私が遊んでいる事で ユウキが傷ついてるなんて ちっとも知らなかった・・・


ある時ユウキとお酒を飲み行った時 ユウキは酔っ払って


「ねぇ 俺の事好き? なんでいつも遊んでんの?」


普段はまったく 私を束縛なんてしない人が 今まで我慢していた分を 全てぶちまけているようだった。。。


彼の愚痴は帰るまで続いた。。。


なんだか胸が苦しくなった。。。


自分の事ばかり考えて 自分が傷つかないように誰かを傷つけ・・・


もっと まっすぐな目で彼を見ようと思った。。。


それから 何日かたって 夜ドライブ海を見ていると・・・


「結婚したいね・・・ 俺林檎ちゃんがいなくなったら もう次は無いと思うから・・・」


海を見ながら ユウキはそう言った・・・


普通に嬉しかった・・・



ところが その2・3日後  ぷつりと連絡が途絶えた・・・


あまり気にはしていなかったけど 一週間 二週間 たっても何もない・・・


罰が当たったのかもしれない・・・


ユウキの優しさに甘えて きずくのが遅かった・・・


あんなに優しい人を・・・


妹に聞くと  出張に出かけたといっていた。。。


ユウキはそれをきっかけに もう連絡はなくなった。。。


ユウキ  ごめんね・・・


きずくのが遅かった・・・


そんなに傷ついていたなんて まったくきずいてなかった・・・


自分の中で何かが消化できないまま  また狂ったように遊びだす・・・


1人になりたくなくて・・・


誰かを愛するのは怖いくせに 誰かに愛されたくて・・・


誰かを抱きしめる事は怖いくせに 誰かに抱きしめられたかった・・・


誰かに必要とされたかった・・・


寂しくて  寂しくて・・・


行きずりで誰かに抱かれても 家に帰れば 倍に寂しくなる・・・


SEXがしたいわけじゃない・・・


ゆっくり眠りたいだけ・・・


温もりを感じなながら ただ眠りたかっただけ・・・


でも男はそうはさせない・・・


だた やりたいだけ・・・


それでも良かった・・・


1人で眠りたくない・・・


夜が怖かった・・・


あの時の孤独はどこから来ていたんだろうか?


