【 専門家あれこれ 】

その自作銃、詳細がわかればわかるほど…その
計画性、(武器)開発力、対応(修正)力には驚かされる。少なくとも6種の、(試作)完成品があったというじゃないか?それぞれコンセプトが明快で、奴が想定した状況が読める。例えばこの銃器、命中率も殺傷能力も秀逸だろうが、秘匿性に欠ける。現場周辺に行く前に、職務質問でアウトだ。


もともと捨て身。実行後に逮捕されるのは覚悟。
だとすれば、秘匿性、命中率、殺傷能力のベストバランスで臨んだ、結果論だが現実だ。
とはいえ疑問はあった。

単発の銃弾だと、命中率はミニマム、奇跡の世界。
散弾式だと、多数の弾体のどれかは当たるが(弾体は散水ホースの水のように広がる。だから照準もアバウトでよい、だから照準器もナイ)殺傷能力は落ちる。
奴の工夫は、6個で1組の弾丸だ。分子構造のモデルをイメージすればよい。打ち上げ花火の構造を想像すれば近い。
しかし、少なくとも現代の実銃では見かけない。

残念だが、奴は
民間テロリストの専門家だと規定出来る。


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対する警備。
列記すればキリないほど貧弱でお粗末。

■奇襲は、意外性が全て
■相手の虚をつく

つまり対応するに、はマニュアルは邪魔。
前例は1度忘れて、イチから可能性を精査するしかない。警備陣からすれば、日常業務のイチ案件だったが、奴にしたら乾坤一擲の攻撃だった、それが全て。

戦史をみれば、(作戦)専門家は、素人の柔軟な発想に敗れた。その繰り返しだ。

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さて、「精神鑑定」
下手すれば奴は再度、社会に放たれる。

その現場では、病状に関する専門家の意見が重視される。

専門家が「病状が深刻」と認めた場合、裁判所は

「犯行が精神障害の影響をどの程度受けているか」

を検討する。要するに、犯行が被告の本来の人格からどの程度かけ離れ、あるいはどの程度合理的に理解できるかを検討し、犯行の動機・態様等が被告の本来の人格からは「全く理解できない場合」を心神喪失とし、「大きくかけ離れてはいるが、なお理解できないことはない場合」を心神耗弱とするのだ。

しかし、たいていの場合、凡人には納得できない判決になってしまう。そしてメディアも追わなくなら、凡人も忘れる。奴はのうのうと、生き延びる。

ここは

『市中引き回しのうえ、磔・獄門』

が妥当かと思う。