(facebookより引用)
モンサント(現バイエル)にとっては底なし沼に。かつての稼ぎ頭のラウンドアップは今は世界各地で訴訟の山、たとえ訴訟を乗り切ってもラウンドアップは効力を失いつつあり、それを補うために引っ張り出した古い農薬ジカンバも認可が取り消される事態に。泣きっ面に蜂とはこのことだろう。
ラウンドアップは1970年代から売られ始めたモンサントの農薬の主力商品。世界でもっとも売られた農薬と言われる。
モンサントは2000年の特許切れの後でも独占販売が続けられるように遺伝子組み換え作物を作り出したとも言われる。
でもラウンドアップの集中的な利用によって、耐性雑草が増え、もはやラウンドアップだけでは除草効果が薄れてきた。
そこでモンサントが引っ張り出したのはラウンドアップよりも古い1960年代に出たジカンバという農薬。
もっともこの農薬は揮発しやすく、周辺の農地や生態系にも影響を与える危惧があった。
モンサントはその欠点を改良したジカンバをラウンドアップに混合させた農薬に耐える遺伝子組み換え大豆やコットンを作り、すでに数百万エーカーで使われ、1500万エーカーの農地に影響を与えて、北米を象徴する蝶、オオカバマダラやマルハナバチという花粉媒介者の絶滅危機も作り出してしまっていると指摘されている。
その使用を米国の裁判所は禁止を命じ、この農薬の流通を許可した環境保護庁(EPA)は法律違反を犯したと認定した。
バイエルだけでなく、BASFやシンジェンタが作るジカンバもその対象となる。
この判決は一度トランプ前政権が覆したが、再度の判決は以前よりも重いものとなるだろう。
ラウンドアップが効かなくなったのであれば新しい農薬を作ればいいじゃないと思うかもしれないが、実は新しい農薬を開発するというのは簡単なことではない。だから、ラウンドアップよりも古いジカンバやベトナム戦争の枯れ葉剤作戦で使われたエージェント・オレンジの主成分2,4-D(ダウケミカル、現コルテバ)が引っ張り出されざるをえなかった。
実はモンサントはラウンドアップ/グリホサートを農薬用に開発したわけでもない。
他の化学企業が配管洗浄液として開発したグリホサートが除草効果があることをたまたま発見して、除草剤として特許を取って売り出しただけ。
モンサントに新たな農薬を開発するだけの技術力があるのかも疑問だ(実際、モンサントはラウンドアップに代わる農薬の開発を住友化学に委託したが、その農薬[光合成阻害農薬]はどうなったか?)。
たとえ莫大な研究開発費をかけて新たな農薬を開発したとしても、ラウンドアップと同様に雑草がすぐに耐性を持ってしまうので、その開発費すら回収できるかどうかもわからない。そもそも化学物質で除草すること自体の不可能性に気付く必要があるだろう。
ラウンドアップに対する膨大な数の訴訟を解決する道も見えず、ラウンドアップの効力の衰えを補う策も禁じられ、モンサントを買収したバイエルはますます追い詰められることになった。
農薬企業は今や世界的に厳しい状況に追い込まれていることは確かだろう。
でも、ここ数年、住友化学も含む農薬企業のロビー団体CropLifeは国連FAOの買収に成功し、EUの農薬削減プログラムも撤回させることに成功した。
まだまだ米国やEU、日本政府の政策を変えさせる力は健在、特に日本では拡大に歯止めがかからない。ジカンバ系農薬も、グリホサート系農薬も大セール中のまま。。。
(引用ここまで)