相手の気持ちは読めますか? | 桜井妙の「新ストレスと怒りの調理法」

桜井妙の「新ストレスと怒りの調理法」

★職業:講師 ★専門:ストレスマネジメント アンガーマネジメント コミュニケーション危機管理 ★特徴:「あたま・こころ・からだ」をととのえる ★㈱コミュニケーション・デザイン結 代表

心理学をいくら勉強しても
精神科医のプロフェッショナルでも

他人の気持ちを100%読むことなど
できないと私は思っています。

できることは
統計学的なデータに基づき
想像することだけ。

想像する力の能力より
なぜ、自分は人の気持ちを想像したいのか
どうして想像する必要があるのか。

ここが私がこだわりたいポイントなので
今日も明日もこのことを一緒に考える研修にしようと思います。

「人の立場にたって考える」
「相手の身になって考える」

どちらも私には簡単に出来ない難しいし
先に喜怒哀楽の感情が自分側にあるときは
できない・・・といつも感じます。

私の体験上、いつもそう思います。

例えば不意打ちのような
セクシャルハラスメントや
パワーハラスメントの言葉には
どきん!として、身構えてしまい

心の中の自分の不快な感情に支配されてしまい
とても人の気持ちどころではありません。

私の心が泣きだす話題は胸の話と病気の話です。

悪意はないのは分かっているのに
心が身構えて警戒してしまいます。

胸のサイズの話を
宴席で言われる場合が時々ありますが

もちろん顔には自分の感情は出さず
ニコニコ笑っていますが
不快な感情を感じた瞬間から
自分で自分の心のケアに必死で

とても人の気持ちなど考える余裕がありません。

昔の話ですが、こんなことが以前ありました。

地域差で胸が大きいとか小さいという客観的データがあります。
イソフラボンを多く摂取している場所は平均の値が大きい
と、いう科学的な話を仕事の合間に雑談で話しました。

話した相手の方が
その夜の宴席で、何気なくその話題を出され
胸のサイズの比較対象に
私の胸のサイズを話しはじめました。

頭をハンマーで殴られたような
大きなショックを感じました。

男性の中には勘違いされている方がいます。
胸が小さい人だけがコンプレックスを持っているという勘違いです。

逆も真なりで、胸の大小はどちらも女性にとって
大きなコンプレックスです。

胸の大きな女性がTVで活躍されているので
良い特徴だと思い込んでいるのかもしれませんが
そうではありません。

私は自分の胸のサイズが子どもの頃から嫌です。

大きな胸=頭が悪い印象を自分で思い込んでいますから
思春期から身体の変化がある頃
大人の男性に指摘される度にたまらなく嫌でした。

少女の頃は
大人になりたくない子もいるのです。

大人の女性を意味するような
性的な体型変化に対する指摘は不快に感じます。

人生の後半に入っている私にとっても
性的な特徴は指摘されなくてもいいのです。

胸を切り取って捨ててしまいたい
と、胸の話題を出される度に思います。

言った方に悪意などないのは分かっていて
お酒の席でお酒のせいだと分かっています。

宴席は不用意に言葉が飛び交う場所。
宴席では本音も許されるし許さなければいけない。

なんとなくそんな前提条件があるので
言った方ではなく言われた方が我慢しなければいけない。
宴席には、そんな暗黙のルールがありませんか?

私が飲みにケーションが苦手な大きな理由です。

大人はこんなことで怒る人はいませんから
私も笑顔で黙って耳を傾けてききます。

笑顔なのですが、
心の中は過去の体験・経験から自分のネガティブな感情が
全身を包み、苦しくて辛くてたまらなくなります。

病気の話題も同様です。

面白おかしい話題として
私の病気の話を取り上げられたとき
私の心は瞬間で凍ってしまいます。

言った相手がどんなに良い人だと分かっていても
病気の辛さと過去のトラウマの体験が
私を覆いつくすので自分の心をリセットすることが
非常に難しいのです。

相手の気持ちを考えよう!
悪意などないのだから
そんなこと気にしてはいけない。
99%知識でそれを理解します。

ところが
心や身体は
ネガティブな感情に支配されてしまいます。

人がネガティブな感情を持ったとき
人の対応は二つです。

自分の不快な感情を楯に
相手を口撃するか

自分の感情を殺し
我慢するかです。

私の場合は
自分のネガティブな感情と戦うことに意識が向き
自分の感情を殺します。

ただこの処理は簡単ではありません。
不快な感情処理は非常に時間がかかります。

この間に起きる問題。

それは私が言った相手の気持ちに
全く配慮できなくなってしまうことです。

そればかりか、
微妙な態度で相手に自分は不快だと
態度でアピールし始めます。

怒りの感情は強いエネルギーがありますから
発散しないと貯めこんでも
身体はそのエネルギーを発散しようと隙を狙っています。


傷つくのも不快に思うのも
問題は私自身であり、言った相手ではありません。
問題の種はいつも自分の価値観(体験・経験の記憶)です。

個人的な体験・経験からの私の解釈なので、
言う前に、言う人が私の気持ちを配慮することは
残念ながら不可能です。


相手の気持ちを理解する!
これは不可能に近いこと。

でも、諦めないでコミュニケーションするために
人の気持ちを想像していきたいし
想像するために色々な人の心の本音を知ることは
無駄ではないと思います。

まず自分の心の整理整頓をして
自分のネガティブな感情と向き合います。

そして宴席にお誘い頂いた厚意に感謝して
そのときの嫌な体験に先に感謝します。

感謝した瞬間
怒りは手放され、やっと言った相手の気持ちに寄り添えます。
ようやく言った相手の心を理解するモードスイッチが入ります。
スイッチが入ったら
不用意に言った相手の価値観や理由には
もう・・・こだわる気持ちもなくなります。

あぁ、楽しくてうっかり言ってしまっただけ。
楽しいときこそ、人は不用意なのだ。
ただ、それだけのことです。

思い出せば
自分も楽しいときに不用意な発言をしているに違いない。
とりわけ、家族には気を許し不用意な発言ばかりしている。

相手の身になって考えることは
奇跡に近いこと。
自分に置き換えるとよくわかります。

ただ相手の身になって考えることは
人間だからこそ挑戦できることでもあります。

嫌な体験から学び言葉の力で
自分で自分を救ったり
相手を傷つけない言葉を選ぶこともできます。

これは
自分が不快な体験・経験すればこそ。

相手の身になって考えるために
たくさんの人の本音を聴くために
嫌な体験は全て財産で、自分をあぶりだす良いきっかけ・

多くの人の体験や本音を知るために
ブログはとても有効です。

私の愚かな体験も
少しでも誰かのお役に立てたら幸いです。

自分の視野の狭さと
感情がコントロールできないことに凹みながら、
自分の心のマネジメント
毎日諦めないで頑張りたいです。
 

今日は小樽で研修です!
がんばろーっと。