客単価アップに興味や関心を示す人は(フィットネス業界には)あまりいません。

 

 

会員数を1割アップさせるのも客単価を1割アップさせるのも、どちらも売上は1割アップします。私の経験上、前者(会員数増)よりも後者(客単価アップ)の方がはるかに簡単、かつ、はるかに早く実現可能になります。

 

 

事例をいくつかご紹介します。

 

 

 

客単価を簡単にアップさせる方法(初級編)

 

 

ある総合型クラブでは、ナイト会員(月会費7,000円)に入会しようとしていた方に、スタッフから営業時間中いつでも利用できるレギュラー会員(同10,000円)の様々なメリットをわかりやすくお伝えしたところレギュラー会員でご入会いただきました。

 

 

月会費7,000円から10,000円ですから、この時点で客単価は42.9%アップです。

 

 

さらに、(入会者が主に会社帰りに利用するということを聞きだした)スタッフは、有料オプションのレンタルタオル(月額1,500円)とレンタルロッカー(同1,000円)を勧めたところどちらも契約してくれました。

 

 

月会費(10,000円)と2つのオプション(計2,500円)を合わせた合計金額は12,500円。当初のナイト会員(月額7,000円)に対して、客単価は実に78.6%もアップしたことになります。つまり、売上が月額で約1.8倍に増えたということです(下図参照)。

 

 

 

 

 

 

この2つの手法を「アップセリング」「クロスセリング」といいます。

 

 

見込み客や顧客にアップセリングやクロスセリングを無理やり売り込むことなく行えば、顧客満足向上と客単価アップに絶大な効果をもたらすことが可能になります。

 

 

アップセリングやクロスセリングのことを「知っている」という人はフィットネス業界にも多くいますが、実際にはあまり行われていないようです(もったいない!)。

 

 

言い換えれば、アップセリングとクロスセリングを日常業務として仕組み化することができれば、客単価、つまり売上を簡単にアップさせることが可能になるということです。

 

 

 

客単価を3倍、5倍、10倍、25倍にする方法(中上級編)

 

 

事例をもう1つ紹介します。正直、この方法は非常にパワフルです。私が開設に携わった都内のあるフィットネススタジオの話です(ここではスタジオAとしておきます)。

 

 

スタジオAでは、月会費を近隣の施設よりも高い5万円、3万円、2万円(当初は1.5万円)の「松・竹・梅」価格を設定して会員募集を行いました(現在も行っています)。

 

 

すると予想通り、真ん中の「3万円」を選ぶ人が一番多くいたのですが、月会費5万円の会員種別の入会者を増やすため(と客単価をさらにアップさせるため)に、「月会費10万円」の会員種別を新たに導入しました。

 

 

すると月会費5万円の会員が増えただけではなく、月額10万円の会員種別に入会する人が現れたのです。

 

 

この話を別の会社の経営者や経営幹部の方にしたところ、「月会費5万円や10万円などうちではとても無理です」と言っていました。まあ、私もそう言われるだろうと薄々は感じていましたけど。

 

 

なぜなら、一般的なフィットネス施設(業界平均の客単価は8千台)からすれば常識外の「高」価格ですし、スタジオAの開設時に松竹梅の価格設定を開設メンバーに提案したときにも同じような反応がありましたから。

 

 

本当に皆さん、業界や自社の常識にすっかり取りつかれてしまっていますからね。

 

 

でもちょっと考えてみて欲しいのです。100万円のクルマが販売されている一方で、1,000万円以上のクルマを喜んで買っている人たちがいるということを。

 

 

ジーンズでいえば、ユニクロの3,990円ジーンズが現在日本で一番売れている一方で、その10倍以上するジーンズを喜んで買っている人たちがいるということを。

 

 

なぜ1,000万円以上するクルマや数万円(や10万円以上)するジーンズが売れているのでしょうか?

 

・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・

 

 

答え。

 

 

「そうした価格の商品があるから」です、もちろん、売り方にも工夫は必要。ですが、まずは高単価の商品がなければ絶対に売れることはありません。

 

 

スタジオAでは当初、月会費10万円の商品は誰も買ってくれませんでした。なぜなら、そもそも月会費10万円の商品など「なかったから」です。

 

 

ちなみに私のクライアントの中には、月会費10万円どころか(会費とは別に)その倍の「月額20万円」を払っていただいている会員がいるスポーツジムもあります。

 

 

そのスポーツジムの一番人気の会員種別の月会費は7,700円ですから、月額20万円は、一番人気商品の「25倍」もの単価アップになります。

 

 

ある会員の客単価を3倍、5倍、10倍、25倍にすると、忙しさや大変さもそれに比例するかといえば、そんなことはありません。

 

 

実際、月額20万円のパーソナルサービスを提供しているスポーツジムでは、私がコンサルティングを行う前は「30分3,000円」のパーソナルトレーニングで、トレーナーは文字通り死ぬほど働いていました。

 

 

しかし今は、当時よりも働く時間は短縮し、収入は増え、昨年は海外に出張や旅行で5回も訪問していました。なので、この方法で客単価アップを実現できれば、働く時間が減っても生産性(利益率)は驚くほど高まります。

 

 

つまり客単価アップ取組みは、「顧客(個客)満足向上」と「生産性向上」に直結する「働き方改革」取り組みだということです。

 

 

客単価アップ取組みは、競合が増えて会員数が減ったからといって、安い会員種別を作って会員数を増やすといったこととは「真逆の戦略」です。

 

 

重要なことは、どちらがいい戦略なのかということではなく、自社の現状と将来を見据えて「どちらの戦略」を選択するか、ということです。

 

 

 

「客単価アップに真剣に取り組もう」とお考えの方へ

 

 

このブログを読んで、(会員数増取り組みだけではなく)客単価をアップさせることに真剣に取り組むという方にまず必要なことは何か?(絶対に必要なことが2つあります)

 

 

第一に、経営者や店舗責任者が率先垂範して顧客の悩みや痛みに目を向ける、顧客の夢や願望を実現するために価値を付加した商品開発に取り組む決意をすること。

 

 

第二に、それらに見合うだけの(高い)お金を請求することをためらわないというマインドセットを持つこと。

 

 

簡単ではありませんが、この2つを実現することができれば自社の現在の客単価を「2倍」にすること、つまり、会員数を増やさなくても「売上2倍」が可能になります。

 

 

 

 高単価商品を開発・販売して客単価アップに成功したスポーツジムの例

 

 

 

低収益状態や会員数の悩みから抜け出したいと真剣にお考えの方、停滞状態から抜け出して再成長を図りたい方という方はぜひ、今年は「客単価アップ」に取り組まれてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。次号をお楽しみに!

 

田村真二

 

 

客単価アップに真剣に取り組む方へお勧めのプログラムです。

http://www.wellness-biz.jp/service

 

 

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