今回紹介する競馬本の著者は、今もフリーアナウンサーとして活躍中の草野仁氏。
TV番組の司会などでおなじみだが大の競馬ファンでもあり、グリーンチャンネルでも番組を持っている。
「たかが競馬 されど競馬」
著者:草野仁
発行元:(株)大和出版
発行日:1993年5月5日
NHK時代の競馬実況経験と、30年以上の競馬ファンとしてのキャリア。
人脈は芸能界、競馬界と広い。
それらを生かし、ドラマとして、スポーツとして、遊びとして、ギャンブルとして、様々な視点で書かれた競馬エッセイである。
草野氏の競馬との出会いは大学4年生の時。
スポーツ新聞の見出し「二十億円ダービー」を目にし、大卒初任給が2万円の時代に20億円もの売上をあげる競馬とは何だ?という、社会学的関心からだそうだ。
とある著名人が馬券的中でも喜ばないので聞いてみると、「勝って語らず、負けて嘆かず」と語ったそうだ。
一流有名人の言葉だけに深い。
毎週、勝っては語り、負けては嘆いている自分は、まだ人間ができていないようだ。
馬券よりも、競馬への向き合い方で勉強になる。
メディアとファンの両面からの見方のエッセイ集。
草野氏は直接の競馬関係者ではない一ファンではあるが、人脈の広さからいろいろ経験できるのは羨ましい。