先週の土曜日、お盆休みに突入した頃のことです。

中国自動車道に近い我が家の近所の道路が大渋滞していました。

帰省なのか観光なのか、はたまたお墓参りか。。

(たまの休みを家族サービスに費やす、世の中のお父さま、本当にご苦労さまです)

少しでも早く目的地に到着したい気持ちは皆同じでしょう。

目的地で楽しみに待っている人がいるのなら、尚更のこと。


スピードはサービス。

殆どの場合そうですよね。

いち早くニーズに応えることが、質のよいサービスを提供することです。


でも、私が社労士になって間もない頃、気づかされたことがあります。

社会保険の資格取得届。

法令で、入社日から5日以内に資格取得手続きをすることとなっています。

ただ、健康保険の健康保険証は手続きしてから届くまで、10日~14日かかります。

ある時中途入社のあったとき、手続きは早けりゃ早いほどいいだろうと、入社即手続きをしようとしたのですが、社長の奥様に言われました。

『そんな早よ手続きして、すぐ退職したらどないすんねん。』


社会保険は、同月得喪(同月内に入社・退職=資格取得・喪失)があった場合は、1ケ月としてカウントします。

法律上は、資格取得をして例えその翌日に退職となった場合でも、社会保険料を会社と労働者で折半して負担しなければいけません。

その場合、当該労働者が退職(資格喪失)後、その月内に国民年金の1号に移行し国民年金を納付したとしても、いったんひと月とカウントされた厚生年金保険料がリセットされ会社に還付されることはありません。

だからこそ、入社が決ったとはいえ、『1日や2日で来なくなる(!?)こともないわけではないのだから、そんなに急いで資格取得の手続きをしてどうすんねん!』ということなのです。


本人にとっては、退職後の月の国民年金保険料を1号被保険者として負担しなくてはいけないとはいえ、厚生年金の支給額にもしっかり反映されます

但し退職後のその月の国民年金保険料を納付しなかった場合、厚生年金保険料には第2号被保険者としての国民年金部分が含まれているにもかかわらず、老齢基礎年金の年金額に反映されません。

ややこしいですが、ここで一番大事なのは、資格の同月得喪は、保険料を負担しなければいけないということ!

そう考えると、社長の奥様がおっしゃるように、資格の同月得喪処理は会社側にとっては殆どメリットはない為、急いで資格取得の手続きをすることが、実はサービスとはいえない一面があるといえますよね。

もちろん健康保険証のこともありますので、いつまでものんびりするわけにはいきませんけどネ。

やみくもにスピーディな対応にこだわることなく、まず冷静に判断しなければなりません。



さて、渋滞する道路で私は、進路を車で阻まれてなかなか進めないでいる救急車を見ました。

猛暑の中の渋滞。

窓を閉め切って、またクーラーの音で、サイレンが聞こえにくくなっていることもあったと思います。

中の状況を知る由もありませんが、おそらく救急車に乗っている方は、時間をとても長いと感じ、ただ祈ってらっしゃっていたのではないでしょうか。

端から見ても何とかならないものかとイライラしました。

何が何でも、安全に且つ急がなければいけない(急いで欲しい)場合の最たるものでしょう。


要求に応える冷静な判断+安全(確実)+スピード

私の考えるサポートのかたち。

そして永遠の課題です。。



http://www.roumusupport.jp