自分でもわからないくらい  暗闇の中にいた。。。



そしてドンドン暗闇の中に 私は落ちていく・・・


これから 始まる 地獄 ・・・


これ以上落ちる事は無いと思っていたのに・・・ 


まだ 底は深かった・・・





































私は いつも 重い 重い 仮面を付けて歩いている。。。


それは 小学校に上がる前から ・・・


両親が小学校に上がる前には この顔の右半分にある赤い痣をどうにしかしたくて 色んな人から情報を集め 1つの大きな大学病院にたどり着いた。


しかし 当時まだこの 病気の研究は進んでおらず 治療法は移植しかなかった。


移植は幼い私には負担が大きすぎると 両親は断念した。


しかし そこの病院で痣を隠す化粧がることを知り 母はその化粧品を手に入れて 幼い私に 右半分だけ化粧をした。


母は外に出る時は 必ず私に化粧をした。


幼い私には それが負担でしかなかった・・・


隠せ 隠せと育てられ いつしか この痣がある顔は人には見せては行けないものなんだと 思うようになった。


母は私がいじめられない様に きっとそう言ってくれたんだと思う・・・


でも 幼い私には その親心がわからなかった。。。。


小学校に 上がり重い仮面をかぶって 私はいつも登校した。


でも 右側半分の化粧は子供の目から見ても不自然で いじめられた。。。


でも その事を両親には言えなかった・・・


いじめにあっている事なんて どうしても言えなかった。。。


両親が悲しむ事は目に見えていたから・・・


私が5年生くらいの頃 新しい治療法が見つかったと 病院から手紙が来た。



私も両親も 嬉しくて 県外にある大学病院まで足を運んだ。


胸を膨らませ 私の心は高鳴った。。。


それが レーザー治療だった。


しかし まだ実験段階で成功するとは限らない もしかすると ケロイドのような傷が残るかもしれないと先生は言った。


それでも父は その賭けに乗ってみた。


結局結果は・・・  5cm角くらいのケロイドの傷が残っただけで終わった。。。


鏡を見ると 醜い傷跡が残っている。。。


痣は化粧で隠せてもケロイドは何をしても隠せない。。。


先生は 後2・3年したら 新しいレーザーが開発するかもしれないので それまで治療を待ってみては? そう言った。


中学に入り いじめは もっと激しくなった。。。


少し人と肌の色が違うだけで 少し顔に傷があるだけなのに 人間扱いされない・・・


まるで 化け物でも見るような 冷たい目・・・


視線が痛いほど 胸に突き刺さった。。。


酷い言葉を吐き捨てて 笑っている。。。


その 笑い声が 耳元で聞こえる。。。。


うずくまって SOSと叫んでも 誰も気に留めない・・・


誰にも 聞こえない・・・
































机には 男の子たちが


気持ち悪い 死ね  見るな  色々鉛筆で書いていた。。。


苦やしくて 悔しくて  私が 何をしたというのだろうか?


生きている事に意味があるのだろうか?  この存在は意味があるのだろうか?  毎日毎日問いかける。。。



そんな時 ある事件が起きた。。。


国語の時間 私は先生に指され 本読みをしていた。


すると国語の女教師が急に怒り出した。


私は何が怒ったのか 解らなかった。。。


授業は中断した。。。


私は 立たされたまま 今起こった出来事を理解しようとした・・・


クラスの男の子がみんな耳をふさいでいたという。。。


1人の男の子がやっていると みんな面白がって始めた。。。


私は 別に何も思わなかった。。。


感情なんて 意味が無いから・・・


でも その放課後 私は陸上部で部活の準備をしていた。。。


担任の先生と国語の先生が私を教室によんだ。


「あなたは いつから いじめにあってるの?」 国語の先生が聞いてきた。


私は何も答えなかった。。。


「本当のことを話しなさい」 担任が言った。


この質問に答えて 彼らは何かしてくれるのだろうか?


この苦しみから救ってくれるのだろうか?


「小学校の頃から・・・」 私は答えた。。。


「何て言われてたの?」 


「キカイダーとか白黒半分とか・・・」 言われた事 そのまま言った。。。 でも小学校の頃は男の子は まだ私に話してくれた。。。  今思えば いじめというより からかわれていたに近い・・・


でも中学に入り よその小学校から来た子達は 私とは口を聞かず 影でコソコソやっていた。


国語の担任は 「まぁ なんて酷い・・・」 そう言った 瞬間・・・


私の目から涙がこぼれた。。。


ひどい? ひどい?  ひどいのは 口も聞いてくれず 影でコソコソ言われる方が ひどい・・・


「私は それでも小学校の頃の方が良かったです」 そう言うと


「まぁ どうして?」  国語の教師は聞き返した。


でも 私は答えなかった。。。


答えた所で 何になるのだろう?


同情されて何になるのだろう?


担任も国語の教師も 聞いたからといって 何もしてくれなかった。。。


何も変わらなかった。。。


何もする気がないなら 何も聞かなければ良かったのに・・・




学校に行くのが苦痛でたまらなかった。。。


学校を休むと 母達が心配するのがイヤだった。。。


毎日 毎日 死ぬ事ばかり考えて そして空想の世界に入る・・・


王子様が 来て さらってくれないだろうか?


神様がいて 1つだけ願いを叶えてくれるなら 痣と傷どちらを治してもらおうか?


