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入院した日に比べれば寝る事ができた。
起きると横には悠姫が眠っていて、産んだんだなって改めて実感した。
悠姫を見ると悲しくもあったけど、愛しさでまた何度も顔を撫でた。
分娩翌日のバイタルも変わりなし。子宮復古も順調。
朝の担当の助産師さんと朝食の配膳にきた助産師さんが悠姫を見て可愛いねって言ってくれた。
それを聞いてとっても嬉しかった。
やっぱり悠姫は天使のような存在なんだって思った。
朝の担当の人が何かしてあげたい事はあるって聞かれて昨日の助産師さんからは髪の毛とへその緒をもらってたから後何があるかなって思いつかなかったんだけど、おっぱいはあげた?って聞かれてまだだって思って乳頭をマッサージしてもらって母乳を含ませたガーゼを悠姫の口にあててあげた。
助産師さんがおっぱいをもらうのが赤ちゃんにとって一番嬉しい事なんだよって言ってくれてこんな私でもママになれたんだなって思わせてくれた。
今日は午後から先生の診察を受けて問題なければ退院できると言われていた。
予定が早まって午前のうちに診察してもらえる事になった。
先生の診察は問題なし、子宮の状態も良かったので退院の許可が出た。
診察が終わって病室に帰る時に入院して初めて新生児を連れて病棟を歩いているお母さんを見た。
泣き声は聞いていたけど姿までは見ていなかったから、少し衝撃だった。
私も何ともなければあんなふうにできたのにって思うと切なくて涙がこみ上げてきた。
でも病室に帰ると心配されるから、ちょっと明るくその事旦那をお母さんに話したら余計に切なくなった。
先生が死産届を準備される間、お昼を食べたらすぐに帰れるように荷造りをした。
やっと悠姫を家に連れて帰る事ができるから、嬉しかった。
でも元気に帰りたいのが本心だった。
しばらくすると先生と助産師さんが死産届を持って来てくれた。
胎盤の検査結果と自己抗体の結果はまだ出てないけど、産まれた時の悠姫は何とも異常がなかったしへその緒の捻れが強かった事が一番考えられるだろうって。
検査結果は次回の外来受診で聞く事になった。
でも皆さん次はちゃんと元気に産んでらっしゃるから心配ないですよって言われた。
先生は100%大丈夫みたいな言い方だった。
それは嬉しいけど、内心本当かよって思った。
そんなにはっきり言いきって次もそうだったらどうするの?
本当にそんな風に言い切れるの?
絶対なんだね?
また同じ悲しみが私を襲うかもしれないのに。
他の人とは限らないのに。そんな事絶対にあってはいけないけど。
一度こんな思いしたら次もそうなるんじゃないかって心配でたまらないのに先生の言葉が怖くなった。
先生の話を聞いて、事務の手続きも済ませて荷物を整理して退院した。
助産師さんの配慮で搬送用のエレベーターから悠姫を抱っこして退院した。
途中病院の人も何人か乗って来て不思議そうな顔してたけど、空気で察してくれたのか声はかけられずなんとか車まで乗る事ができた。
悪い事をした訳でもないのに他人の目を気にして帰らなければならない自分に腹が立った。
自宅に帰る途中に区役所に寄って旦那が火葬の予約をしてくれた。
市内の火葬場は混んでるからいつになるか分からないって病院から聞いていたけどちょうどガラ空きだったから次の日のいつでも時間を選ぶ事ができた。
そのため午後からゆっくり行けるように14時で予約してくれた。
やっと家に帰って来た時には夕方近かった。
悠姫を連れて帰ることができた。
悠姫がいつ産まれてもいいように準備した家に。
悠姫を寝室に連れていって寝かせてあげた。夏だし産まれて何日も経っていないのに悠姫の腐敗は進んでいるように感じた。
だから保冷剤を変えて、部屋を冷やして少しでも腐敗が進むのが遅くなるようにした。
あんなに淡いピンク色の可愛い肌色だった悠姫が変わっていくのが悲しくてごめんね、ごめんねって何度も謝った。
帰ってしばらくすると、義母、義妹、義祖父母、義叔母、義叔父が悠姫の顔を見に来てくれた。
義妹、義祖父、義叔父、義叔母は初めての対面だった。みんな涙をためながら悠姫を可愛いって言ってくれてとてもとても嬉しかった。
でも一番はみんなに元気な悠姫を抱っこしてほしかった。
夕飯は義母が買ってきてくれたお寿司を食べた。
妊娠してずっと生魚を我慢していたから久しぶりのお寿司だった。
退院祝いと悠姫の誕生祝いだねって食べた。
ご飯を食べたらまた母乳を出して悠姫にあげた。
そしてまた旦那を写真を撮ってここはどっちに似てるとか言いあいをしていた。
とても幸せな時間だった。
久し振りにシャワーも浴びる事ができて、家族3人川の字になって早めに寝た。
悠姫が真ん中に眠ってて、親子って感じがした。
もう明日悠姫がお空に旅立ってしまうなんて受け入れられたくなかった。
まだまだ悠姫といる時間が欲しかった。
朝が来てしまうのが凄く怖かった。
怖さを感じながら眠りについた。
つづく