「好きだという代わりにシャッターを押した・・」
その昔、大場久美子さんがブレイクすることとなった、知る人ぞ知るCMのコピーです。
少し前の浅田真生さんの天然ぶり(^^ゞが伝わる、微笑ましいCM。
それからカメラを持って旅する、宮崎あおいさんの自然な演技が大好きだった、最近のCM。
OM-1以来、個人的にも思い入れのある、信頼厚いカメラメーカー。
初めて購入した200万画素のデジタルカメラもそのメーカーでした。
そう、大変な事態が発覚した、オリンパスです。
報道によると、そのオリンパスの個人株主が、1394億円の損害賠償の訴訟を起こすよう、オリンパスの監査役に求めているとのこと。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20111110-OYT1T01252.htm
オリンパスのことはともかく、この損害賠償、労使関係に置き換えても、当然に存在しえます。
そして、労働基準法においてはそこに一定の制約を設けています。
労働基準法第16条の「賠償予定の禁止」です。
この「賠償予定の禁止」も、また諸外国にもまた国際労働条約にもみることができない立法例なんです。
「賠償予定の禁止」とは、使用者は労働契約の不履行について、違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならないことを規定しています。
ここでいう損害賠償の予定とは、債務不履行の場合に賠償すべき損害額を実害のいかんにかかわらず一定の金額として定めておくこと。
つまり、言い換えると、労働者が事故を起こし損害が生じた場合、労働者の過失に応じて賠償を求めることは、禁止されるものではありません。
あらかじめ金額を定めておいてはいけないということです。
それでは、以下のようなケースは適法といえるでしょうか?
①原則的には事案ごとに労働者に請求する金額を決めることとするが、請求する場合でも損害額の10%を上限とする。
→○
労働者の責に帰すべき部分について賠償を求めることは差し支えありません。
また、その上限を一定の割合分とし、その一定割合分以上の責任を免除するという趣旨のものであれば適法なのです。
同様の場合において、割合ではなく、損害額のうち請求する上限額を10万円とするような規程についても、事故の態様や労働者の過失の有無・程度が考慮されているのであれば適法です。
②今まで事案ごとに労働者への請求額を決めてきたが、殆どの場合、損害額の10%だったので、就業規則で、労働者から損害額の10%を支払わせる旨を規定した。
→×
たとえ今までの実績に基づいたとしても、事故の態様や労働者の過失の有無・程度を考慮することなく、機械的に損害額の一定割合を支払うとすることは、労働者にとって損害賠償額を予定する契約を締結することと同じです。
したがって、労働基準法第16条違反となります。
本条については、違反した使用者については、6ケ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます。
気をつけなくてはいけないのは、不幸にも実際に事故が起き労働者に損害額の10%の請求を行い徴収した時に法律違反となるのではなく、事故は起きなくともそういった契約が締結されている時点で違反が成立します。
あらかじめ損害賠償額を決めることができないのは、身元保証人に対する契約においても同じです。
実際に損害を被った時に、その事実を証明したうえでなければ、請求することはできないのです。
さて、貴社の就業規則は大丈夫ですか?
こう見えても私は、就業規則の専門家。(^o^)
少しでも心配なら、『大丈夫だという代わりに、私を推してください』ね。
ん~。CMのコピーとしては無理ありあり。m(_ _)m失礼しました。。
http://www.roumusupport.jp
