2018年3月10日の映画鑑賞

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「THE SECRET SCRIPTURE」
2016年 アイルランド作品 108分
天文館シネマパラダイス 9:10 ★★★★☆

監督=ジム・シェリダン
脚本=ジョニー・ファーガソン
主演=ルーニー・マーラ

戦時中という時代の特殊性もありますが、神父の強情さ、異宗派との対峙、不都合を隠蔽する社会性や精神病棟の凶気がおぞましく描かれていて観る人を選ぶなあと感じますが、植え付けられた原罪に人々は常に向き合い、そこから生まれる止めどない内向きの悲劇に哀愁が漂います。
そんな中、つかの間の幸せに浸るローズとマイケルが海岸をバイクで疾走するシーンが心を打ちます。

ローズが弾く「月光」が流れるのだけれど、これが効果的に挿入されて、切なさが胸を打つし、ルーニー・マーラの凛とした美しさに惹きつけられて非常に満足できます。

予想できる結末はやや尻すぼみな印象ですが、晩年のローズを演じるヴァネッサ・レッドグレーヴの演技に引き込まれてラストの余韻に浸れます。

 

 

 

 

「THE SENSE OF AN ENDING」
2015年 イギリス作品 108分
天文館シネマパラダイス 14:30 ★★☆☆☆

監督=リテーシュ・バトラ
脚本=ニック・ペイン
主演=ジム・ブロードベント

人間なら誰しも備えている軽薄さ、傲慢さ、鈍感さが随分と誇張された登場人物が鼻についてちょっと感情移入し辛いなという印象です。
年老いたトニーの行動が完全にストーカーだし、娘からも「ストーキングしている」と言われる始末なのでイタい老人にしか見えないのが残念です。

徐々に明らかにされる初恋の思い出をミステリー調に描いてますが、人物の描き方が雑だしベロニカの印象を必要以上に悪くする演出に若干苛つくなと感じます。
ベロニカ側の視点から構成した方が面白くなったんじゃないかなと思えて、バランスの悪さが目立ちますね。

しかし都合の悪いことは忘れて、人の事情も知らず自分勝手な行動を起こすトニーは人間らしいといえば人間らしいので、情けない男あるあると思って観ると楽しめるかな。

 

 

 

 

「嘘八百」
2017年 日本作品 105分
天文館シネマパラダイス 16:40 ★★★☆☆

監督=武  正晴
脚本=足立  紳
主演=中井 貴一

騙し騙されの軽妙なシナリオワークがテンポ良く演出されていて、武正晴監督のコメディセンスが光ります。
ストーリーは平坦な展開ですが、中井貴一氏と佐々木蔵之介氏の掛け合いが面白いし、近藤正臣氏が演じる鑑定士が、往年の喜劇シリーズの悪役を彷彿とさせる憎めない小悪党を巧く演じていて微笑ましくてラストまで楽しく観られます。

ツッコミ所はあるものの、脇をリアル関西人で固めていてお笑い要素に人情モノのスパイスが利いていて、ザ・大阪ムービーといった空気感満載で無難に纏まっているなという感じです。

ラスト間近のドタバタ感はとってつけた感が強くて蛇足だなと感じるし、友近だけはコントを演じているように感じられて浮いているかなという印象です。

ただ、カーラジオから流れる浜村淳氏の名調子が面白くて、これだけで聞きたいと思えます。