本当に考えていた。。。


家の中でも ゴタゴタしていた。。。


私には姉2人いた。。。


1番上の姉が 家出を繰り返し 母達は 毎日捜しに出て 疲れていた。。。



家の中でも1人  誰も心の叫びに きずいてはくれなかった。。。


いつか きっと綺麗になって 男の子達に復讐したい・・・


そう思っていた。。。




生きる希望がほしかった。。。


光り輝く何かが 見たかった・・・


夏休みは入った時 また新しいレーザーが出来たと 病院から手紙が来た。


しかも家の近くにある病院で医療が出来ると。。。


少しの光が私に差し込んできたのかもしれない・・・


嬉しくて 嬉しくて 病院に足をはこんだぁ。。。


今度のは 皮膚を傷つけず 皮膚の中にレーザーが届くというのもだった。。。


風船が2つ重なって膨らんでいたら 外の風船は割れずに 中の風船だけが割れるという。。。


私は 手術を受ける事にした。。。


瞼 口の中 鼻の骨 色んな部分に局部麻酔をされ 皮膚が焼ける臭いが漂う中 痛みに耐えながらがんばった。。。


しかし1回2回当てた所で 肌の色には戻らないといわれ 定期的にレーザーを当てる事にした。



そして クラス替えの季節がやってきた。。。。



その時 アキナリに出会った・・・・

















中学2年のクラス替えがあり 小学校の頃一緒だった 女友達も何人かいた。


でも 私は 机に座り 下を向いて誰とも話さなかった。。。


学校生活に 楽しさなんて期待してはいけない・・・


そう思っていたから・・・


その時 小学校同じクラスだった 梅ちゃんが話しかけてきた。


「なんか 性格変わった?」  


その一言が 胸に刺さった・・・


小学校の頃は 男の子達に 嫌な事を言われても 言い返してケンカしてた。


もっと友達とも沢山おしゃべりしてたんだ・・・


私は それから 梅ちゃんと昔のように 笑いながら話すことが出来るようになった。


そして アキナリとの出会い・・・


私は女の子とは 沢山話すようになったけど 男の子達とは自分から話すことは無かった。


朝自習の時間 机に座り プリントしていると。。。


アキナリが 私の机の所にイスを持ってきて


「ちょっと ごめん」 


そう言った。  えっ? と思い顔をあげると 髪をきれいにリーゼントしたアキナリが私を見て笑いかけた。


アキナリは友達をからかう為に消しゴムをちぎって 私の席から飛ばしていた。


私は驚いた。。。  男の子が私に話しかけてくるなんて・・・


アキナリとは席が隣で 授業中も何かと話しかけてきては 面白い事をいって 私を笑わせ 先生によく怒られた。


アキナリは学校でも目立つ存在で 誰かとつるんで何かをするというより いつも1人だった。


アキナリが私と話すので クラスの男の子も私と話すようになった。。。


1年の頃のように誰も私のことを 影でコソコソ言わないようになった。


女の子との友達も 梅ちゃん なおちゃん あきちゃんと何でも話せる友達が出来た。


うれしかった・・・


何もかも 全てが 違う色に見えた。


学校に行くのが楽しくて みんなでサボって悪さをするのが楽しくて ・・・


でも 私の中で アキナリの存在はまだ特別な物ではなかった。。。


退屈な授業の時は 紙切れで手紙の交換をしたり  自習の時はアキナリが私の机にイスを持ってきて 何か面白い事はないかと相談して アキナリの一言で 男の子が駄洒落を言って笑わせる。。。


1年頃がウソみたい・・・


ある時 梅ちゃんがアキナリとヒソヒソと話しているのに目が言った。。。


かすかに聞こえてくる声


「ねぇ テニス部のハルちゃんと陸上部のななちゃんがアキナリの事好きなんだって どっちと付き合う?」


梅ちゃんがアキナリに聞いている。


その時心臓が 破裂しそうなほど驚いた。。。


耳まで聞こえる 自分の心臓の音・・・


アキナリが自分の中で特別な存在な事に始めてきずいた。。。


「ななよりハルの方がいいかなぁ・・・」


アキナリがそう言った。   ハルって誰だろう? 梅ちゃんはテニス部でハルちゃんからいつも相談に乗っていたらしい・・・



アキナリが誰かのものになっちゃう・・・


急に不安になった。。。


今までどおりの関係でいられるのだろうか?


