コーチングの資格を取ったばかりの頃
コーチングどういうものかを学校で説明するときに悩んだ事がありました
プロの先生達に教職業じゃない私が一体どうコーチングをどう伝えたらいいか
学校でのコーチング体験セミナーを依頼されとても悩みました
そんな時とても分かりやすい説得性のある体験談を
保健室コーチングのH先生コーチ(元養護教諭)から伺いました
それは先生ご自身が保健室の先生をしていた時に体験された実話でした
ある日喧嘩をした生徒達二人が怪我の治療で保健室に来ていたとき
加害者の生徒にこう質問したそうです
「○○君、あなたが、喧嘩してでも△△君に伝えたいと思ったことは何?」
H先生自身、コーチングを知る前は
「なんでお友達を苛めるの!」と
怪我をさせた加害者側の生徒を毎回一方的に叱っていたそうです
いじめっ子という烙印を押された生徒は
ひょっとすると、毎回学校でも家でも
「なぜ、こんな事をするの!?」と言われているかもしれません
思いもかけないH先生の言葉に△△君は号泣して
自分の悔しさや辛さや傷ついた気持ちを正直に話し
○○君も△△君も心を開いたという実話です。
この実例をH先生からを伺ったとき
私は雷を受けたように一瞬で物事の捉え方が変わりました
多分私自身が一番「コーチングとは何か」が腑に落ちた瞬間です
箱から少し抜けでたり小さなパラダイムの転換も体験したのかもしれません
ささやかな日常の一コマですが
今も時々想いだし色々考える事のできるエピソードです
なぜ私があの時私の視点が変わったかというと
もちろん実話であったことも説得性がありましたが
根底ににH先生の欲の無い姿勢と
ただ悩む私と一緒にいるあり方がそこにあったからだと感じます
箱の法則もパラダイムの転換もスキルではなく
人が自分のエゴからじゃなく人と関わるときに
刺激を受けて自然に生まれるものかもしれないですね
パラダイム転換させてやるぞ!というあり方がH先生にあったら
逆に私の心はがっちり閉じて頑なで
もう二度とこのエピソードは想いださなかったと思います
生徒にもコーチングで気づかせてやるぞ!と思った言葉だったら
○○君も△△君も心を閉ざしたままだったし
H先生も自然にすっとあの言葉はでなかったんだろう
と、そう思えます
ただ生徒達二人に寄り添ったとき
感情がどうして波立ち喧嘩になったのか
心と心がノックして
ただピュアに聴きたくなった言葉なのかもしれません
そこにコーチングスキルが加わっただけの気がします
あり方とは何だろう?
今朝エネルギーの高い方にお目にかかり
自分に湧いた問いであり
想いだしたエピソードです
あり方は求めると逃げていくし
ただそこにあるものですが
スキルよりも何よりも
箱やパラダイムに必要なエネルギーかもしれません
今日はそんな事を
しみじみと思います・・・