28歳以下の選手が同一チームで3年以上プレーした段階で、残り契約期間
の給料を支払えば、一方的に契約を解除できる。それがウェブスター条約
である。EUパスポートを所有する選手の移籍を自由化した、ボスマン判決
以来の革新的な新ルールだ。

ただ、このルールはまだ一般化されていない。
契約を一方的に破棄する事へのマイナスイメージ。お世話になったクラブに
少しでも金銭的恩恵を与えたい感情。これらが選手側の躊躇を生んでいるからだ。

このルールが効力を発揮するのは、選手側がクラブの対応に不満があるとき
のみだろう。移籍の希望を受け付けない時などは、発動される可能性が高い。

経営側に出来ることは、より長期の契約を締結しておく事。長期の契約に
なれば、年俸×残契約年数で金額が決定するウェブスター条約のメリットを
生かすことが出来る。また、まめな契約更新も鍵になる。選手間との信頼
関係をより濃くする事が出来るからだ。

このルールは、決して資金力のあるクラブだけが優位性を保てるルールでは
ない事がポイントだ。複数のコンペティションを抱え、多くの選手を保有している
強豪クラブの選手には、望んだ出場機会に恵まれず、不満を抱えている選手も
少なくない。

そのような選手を、強豪とは言えないクラブでも保有できるチャンスがあるのが
ウェブスター条約だ。決して、資金力あるクラブだけが恩恵を享受できるルールに
ならない事を説に祈る。
MLBの先発投手は、あまり完投する事が少ない。中4日で、年間通してローテーションを
守り抜く事が要求される為、厳しい球数制限を強いているからである。その中で、
9の完投(4完封)を記録しているのが、フィリーズのロイ・ハラディ投手である。

松井秀樹選手のMLB初打席の対戦投手であり、そのときはレフト前タイムリーを
打たれているが、それ以降は、松井が苦手としている投手の一人になっている。

150キロ超のストレートなどを投げるわけではないが、90マイル前後のシンキング・
ファーストボール(シンカー)を中心にした打たせてとるタイプである。ほかには
カットボールも投げる。制球力に優れており、球数を抑えて投げることが可能で
ある為、年間9回完投することが出来るのだ。今年5月には、史上20度目の完全試合を
達成し、10月のプレーオフ初戦では、ノーヒットノーランを演じてもいる。
打たせてとるタイプでありながら、三振も多いほうで2008年以降3年連続で年間200
奪三振を記録している。

彼の投球は、MLBの舞台で苦しむ日本人先発投手の参考になるはずだ。故障を経験した事で、
コンディショニングに非常に気を使っており、年間通して緻密なトレーニングを欠かさない。
そのことが、強い体幹を生み、体の上下動が極力少ないまとまった投球フォームを生む。
小さいフォームである為、制球力が増し、球種によるフォームのばらつきも減る。その事が
打者の迷いを誘い、早打ちを誘発する。そして、球数が減る。投球テンポにもスムーズな
流れが出来る。味方の攻撃のリズムが生まれる。援護点が生まれやすくなる。
まさに、理想的な好循環を生み出しているのだ。

これらは、投げてみないとその日の調子がわからない松坂にはないものである。
彼自身もハラディの投球スタイルを理想的と捉えているようなので、ぜひとも彼の
安定感のある投球スタイルを模倣して欲しい。

投手にとって、大事なものはなにか。ハラディの投球はそれを教えてくれている。
まず第一に、一年間投げきる強い体と地道なトレーニングを欠かさない精神面タフさ。
そして、制球力とテンポ。これがあれば、150キロ以上のストレートがなくても
勝ち星を挙げることが出来ると言うことだ。
プロ野球に入団する選手の中では、アマチュア時代に投手圏打者の経歴で入団し
入団後に打者に専念し、成功を収めるケースがある。代表例は、イチロー、松井(稼)
などだが、最近では、日本ハムの糸井選手も成功例のひとつと言える。

彼らの特徴は、守備の名手として知られており、打撃面では豪快さよりも確実性を売りに
している選手が多い事。優れた運動能力を持っていること、元投手ならではの強肩であること、
俊足の選手が多いことが影響していると思われる。

また、右投げ左打ちの選手が多いのも特徴だろう。右投げの選手にとって左手を軸に
バットコントロールを行う左打ちはうってつけなのだろう。入団当初は右打ちでありながら
あえて、スイッチヒッターに転向した松井(稼)のような選手もいるほどだ。前記した
俊足をいかせる偶然も好都合だったのだろう。