その日の夜 梅ちゃんに電話して 自分の気持ちを話した。。。


梅ちゃんもわかってくれていた様だったが ハルちゃんとも友達なので複雑な心境だったと思う。


しかし 話したところで ハルちゃんとアキナリは付き合うようになった。


ハルちゃんがどんな子か 気になってしょうがなかった。。。


丁度 アキナリに会いにハルちゃんがクラスに来た時 話しかけてもた。


とっても 女の子 女の子した子で すごく性格がよさそうな子だとすぐにわかった。。。


ハルちゃんの事を知れば知るほど どんどん自分が悲しくなってくる。。。


アキナリは彼女が出来ても 相変わらずに私を遊んでくれた。。。


元気が無い時は手紙で励ましてくれた。。。


こんな アキナリが たまらなく好きで 好きで自分でも爆発しそうなくらいだった。


この気持ちをどうしたらいいのかさえわからず  なぜか涙が落ちるばかりだった。。。


自分で告白する勇気もなく ただただ抑えきれない気持ちを 必死に抑えていた。。。


自分の顔を鏡で見るたびにため息が出る。。。


家では食事も食べず いつも考え込んでいた。。。


父があまりにも 私が元気が無いので 私の部屋に来て


「何か悩み事でもあるのか?」


普段は無口な父がそう言った。


「お父さん 痣は化粧で隠せるから 治療は後でもいいけど このケロイドを治したい」


父は驚いていた。


今まで1度も自分からこんな事を言ったことはなかった。


父は 

「どんなに金がかかっても全財産賭けてお前の病気を治してやる! 明日病院で聞いてこい」


そう言った。  そんなに裕福でもないのに 父は私の気持ちをさっして そう言ってくれた。


私は 少し期待して胸を膨らませ 次の日病院に行った。


しかし 先生は 私の期待とは裏腹に冷静に こう言った。


「林檎さんのケロイドの後は大きくて 切除は難しく あと削るという方法もありますが まず痣の治療をしないと どうにも出来ません。」


「痣が完全に治れば このケロイドの傷の治療が出来るんですか?」

私は先生に聞き返した。


「残念な事に 林檎さんの痣は深すぎて完全な肌色には戻りません。」


「じゃ なんのために レーザーを当ててるんですかぁ?」

私は 少し興奮して聞いた。



「血管腫というのは血液が固まっている病気です。例えて言うなら スポンジがどんどん水を吸っている状態なんです。 水を吸うとスポンジがドンドン膨れてくるように 顔の血管腫の部分が腫れてこないように レーザーで散らさないといけません」


私は何も話す気になれなかった。。。


全ての希望が打ちのめされた・・・   絶望だ・・・ どんなにお金があっても 今の医学はこれが限界なのだ。。。


全てが真っ暗だぁ。。。


なぜ なぜ あんなに期待したんだろう・・・


あんなに期待なんてしなければ こんなに落ち込まずにすんだのに・・・


期待なんてしなければ・・・


神様は なんでこんなに私に意地悪をするのだろう・・・


神様は平等ではない   ・・・・





どんだけ 期待したかわかるだろうか?


どんなだけ 普通の肌の色になりたいか わかるだろうか?


期待なんてしなければ  こんなに絶望しなかったのに・・・


整形して綺麗になれるなら どんなのお金を積んでもやりたい・・・


でも それさえ 不可能なのだ・・・



全てが 真っ黒で  絶望と言う字だけが頭に浮かぶ・・・


まだ 14歳なのに・・・








どんなに 絶望しても現実は変わらず


どんなに神様にお祈りしても 何も変わらない・・・


何もかも期待などしなければ それほどの悲しみは味あわなくてしむと その頃から思っていた。


学校は だるくて でもアキナリに会いたくて 熱があっても休まず行った。


数学の先生がすごく嫌いで ほとんど授業には出なかった。


テスト寸前まったく勉強についていけない私を アキナリは解りやすく方程式を教えてくれた。


アキナリの気持ちが知りたい・・・


こんなに好きで  溢れるほどで 壊れそうなくらい・・・


でも 鏡を見るたびに 私の勇気を打ち消す。。。


でも もしかして  もしかして・・・


そんな気持ちが胸を高鳴らせる・・・


私はアキナリに気持ちを伝えることにした。


この溢れそうな気持ちを どうにかしたかった。


誰かをこんなにも好きになるなんて・・・


もっと もっと 近くにいたい・・・


欲が私を支配する。。。



手紙に 思いを詰め込んだ。。。



アキナリは 私の気持ちにはきずいていた。。。


何気なく いつも渡している手紙のように アキナリに渡す。


アキナリは 何も言わず受け取り 「持って帰って読もう~」 


と笑顔で言った。


期待はしない・・・  


彼女もいるし   期待なんてしない・・・


次の日 アキナリは いつものように私に声をかける。。。


そして 手紙をくれた。。。


その場で読む勇気は無かった。。。


いつものように遊んで 何も変わらない毎日・・・


家に帰り 部屋でドキドキしながら 手紙をあけた。。。


大きな字で


返事と書かれていた。。。


俺には彼女がいるし  お前とは友達以上の感情は持っていない。。。


お前には俺よりいい奴見つかるよ・・・


長い文章には 色々書かれていたけど この事しか目に入らなかった。。。



気持ちを伝えれば 答えを聞けば この気持ちがおさまると思っていた。。。


破裂しそうな気持ちは しぼむんだと思った。。。


でも しぼむところか 大きくなるばかり・・・


アキナリは次の日も同じように何も変わらなかった。。。


それが 嬉しい反面 辛かった。。。




こんなに近くにいて 遠いなんて・・・