私が大学を出て
最初に勤めた会社で
辞令が出る少し前に
新入社員が一堂に会する
機会がありました
私は他のメンバーのことを
殆ど知らなかったのですが、
どういうわけか、
私は他のメンバーからは
あれが噂の○○か、
と少しばかり知られて
いたようです
ちょっとだけ
目立っていたようです
そんなわけで、
他のメンバーから
多少の視線を感じては
いました
ただ、そんな中で
そういった視線とは全く異質の
ただならぬ視線を感じました
そして
その視線の主のほうに
目を向けてみたところ、
うまく説明できないのですが、
私の中で全てが理解できました
やがて、
それぞれの簡単な
リレー式の自己紹介を経て
私の理解は確信に
変わっていました
おそらく、
例の視線の主も
同様だったかと
思います
私は
その視線の主に
ある種の親近感、
ただし、その親近感は
嫌悪感のようなものも含む
独特のもの
彼の苗字は○○
私のものとは
異なります
私の祖母は
2度離婚しており、
その旧姓が
私の苗字になります
彼の苗字の○○は
祖母が2度目に
結婚していた時の
ものと同じでした
しばらくして、
私と彼、どちらからともなく
確認作業がはじまりました
結局、彼は
祖母と離婚した後
再婚した祖父の
お孫さん
とのことでした