今後も、投手圏打者で入団し後に野手に専念する選手は生まれると思う。その際は、
上記のような特徴を持っているに注目してみるのはどうだろうか。成功する選手、
埋もれてしまう選手の区別がつきやすくなるかもしれない
MLBでプレーする日本人選手、とりわけ投手には厳しいシーズンとなった印象の強い2010年シーズン。

年間10勝以上をあげた高橋にしても、中継ぎでの勝利数を加味してのもの。
唯一、安定した成績を上げた黒田は、このオフにFA権を取得する。クリフ・リーと並ぶ
FAの目玉投手として名前が挙がっているようだが、日本への復帰を検討している模様。
彼自身が、古巣広島への復帰を希望していると言われている。

松坂は9勝にとどまり、川上にいたっては、開幕してから9連敗を喫するなど、チームの期待に
答えられない結果が続いた。松坂については、獲得時に投入された60億円近い資金の意味を
問われているし、川上にいたっては、契約を一年残した形ながら、GMが放出を示唆する程だ。
来年、川上がMLBでプレーできている保障は全くない。事実、複数の日本の球団が川上の
調査に乗り出しているという。

ただ、彼らは、まだMLBでのプレーを許されているだけよい状況と言え、ヤンキースの井川に
ついては、ここ2年間マイナーでのプレーを余儀なくされている。マイナーでの成績だけで
日本野球界からオファーを受け取ったなどという笑えない話もあるようだ。

日本人投手のレベルは、決して低くない。それが証拠に、WBCでは2連覇を果たしている。
では、なぜ、日本人選手がここまでMLBで苦戦しているのか。原因を検証していこうと思う。

大きいのは環境面の差であり、使用球もそのひとつ。日本の各球団が使用しているボールより
滑りやすいといわれているMLBの使用球は、スライダーを多投する日本人投手に不利とされている。
スライダーが曲がりすぎることで、コントロールが出来なくなるのだ。また、日本と比較して
硬くマウンドが踏み込みを浅くし、体重移動を行いにくくさせていると言われる。

中4日、100球で年間通してローテーションをこなす事に慣れない選手もいるようだ。
これには、川上が当てはまるはず。日本でプレーしている時は、2年に1度は長期間の
故障を経験していた為、中6日での登板が許されていた。その分、試合を決定付ける所まで
任される事に慣れており、球数制限が設けられることに違和感があるようだ。
この辺りは、精神的な切り替えをうまくすることが出来た黒田とは対象的といえる。

今後も、MLBでのプレーを希望する投手は増えるだろう。成功の鍵は、アメリカ式の
投球間隔、スタイルになれる事。ストライク専攻型の攻めの投球を身に着けること。
そこを克服できれば、多くの投手はMLBでプレーできる力があると思う。
ここ数年、Jリーグを現行の春~秋開催から、秋~春開催に移行しようという
流れがあった。Jリーグが発足して、18年。春~秋開催を通してきたのに、
なぜ、この様な論争が巻き起こったのか。そしてなぜ、移行されなかったのか。
検証していこうと思う。

秋~冬開催を強く希望したのは、日本サッカー協会会長の犬飼氏であり、
その裏には、日本代表との兼ね合いがあるといわれている。
主要なプロリーグは、秋~春開催なのが一般的である為、日本代表の
強化プランもそれに沿ったスケジュールを組まざる得ない。

その為、毎年5月~6月にJリーグを中断する必要がある。W杯開催時は
さらに中断期間が延び、最大2ヶ月もの間、リーグ戦を中断する事になる。
Jリーグを秋~春開催にしておけば、リーグ戦終了後に、日本代表の
強化プランを集中的に練りやすい。

にもかかわらず、反対するチームが多かったのにはいくつかの理由がある。
まず、気候面。日本には、新潟、山形など真冬に積雪が多い地域が多い。
当然ながら、観客動員面での苦戦が予想され、秋~冬開催の恩恵を受ける
事が出来ない。また、全天候型の施設に増強する費用の捻出を考慮しなければ
いけない。この不景気に、どの自治体も二の足を踏むはずである。

現実的に見て、Jリーグの秋~春開催は難しいといわざるを得ないのが現状だ。
それが、今後の日本代表の強化にどのように影響するのか、注意深く見守る
必要がある





Jリーグは、昨年より契約が切れた選手については違約金を支払う必要が無くなった。
欧州では、ボスマン判決以降一般的になったルールだ。選手側、チーム側にとって
様々なメリット、デメリットが存在する。

