ヒートアップした大阪W選挙から1週間経ちました。
橋下新市長は、約2400億円にのぼる大阪市の人件費削減を掲げています。
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20111204-OYO1T00155.htm?from=top
また、大阪維新の会府議団が提出した職員基本条例案は、府職員の人事評価に5段階の相対評価を導入し、2年連続で評価が最低ランクの職員は免職の対象とするほか、同一の職務命令に3回違反した場合は原則免職とすることなどを定めています。
http://www.asahi.com/politics/update/1128/OSK201111280191.html
以前、このAmebaを運営するサイバーエージェント社も、以前「ミスマッチ制度」と命名した人事制度を導入するとしてニュースになったことがあります。
「ミスマッチ制度」とは何かというと
「業績評価の下位5%をD評価とする」
「D評価2回でレッドカードとなり、退職勧奨か部署の異動かを選ばせる」といったもの。
つまり、組織から与えられたミッションに対し、期待されたパフォーマンスを出せないと「ミスマッチ」と判断され、
「いまの職場では活躍が難しそうなので、別の職場を考えた方がいい」と職場を離れることを勧められるそうです。
http://www.j-cast.com/2011/10/14110058.html?p=all
なるほど、これでうまくいくのなら問題社員を制度に則って、都合良く退職してもらうことができるのかもしれませんし、整理解雇の4要件の一つ”被解雇者選定の合理性”に当てはめることができるのかもしれません。
ただ、大阪維新の会も、サイバーエージェントも、人事評価の在り方はどうなっているのでしょうか?
人事評価は、えてして相対的評価です。
相対評価の難しい問題として、能力差がそれほど無くとも、ランクをあえて付けなければいけないという点があります。
つまり常に一定割合の数の下位者が必要なのです。
そして、ランク下位の社員が順次、退職や異動でいなくなるのなら、元々Cランクに位置していた社員がいつの間にか、下位のランクになってしまい職場を去らなければいけないことになってしまいます。
この為、考課の対象とする社員の範囲をどうするか、中途で入ってきた社員をどう位置づけしていくか、さらには退職してもらう場合の退職金等々、慎重に考えなければいけません。
そして考課するにあたって、必要なのが、考課する側がしかるべき考課者訓練を受けること。
例えば、ハロー効果、寛大化傾向、中心化傾向等といった、考課エラーも知らない考課者では話になりません。
それから会社側が社員の能力不足を理由に解雇したことを、社員が不服とし提訴した、セガ・エンタープライゼス事件(東京地決平11.10.15)があります。
会社は「労働能率が劣り、向上の見込みがない」との普通解雇事由を適用して社員を解雇しましたが、会社側は、教育訓練、配置転換等の手段で解雇を回避する努力をしなければならないとされ、解雇は無効となったのです。
http://www.jil.go.jp/hanrei/conts/085.htm
会社側の採用した責任、試用期間を経て正社員に登用した責任、そして指導する責任をきちんと認識した上で、正当な考課を行い、そして結果の低い社員に対しては、会社は改善の努力をするという手続きが大切となります。
私は、個人レベルの自助努力と自己責任が社会の基本だと思っています。
しかし労務管理の専門家である、社会保険労務士の立場としては、大阪維新の会やサイバーエージェントの考えについては、人事考課等わからない点も多く、モヤモヤがないではありません。
こういった威勢のいい報道に触発されて、不景気と職場の活性化を理由に、表面的なマネごとをする企業が出てくる可能性だってあります。
今後を注目していきたいと思います。
http://www.roumusupport.jp
橋下新市長は、約2400億円にのぼる大阪市の人件費削減を掲げています。
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20111204-OYO1T00155.htm?from=top
また、大阪維新の会府議団が提出した職員基本条例案は、府職員の人事評価に5段階の相対評価を導入し、2年連続で評価が最低ランクの職員は免職の対象とするほか、同一の職務命令に3回違反した場合は原則免職とすることなどを定めています。
http://www.asahi.com/politics/update/1128/OSK201111280191.html
以前、このAmebaを運営するサイバーエージェント社も、以前「ミスマッチ制度」と命名した人事制度を導入するとしてニュースになったことがあります。
「ミスマッチ制度」とは何かというと
「業績評価の下位5%をD評価とする」
「D評価2回でレッドカードとなり、退職勧奨か部署の異動かを選ばせる」といったもの。
つまり、組織から与えられたミッションに対し、期待されたパフォーマンスを出せないと「ミスマッチ」と判断され、
「いまの職場では活躍が難しそうなので、別の職場を考えた方がいい」と職場を離れることを勧められるそうです。
http://www.j-cast.com/2011/10/14110058.html?p=all
なるほど、これでうまくいくのなら問題社員を制度に則って、都合良く退職してもらうことができるのかもしれませんし、整理解雇の4要件の一つ”被解雇者選定の合理性”に当てはめることができるのかもしれません。
ただ、大阪維新の会も、サイバーエージェントも、人事評価の在り方はどうなっているのでしょうか?
人事評価は、えてして相対的評価です。
相対評価の難しい問題として、能力差がそれほど無くとも、ランクをあえて付けなければいけないという点があります。
つまり常に一定割合の数の下位者が必要なのです。
そして、ランク下位の社員が順次、退職や異動でいなくなるのなら、元々Cランクに位置していた社員がいつの間にか、下位のランクになってしまい職場を去らなければいけないことになってしまいます。
この為、考課の対象とする社員の範囲をどうするか、中途で入ってきた社員をどう位置づけしていくか、さらには退職してもらう場合の退職金等々、慎重に考えなければいけません。
そして考課するにあたって、必要なのが、考課する側がしかるべき考課者訓練を受けること。
例えば、ハロー効果、寛大化傾向、中心化傾向等といった、考課エラーも知らない考課者では話になりません。
それから会社側が社員の能力不足を理由に解雇したことを、社員が不服とし提訴した、セガ・エンタープライゼス事件(東京地決平11.10.15)があります。
会社は「労働能率が劣り、向上の見込みがない」との普通解雇事由を適用して社員を解雇しましたが、会社側は、教育訓練、配置転換等の手段で解雇を回避する努力をしなければならないとされ、解雇は無効となったのです。
http://www.jil.go.jp/hanrei/conts/085.htm
会社側の採用した責任、試用期間を経て正社員に登用した責任、そして指導する責任をきちんと認識した上で、正当な考課を行い、そして結果の低い社員に対しては、会社は改善の努力をするという手続きが大切となります。
私は、個人レベルの自助努力と自己責任が社会の基本だと思っています。
しかし労務管理の専門家である、社会保険労務士の立場としては、大阪維新の会やサイバーエージェントの考えについては、人事考課等わからない点も多く、モヤモヤがないではありません。
こういった威勢のいい報道に触発されて、不景気と職場の活性化を理由に、表面的なマネごとをする企業が出てくる可能性だってあります。
今後を注目していきたいと思います。
http://www.roumusupport.jp