まず、選手側のメリットについて、違約金に縛られることなく新しいチームを探す
事が出来ると言うこと。これは、加入する側のチームにとっても大きなメリットで
ある。日本代表クラスの選手を違約金のみで獲得する事が出来る事になるからだ。

ただ、一方で現所属先には大きなデメリットが存在する。優秀な選手を失った場合、
その補填を別の選手で埋めなければならないが、違約金を受け取っていないため、
同レベルの選手を補填する事が難しくなってくる。違約金をクラブ経営の一部と
捉えている小さなクラブに至っては、経営問題にも成りかねない。また、選手の年俸が
高騰しやすくなるのもこの制度の特徴である。ただし、チームの総年俸額が変わるわけ
ではない。そうなると、1部の移籍した選手に年俸が優遇され、選手間の格差が広がって
いく可能性がある。特に、生え抜きの選手などが不遇をかこつのではないか。

今後、クラブが採るべき対策としては、まず、有望選手になるべく複数年契約を
提示する文化を身につけること。入団し、A契約を勝ち取った後は、速やかに契約を
変更するべきである。そこには、選手の将来性を見抜く確かな目が重要である。
また、下部組織を充実させ、トップチームに送り出したり、他クラブに移籍させる等の
マネジメントも必要になってくるだろう。

今年も、藤本、槙野といった日本代表クラスで、契約切れ選手を迎える選手が大勢いる。
この2名については、名古屋グランパスなどから正式なオファーが届いている模様。
活発な選手間の移動は、リーグを活性化させるだろう。だが、クラブにとっては
大問題となる。早急な対策を打つ必要がある。


野球をした事のある人にとって、オーバーフェンスによるホームランを打つ事は、大きな夢ですが、
なかなか難しいものです。今シーズンのプロ野球界で30本以上のホームランを打った選手は、わずか8名。
パリーグに至っては、本塁打王を獲得したT-岡田選手のみと言う結果です。

通算でも、現役の選手で通算ホームランが500本を超えている選手はいません。MLB所属の松井選手が
通算494本なので、来年には達成すると思われますが、彼の年齢(36歳)と近年の成績を考えても550~600本の間が
現実的な数字でしょうか。ちなみに、600本を超えた場合、歴代3位になります。彼の様に若いうちから、主力選手
として活躍しても、王氏の868本ような特別な記録には遠く及びません。改めて、王氏の記録の偉大さを実感します。

現代では、大幅にバットの性質が向上、科学的なトレーニングによる身体能力の向上、選手寿命の延長など、
ホームランを増加させるであろうファクターは、数多く存在します。では、なぜホームランを打てる打者が
減りつつあるのか。原因を解明していこうと思います。

まず、環境面の問題として、球場の広さが挙げられます。甲子園名物だったラッキーゾーンは撤廃され、
名古屋にはドーム球場が誕生、荒天中止になる程の風に悩まされる千葉マリンスタジアムもあります。
誕生当時、広い球場と認知されていた東京ドームは、現在、球界屈指のホームランが出やすい球場へと
その認知度を変化させています。

それに加えて、使用球の変化も大きな要因の一つだと思います。2000年のシドニーオリンピックから、段階的にプロ選手が
国際大会に参加するなかで、高反発球との差に戸惑い、思うような結果を残せなかった事は、野球関係者に大きなショックを
与えてたはずです。また、WBCの開催も大きな転機でした。MLBの参加が認められた同大会を野球の国際化の柱にする上で、
野球と言うスポーツの使用球を統一しようという流れが生まれるのは必然でした。大会を主催するMLBの使用球が採用された事で、
日本が長年使用してきた高反発球の存在意義は、急速に薄れていったのです。

プレー面でいえば、データの分析をより細かく行う野球にシフトした事で、「投手の得意なボールを目いっぱい
投げさせる」配球から「打者の不得意なコースをうまく攻める」という配球に緩やかに変化しつつある事も
ホームランの減少の理由だと思います。

パリーグのCS、ファイルナルステージは14日福岡ドームで開幕。
西武との第1ステージを制した千葉ロッテが、中4日で登板した成瀬が
4安打完投の素晴らしい投球を披露。3-1で勝利した千葉ロッテが
対戦成績を1勝(アドバンテージを含む)1敗とした。ソフトバンクは、
CSでは、07の第1ステージから4連敗を喫している。

ソフトバンクは、初回の満塁のチャンスでペタジーニが三振に倒れ、
チャンスを逸したのが大きかった。直後の2回表に、杉内が大松に
3ランHRを喫してしまったからだ。成瀬は回を重ねる毎に調子をあげ、
5回途中から6回にかけては4者連続三振を記録。キレのあるストレートを軸に、
ソフトバンク打線を完璧に押さえ込んだ。杉内は、2回以降は失点を喫すること
はなかったが7回途中までに、5四死球を与え、安定感を欠いた。

ソフトバンクは、CSシリーズが始まった2004年以降、日本シリーズに1度も
出場していない。杉内、和田などの先発陣、摂津、ファルケンボーグ、馬原の
中継ぎ陣も駒はそろっている。一時期の100打点カルテットのような爆発力は
ないが、59盗塁を記録した本多を中心に機動力に優れた打線は、リーグ最高
得点チームであるロッテと比較しても遜色はない。

短期決戦では、わずかなミスが勝敗のポイントになることが多い。
最後まで集中力を切らす事無く戦い続けたチームが、日本シリーズへと
進出するだろう。
セリーグのCS ファイルナルステージの第3戦が22日ナゴヤドームで行われ、
巨人が3-2で。対戦成績を3勝(アドバンテージを含む)1敗とし、中日の日本
シリーズ進出に待ったをかけた。

勝利の立役者は、阿部だろう。6回無失点と好投した朝井を巧みにリードし、
同点に追いつかれた直後の9回に、決勝HRを叩き込んだ。中日は、8回に
野本が2ランHRを放ち同点に追いついたものの、岩瀬が阿部に決勝HRを
浴びてしまい、競り負けた。日本シリーズへの進出は、第4戦以降に
持越しとなった。

6回無失点と好投した朝井だが、前所属の楽天時代を含めて初対戦だった。
だからこそ、1死1・2塁のチャンスを和田の併殺打で逸してしまった事で、
朝井を乗せてしまったようだ。中日先発の山井も6回2失点と先発投手
として最低限の仕事は果たしたが、大事な場面で甘い球を痛打された。

また、ポストシーズン24試合目にして初被弾を喫した岩瀬の投球も
気がかりだ。前日は、2点リードの場面で登板なし。第1戦で22球を
投じた為の配慮のようだが、岩瀬の心中はいかがなものだったか。
その心の乱れが自慢の制球力にわずかな乱れを生じさせたのかも
しれない。ただ、中継ぎ、抑えとして多くの経験を重ねている
岩瀬は、精神面での切り替えが巧みなはず。明日以降の投球に
期待したい。

攻守の要である阿部の一打で試合を決した事は、他の選手とは違った重みが
あるはず。中日が王手を欠けている苦しい状況に変わりはないが、ここにきて、
先発投手も最低限の仕事をこなせるようになってきているだけに、
打線の爆発力が復活すれば、3連勝も決して不可能ではない。
セリーグのCS ファイルナルステージの第2戦が21日ナゴヤドームで行われ、
中日が2-0で2試合連続の完封勝ちを収めた。対戦成績を3勝(アドバンテージを含む)
0敗とし、日本シリーズ進出に王手をかけた。巨人は、自慢の打線がつながりを
欠いてしまい、崖っぷちに立たされた。

勝利の立役者は、吉見だ。先制タイムリーも放っており、投打に大活躍をみせた。
今シーズンの吉見は、対巨人戦で5勝をあげているが、防御率は3.95と決して
安定していたわけではない。8月26日の巨人戦では2回で5本ものHRを浴びて
7失点KOされている。一抹の不安を抱えていたはずだ。

ただ、広い名古屋ドームでは、攻めの投球を展開。8回途中を5安打無失点と
好投。前日に好投したチェンのような、打者を圧倒するストレートを投げる
投手ではない吉見にとって、インコースを厳しく攻める事が、投球の幅を
広げる事ができた要因だ。

8回途中から吉見を引き継いだ高橋、浅尾もシーズンどおりの危なげない
投球を披露した。特に、対巨人戦防御率0.00の高橋は、自信を持って
投球しているように見受けられた。

これで王手をかけた中日だが、2試合とも紙一重の戦いが続いている。主砲
和田の調子も上がってこない。1つのプレイで流れが大きく変わるのが短期決戦だけある。
決して油断する事無く、スイープでの日本シリーズ進出を狙うくらいの勢いで
戦っていく必要がある。